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番外編。とある騎士の懺悔。

閲覧評価ブクマありがとうございます。

ランキングに入って吃驚しました。拙作にお目を通しくださり感謝です。


湿度や気温差に皆様体調崩さぬようにお気をつけください。

夏風邪を引いた馬鹿は私です。



よろしくお願いします。



「俺はお前を許さない」




俺はコイツにそう言った。


コイツは白の薬師と言われているようだ。


何が白の薬師だ。


魔物除けと言う優れ物を持ちながら、使える物を使わずにいるコイツに対し恨みが噴き出した。





クタリと横たわるコイツ。



コイツは誘拐されたらしく、救出されたが眠ったまま起きない。


こんなヤツの顔など見たくもなかったーーー。



俺の部隊がコイツの砦までの輸送を任された。

仕事に私情は挟まないが出来れば別の隊にして欲しかった。




ーーー脳裏に浮かぶのは大挙して襲いかかる魔物の群れ。


湧き出るように襲いかかる魔物の群れに剣を振れども振れども抑えられずにいた。

仲間が負傷し倒れる中、自分も傷つきながら陣形を組んだ友を背合わせに魔物に流出を制することに専心した。

だが、魔物の勢いは衰えず一瞬圧され陣形が崩れた。


それは一瞬だった。


友が倒れ赤く染まる視界。



死角からきた魔物の攻撃を防ぎきれず友が地に崩れた。


そのまま魔物が押し寄せたーーー




騎士として防げぬ無力に打ちひしがれた。

多くの仲間が傷付き、友が倒れた。

数の不利を技量で補えぬ己の未熟さに行き場のない怒りが渦巻いていた。



ーー早く出していれば!



狭量だと言われても仕方ない。

八つ当たりだと分かっていても、仲間を思うと止まらなかった。


あの時あの煙幕で魔物が退いたのは事実。

それのお陰で大半の者が助かった。

助からなかった友は運がなかったのだ、と。

だがそれを納得するなど出来なかった。

受け入れられない自分に自己嫌悪に陥ったのも確かだ。

だが、やはり納得などできない。

早く、いや、最初から出していれば被害は無かったのだ。それなのに団長から苦言を刺された。

確かに感謝している仲間もいるが、自分には無理だ。






幌馬車の中で横たわるコイツ。




ゴトンと馬車の振動でソイツの頭が揺れ露わになる首筋。

自分がつけた首筋の痣がまだ薄っすらと残っていた。


その首筋に視線を留めた。


躊躇したが、痣を確認するために手を伸ばした。



ふと首筋の違和感に思わず撫でれば、衝撃が走った。



柔らかな首、なだらかな首筋。

喉仏など無い、しなやかな喉に指先を滑らせた。


恐る恐る襟元の釦を外しくつろげればサラシを巻いた胸元が露わになった。

サラシに押さえ込まれた緩やかな胸元が曲線を描いて呼吸で上下している。



目を見開き息が止まった。



震える手をグッと握りしめ一息深呼吸した。



釦を戻し眼を瞑り手を顔にあて俺は項垂れるしかなかった………。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





後日、会う機会があり直接謝罪した。




「すまなかった。女性に手を上げるなど騎士の風上にも置けない行為だ。謝罪する」



自分の謝罪に彼女は目を剥いた。

眉間に皺を寄せ目を釣り上げ怒りからか上気した顔をした。

女性ならもっと淑やかに、と思わずにはいられない。



「はあぁ!?女性だから!?何それ。お前の矜持は性別で変わるのか?死んだ仲間に申し訳なくないのか?何が騎士だ!!仲間のための怒りを性別で引っ込めるなんて!ふざけてるのはそっちだ!!」

「だが、か弱い女性を……」


「女性だろうがなかろうが、自分より弱いヤツに手を出したのはお前だ!だが、怒りに性別関係ないだろ?!仲間の死を軽んじてるのはお前自身だ!」



ハッと気がつき項垂れ頭を下げるしかなかった。


仲間を思い、その思いをコイツ、いや白の薬師に不条理にぶつけた自分。

仲間へのその思いは簡単に代えれる物では無かったはずだ。

それを八つ当たった相手から諭されるなど、自分の浅はかさに落胆した。



白の薬師殿はそんな俺を怒鳴ってくれたのだと思い感謝の眼差しを向けると、薬師殿から訝しむ視線を向けられた。






「で、どうして分かった………の?触った、のか?」



ハッと性別が判明した訳を聞かれていることに気がつき私も焦った。

触ってなどしていない!



「違う!」

「……………なら、どうやって?」



即答で否を唱えるも二の句が告げられないのも事実だ。



「え、それ、は…」



言い淀むもジロリと睨まれ白状させられた。



「…………目視で、確認した」

「へー。脱がしたの。意識ない女性の服」


「いや!か、確認だ!けっ怪我がないかと……」

「………………………ふーん」


「す、済まない……」

「なら私が女だとは秘密。言ったらあんたが服を脱がしたのバラすから」


「な!っ、わ、分かった」

「本当?」


「騎士にかけて」




納得したのか、ニッと笑う薬師殿。








その笑みはもう男には見えず、女性にしか見えなかった。








二章はこれで終わりです。三章からはマイラ視点だけでなく、他視点も混合します。他視点を番外にすると進み難いので。

読み難かったらすみません。


お読みくださりありがとうございました。

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