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2ー11。

バーグ副隊長のフルネームは、

グランド・バーグ副隊長です。

後半の方にグランド視点が入って三人称に変わります。読み難かったらすみません。


よろしくお願いします。


「いつやられた?」

「………砦に来て次の日、です」



首についた痕について追求をされて説明をした。棚から出した薬品を机に乗せながらバーグ副隊長の質問に答えたマイラ。


結局、バーグ副隊長に薬品庫まで付いてこられた。


薄暗い薬品庫の中は色々な薬品の匂いがする。

マイラは慣れたものだが嗅ぎ慣れないと頭を痛くすることもある。

バーグ副隊長は入った瞬間眉をひそめるのが見えたが今は平気なのか普通の表情だ。



「よくあんなことに巻き込まれているのか?」

「………まぁ。たまに、です」



マイラが曖昧に誤魔化してもバーグ副隊長の視線は誤魔化されてはくれなさそうで胡乱な顔をしている。探るような視線を躱しマイラは薬品を選別しながら考え込んでいた。




マイラは騎士達の気持ちも分かり自己嫌悪が止まらない。



理不尽にぶつけてくる他人の感情は不快であり恐怖でもある。

だが最初から魔物除けを出していれば傷付く騎士が減る。

しかし魔物除けに頼れば騎士達の沽券にかかわる。

今まで命をかけて護ってきたのに煙りひとつで出番が無くなるのだ。虚しいを通り越して腹が立つのも分かる。



薬品を箱に収め、ふぅ、とマイラは溜め息をついた。

机の前に立ち尽くしているとバーグ副隊長が隣に来た。

バーグ副隊長に、傷を見せろ、と言われ不承不承に見せると表情を曇らせた。

スカーフを外し首を見せるもマイラは気恥ずかしくて視線を逸らした。



「擦り傷ですよ。ほっといても治ります」

「傷が残ったらどうする」

「別に困りませんよ」



マイラの脇に立って首筋を覗くバーグ副隊長に身をよじり手を出し距離を取ればジロリと睨まれた。

擦り傷はチリチリと痛むし、時間が経ち痣が濃くなり騎士の力の強さを身を以て知りマイラは項垂れた。


項垂れ露出した首筋をバーグ副隊長に撫でられマイラは、うひゃあ!と声をあげバーグ副隊長を睨んだ。



(首撫でられた!)




「な、なにすんるですか!!」

「……細い首、だな」


「騎士みたいに鍛えてないですから!」

「そう、だな………」



背中を丸め首を手で隠すように身構えバーグ副隊長を見て息が止まった。


バーグ副隊長の目付きがいつもと違う。


深い彫りの奥で光る瞳から醸し出される艶を乗せた視線にマイラはたじろいだ。



え?えーーーー!!??

バーグ副隊長って……


マジでソッチの人ーーー!!!??



本能的に身を離そうと足を動かそうとしたら、……視界が、変わった。



ガタンと机が揺れ視界にバーグ副隊長がマイラを見下ろしていた。


マイラは机に半分乗り上げるように腰掛けさせられ仰け反るようにバーグ副隊長を見上げた。マイラの驚愕に見開かれた瞳を覗き込むバーグ副隊長の眼は劣情を帯び妖艶さを醸し出す。その雰囲気に飲み込まれマイラは身動を忘れていた。


バーグ副隊長はマイラの左右に両手を置き囲むと身体をピタリと寄せた。マイラを見下ろしゆっくりと顔を近づけ身体を寄せる。全身から男の色気が匂い立つほどの熱の篭った瞳に射竦められたマイラは口をパクパクと魚のように開閉しかできない。

バーグ副隊長の豹変ぶりに動揺と混乱が止まらないマイラ。



「はっ、へ?バ、ババババババーグ副隊長!??」



グバーグ副隊長に捕まった?と気がついた時には両手を掴まれ抑え込まれ、脚の間にバーグ副隊長の身体が割り込まれていた。



「な、なっ、ななななにをするんですかぁぁーー!!」

「油断するからだ」


「ゆゆゆゆ油断って!バーグ副隊長!自分はっっ!!」

「マイラ……辛いなら俺を頼れ」


「へっ?」



バーグ副隊長に身体を寄せられ名前を呼ばれマイラの一瞬思考が停止した。


マイラの頬をスルリと撫でたバーグ副隊長はマイラに顔を寄せると爆弾を落とした。










「もう男には見えないな」

「!!!」




目を見開きサッと血の気が下がり口をはくはくさせるマイラを見つめグランドはニヤリと笑い眼を細めた。

動揺するマイラの表情がコロコロ変わりグランドは愉しむかのように頬を緩めた。







バレた?

バレた!?

バレてるうぅぅぅーーーー!!??

どうして知られた!?

いつバレた?



ぐるぐると逡巡する思考にマイラはグランドの腕の中でビシリと硬直して抵抗も忘れていた。



(ああああああ!!どうする!?バレた!!仕事辞めさせられる!!??ああああああああああーーーーーーーーーー!!!迂闊な自分に腹が立つーーーーーーーーーーーー!!!!なぜバレたああーーーーーーーーーー!!!!

ああああああああ!!王都出るか?出るしかないか!!??師匠になんて言おう!!!)



驚愕に目を見開らき思考は彷徨い、マイラは放心状態になった。




完全な男性社会では性別を隠さなければ仕事ができない。だから師匠にもそうするように言われ隠してきた。

自分の前世の記憶をバーンズ侯爵に見出され今がある。養子になりお世話になるばかりではと思い、いつかは独立して自立するつもりだった。資金が溜まったら何処かに店でも構え街の薬屋にでもなるつもりだった。

もちろん性別を隠している以上、独身を貫くつもりだったのにバレたら計画倒れだ。女店主なんか強盗や押し売りに目をつけられるのは確実。

女というだけで不利な世の中なのだ。

男の力には敵わないのは当然のことだ。身を守るために男で通さなければ確実に身が危ない。

今まで男だったから平穏に過ごせ、夜も出歩けたのだ。

女性からの告白も受け流せば済んだ。

女と分かれば、下手したら侯爵位狙いの男に襲われて力ずくで婚姻に持っていかれたかもしれない。

マイラは一人で生きてくための人生設計が性別がバレて破綻しかねないことに顔色を無くした。



蒼白したマイラをグランドはくつくつと笑いながら見下ろしマイラの腰に手を回した。



「い、つ……知った、のです、か………」

「お前が寝落ちした時、服を脱がせた。疚しい意味じゃないぞ?たんに寝にくいだろうと思って、だ。お前を男だと思っていたからな」



違和感に気づきマイラが男じゃないと知った時の自分の狼狽を見られなくて良かったとグランドは思った。

白い首筋に華奢な鎖骨を無防備に晒して眠るマイラ。

脳裏に浮かぶ光景を、グランドは目を瞑り息を吐いて追い出した。



顔を赤くするマイラはもう男には見えない。



「俺がお前が女だと知ってるのをお前に隠すのは卑怯だと思ってな。お前が性別を隠していることを知ってしまった以上今まで通りには行かないからな」



バツの悪そうな顔で言うグランドにマイラは二の句が告げず微動だにできずにいた。


頭の中はバレた!どうしよう!バレた!としか考えられないマイラは次の行動も取れず固まっていた。

グランドはそんなマイラに圧し掛かるように身体を寄せた。



「誰にも言わないから安心しろ。何か困ったら俺のところに来い」



困惑と動揺で硬直しているマイラはグランドを見上げたままだ。いつも髪で隠れがちな顔が曝け出され目を見開くマイラに少し笑いが込み上げる。

狼狽しているマイラの今が、素の顔なんだろう。


グランドはふと息を零し目を細めた。

力強くだが優しい瞳でマイラを見つめグランドは腰に回した手でマイラを引き寄せ頬に手を添えると、チュッと鼻先に口付けた。



「ひぎゃあああ!なにするんですかあぁ!!」

「…………色気がないな」


「そんなもん、花街で探してください!!」

「お前の色気を見てみたいんだがな?」


「知りません!ありません!装備してません!」

「ほう。なら教えてやるぞ?」



ひいいいぃ!と悲鳴をあげればグランドはくつくつと喉を鳴らす。

色気のないマイラの反応を残念そうに片眉を上げ目を細めたが、その眼はおもちゃを手に入れた子供のように楽しそうに光り口元がニヤリと笑っている。


マイラは引き気味に身体を離そうと手で押すがグランドにさらに抱きしめられそうになったその時ーー



ーーガチャリ。



とドアが開いた。



「おや、失礼。君がここにいると聞いてね。後で室長室に来てくれるかな?」




マイラを抱きしめるグランド。

グランドに抱きしめられ硬直するマイラ。

それに動じず淡々と話をするクバーノ医務室長。


三者三様の様相。







ーーマイラは混乱した。











やっとマイラの性別が書けた。

下手の長文、すんなりと話を進められないのが困ります。

グランド視点は番外で。


お読みくださりありがとうございました。

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