2ー1。
今日は二話投稿。この話の前に一章の登場人物紹介を置きました。
二章です。よろしくお願いします。
閲覧ブクマ評価ありがとうございます。
守護騎士団の遠征は、魔物を退治したり治安維持の為隣国への牽制が主な理由だ。
今回の遠征は、西の国ラットラーとの国境の要、タレア砦へ向かう。
ラットラーへの威嚇を含め魔物退治と、ついでに物資輸送が目的らしい。
ーー
ガラガラと音を立てて馬車は進む。
従軍医師団がいるのにもかかわらず何故ここに自分がいるのか甚だ疑問だ。
戦場に薬師は余り役に立たない。
少しくらいなら治療できても縫ったりは出来ない。所詮補佐止まりだ。
薬師が急患相手に薬草潰して練ってたら当然間に合わない。野外ではあらかじめ製薬した物を持って行くため医師が薬師の代わりをする。
魔物に合わせた色々な種類の薬。
対人の薬物対応。
完成品の薬の他にも傷まないように濃縮液に粉末薬を混ぜれば完成するように分離させておいたりしておく。医師が薬師の手を借りずとも簡単に処方出来るように薬が用意されているのだ。
なのに、ポッと出の新米が熟練の従軍医師団に紛れ込めば違和感が半端無い。
師匠につき医術を身につけたマイラだが、従軍経験が無い人間が居られるほど遠征は甘くないと理解している。
(師匠のせいで目を付けられたか……)
マイラは周りの医師団からの疎外感に意気消沈して項垂れた。
「遠征は初めてかい?」
「は、はい。初めてです」
馬車に揺られていると隣に座っていた中年の白髪混じりの医師にマイラは声をかけられた。
「初めてで緊張するだろうが、無理はするなよ」
「はい。足手まといにならないように頑張ります」
「頑張りすぎるなよ?」
慣れた雰囲気の医師は緊張気味のマイラの背中をポンポンと軽く叩き労わるような眼差しを向けた。
「薬師が普通、前線に出ることはないからなぁ。乗り物酔いは大丈夫かい?」
移動で体力低下しないように気をつけろよ。と苦笑いされマイラも苦笑いで返した。
乗り物酔いは大丈夫だが、尻が痛い。とは言えなかった。
馬車に揺られ、早六日。
道中、道すがら出た魔物を守護騎士の皆が掃討し、安全が確保された中で野営した。
見張り当番は廻っては来ないが、地面に寝転び慣れない野外活動に疲れが溜まる。
食べ慣れない携帯食を白湯で流し込む。
濡らしたタオルで顔を拭くが独りになった時こっそり身体を拭いたりしたが、早く身体をサッパリさせたいなあと、マイラは嘆息した。
身体がバキバキになり馬車の中に座っているだけで全身が凝っていく。
過酷な道中に身が軋み、あと少しの辛抱だと空を見上げた。
(雲の流れが速い。天気変るかなぁ……)
砦に着くまで天候が変わらなければいいなぁ、とマイラは呟き馬車に向かった。
彼此六日も馬車の振動にお尻が耐えらなくなってきたマイラは眉を潜め流れる景色を眺めていた。
(馬車用のクッションの量を倍にすれば良かった)
人目を避けてこっそり軟膏をお尻に塗るマイラは滲みる薬に眉をひそめた。
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