番外1-8裏視点。《スターリー隊長視点と騎士達のロバ耳》
*番外は本編の別視点。
*番外編は本編以外の話しか主人公以外の話しになります。
スターリー隊長視点と第三隊でマイラに稽古をつけた騎士達の吐露です。
ムサイ暑苦しいむくつけき騎士達のなかで、目を惹く淡い髪色に色白の肌。
マイラは男らしい顔付きとは程遠い目鼻立ちで充分童顔だ。
怪我をすればこまごまと治療に当たる。
柔らかい指先で軟膏を塗ったり湿布を巻いたり。
接近して治療するマイラにドキリとする騎士も少なからずいる。
遠征に訓練の日々。
王宮近くにいてもメイドや侍女など女性に関わる機会も無い騎士達には男のマイラ相手でも癒しになってしまう。
前に迷い込んだ猫がいたが、騎士達に構われ過ぎて逃げ出した。
餌をやり撫でる人間が何十人も居り、途切れることなく繰り替えされれば餌が貰えるとはいえウンザリして猫も逃げ出す。
癒しに飢えた騎士達。
ヒョロっとして小柄なマイラは簡単に筋骨隆々の群れに埋もれる。
その中でマイラは物怖じせず言い返す。
猫が毛を逆なで威嚇するようなその様子に皆表情が緩んでいるのが分かる。
マイラに対し自分に親心が芽生えるのも致し方ない状況だろう、とスターリー隊長はマイラに助言した。
剣術を身に付けマイラに少しでも自衛できるようにと稽古をつけた。
マイラは型通りに綺麗にレイピアを振る。
それに惹きつけられるように見つめる者もいた。
身を守るために護身に習得させようと思ったスターリー隊長はこれも逆効果だったか、と今更ながらに後悔していた。
懸命に剣を振るマイラは庇護欲を唆る。
小動物に見えるマイラが一生懸命に剣を振る姿は子猫が爪を立てるようで目を惹くのだ。
本人は必死に真剣に剣を振っているのは分かるが必死さが健気で唆られるようだ。
部下が、道ならぬ道にハマらぬことをスターリー隊長は密かに祈った。
その後、ザザ・クエーカーズから遠回しに苦情が来ることとなりスターリー隊長は苦虫を噛み潰したような顔をした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
吐き出したい思いをこっそり吐き出す騎士達。
モブ騎士達の呟き。
「アイツ包帯巻くの上手いよな」
「動いてもズレないからな」
「治療も丁寧だしなぁ」
「だな」
「………アイツ、ちっちゃいな」
「……ああ」
「今日鍛錬したろ」
「ああ」
「アイツ、いい匂いしないか?」
「っ……ああ」
「腕、凄え柔らかだった」
「………………」
「肩も華奢でやんの」
「……だな」
「なんか勘違いしそうになったぜ……」
「……………」
「お前もか?」
「…………………………ああ」
「男の癖に庇護欲駆り立てられるんだよな」
「ああ……」
「即答かよ」
「………………」
「女性からの告白全て拒否しているんだってよ」
「………………」
「ソッチ系に目を付けられているのも分かる気がする」
「………………」
「…………お前、もしかして………」
「俺はノーマルだ」
「俺もノーマルだがな」
「………………」
「………………」
「………………」
お読みくださりありがとうございます。
2017.0706加筆修正。




