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1一15。

またもBL風?な描写があります。

苦手な方は後書きにあらすじを置いておきますので飛ばしてください。



今、薬室はゴリゴリと低く響く薬を擦る音に支配されている。



昼間は医術代理に借り出され薬の調合が出来ないマイラは残業で製薬せざるを得ない。

しかも担当分が終わらず結局ザザに手伝ってもらっている。



薬研で薬を挽くザザをマイラはチラ見した。


マイラは自分が賭けの対象になっているのを知り憤慨していた。

ザザにも愚痴ったが様子を鑑みると知ってたようだ。


だからザザが、気を付けろ、と言っていたのだと気が付き胡乱にザザを睨めてしまった。



(ハッキリ言ってくれればいいのに)



知っていれば気を付けようもあったのにと不満げに頬を膨らますマイラ。

だが、言われないと分からないマイラもどうかと思う、と言い返されるのがオチだと閉口した。

口でザザに勝てるわけけがないからだ。


マイラは今後を憂うと溜め息をついた。







温室での噂と賭けのせいかマイラは変に絡まれることが多くなった。



処方箋を渡す時など手に触れたり握ってきたり。

だから最近はザザが処方箋を管理し、マイラは薬を選薬したり袋詰めしたり裏方に回った。



それでもマイラが一人になると、あからさまなのは少ないが遠回しに誘ってくる勘違い野郎に辟易していた。



噂をしたヤツを殴りたい気分になる。

賭けの話をしていたヤツが判明しだい塩塗りしてやる!とメモを増やしたマイラだった。








いつも通りマイラは薬草の水遣りに回った。


その温室の水遣りの帰り、マイラは声をかけられた。



振り向けば見目麗しい美丈夫がひとり。深妙な表情を浮かべ眉を寄せる顔は少し苦しそうに感じた。



「少し、いいかな?」

「……はい。なんでしょうか?」



突然姿を現した男にマイラは警戒心バリバリで向かう。

苦しそうな表情は気になるが怪しさ全開だ。



「痛みがあってね。……聞いてくれるかな?」

「はぁ。……で、痛いのはどこですか?」



優雅にスルリと流れる動作に見惚れ対応が遅れた。

マイラは騎士に手を取られていた。

その手を握られ、ココです、と自身の胸に当てる騎士。




ヴェエエエエエエエエエーーーーッ!!!




ビックリして吃りながら手を離そうと引くがビクともしない。

くそう。流石騎士だな、と感心している場合じゃない!




「あ、ああああのですね!自分は!」

「貴方に癒してもらえないだろうか」



手を胸に当てられ片手はマイラの肩を引き寄せられる。見上げれば上から覆い被されるように近づく顔!


ち、ちょっと待て!!違う!!!自分ソッチじゃ……!!!



「大切にする………君を……」




どいつもコイツも人の話しを聞きゃあしないぃーー!!


不躾に接近する騎士に腹が立ったマイラは習った体術が脳裏に浮かぶ。


ささささし

騎士の脚の間めがけマイラは足を振り上げた。





ーー習った体術がこんなところで役に立つとは!



蹴り上げてすぐに身を翻したマイラの背後で、ゔっ!!という呻き声を背中で受けながら緩んだ手から脱兎の如く走った。




きもいーーーーーーーーーー!!!!!




脚の脛に残る感触。フニャというかクニャッというか、気持ち悪い感触がマイラの足を進めさせた。




きもーーーーーーーーーーーーいっ!!!!








息をせき切り医務室の薬室たどり着けばザザに目を剥かれた。

息を荒げるマイラに駆け寄りザザはマイラの身体を支えた。



「マイラ大丈夫か?何された?」

「だ、大丈夫……。される前に、逃げてきた」



呼吸が整わないが、なんとか言葉を紡ぎ出しザザを見上げれば心配気に眉を寄せている。

水を貰い椅子に座って落ち着くとザザの、ふぅ、という溜め息が聞こえた。

ザザを見れば冷気を伴いそうな溜め息と凍て付く視線を携えた童顔…じゃなく、美貌の青年は魔王かくやと思う黒いオーラを放っている。



マイラは思わず逃げ出したかったが、肩をガッチリ捕まれ椅子から立ち上がることを防がれた。

マイラの肩に両手を乗せて俯くザザの顔は見えないが、魔王の呟きを耳が拾った。




「……誰か、わかる?」



「…………ハ、イ……」






地の底を這うようなザザの声に否など答えられるハズもなくマイラは首を縦に振った。



彼の者よ………安らかに…………。







マイラは冥福を祈った。








見知らぬ騎士に口説かれたマイラが蹴り入れて逃げました。

さらっと簡単にするとこんな感じ。


ご読了ありがとうございます。


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