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1一1。

ご一読頂けたら幸いです。

のんびり投稿の予定です。

よろしくお願いします。

石畳の路に街頭の灯りに照らされた細身中背の影が足下に落ちる。


腰まである秘色の長い髪を後ろに一つに纏めて結わき、纏められなかった長めの前髪が解れ毛となり顔にかかる。



顔に掛かった秘色の髪を鬱陶しげにかき上げた。


現われた顔は、派手ではない細面。整ってはいるが普通の顔。

短くも長くもない流れるような眉に、浅めの彫りに大きな目。目尻が少し上がり気味の金色の瞳に細めの鼻筋。形の良い唇に細めの輪郭。

白のクラバットにスリットの入った深緑のジャケットと黒いトラウザーズに黒いロングブーツ。黒いロングローブを羽織り街の喧騒の中を縫うように歩く。



整えられた石畳の道は丁寧に敷き詰められ、馬車道と歩道は分けられている。優に二頭引きの馬車二台分が交互通行できる広い車道に、広い歩道は王都自慢の目抜き通りだ。

その通りのひとつ裏に回り人通りの少ない路地を抜ける。高い建物に挟まれ実際より見た目狭く感じる通路を進み黒いレンガの建物に向かっていく。燻しレンガと同じく燻され黒く加工された木戸の重い音とドアベルの音が鳴った。





仕事終わりに酒場に寄るいつもの酒場。

黒ずんだ燻しレンガの落ち着いた趣きの酒場。

少し高めの酒が置かれ、ドレスコードは必要無いが少し敷居の高いこの店はいつも静かに飲める数少ない店だ。

気楽に寄れる店では無いため飲むなら給料日に行くに限る。



「いつもの」



赤ワインベースのカクテルを飲みホッと一息付く。



ーー昔から好きな味。



一杯だけ飲んで帰る。

それがいつもの事。

そしてマスターにいつもの物を渡す。



「マスターいつもの」

「ありがとうよ、マイラ」



店に置く常備薬を渡し、飲んで帰る。

月一回の来店。

常備薬の配達ついでと息抜きと。

マイラのそんな平穏な日々は配達を始めて2回目の春を迎えた。





赤いお酒。キールロワイヤル。

のCMを知っている人は少ないだろうなぁ。


マイラの名前も赤いお酒です。


名前をつけるのが苦手なのでお酒からとりました。

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