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十七ノ一話

 いつも通り朝練にいくと笹井さんと千歳先輩がいた。


「おはようございます。」

「近衛ちゃんおはよう。それじゃあ笹井君よろしくね」


そう言って千歳先輩は玄関ホールから食堂の方に向かっていった。


「おはよう。他のやつはリタイヤするそうだ。どうやらハードだったらしい」


笹井さんは少しさみしそうに笑って言った。


「千歳先輩は何か用事があったんですか?」


「ああ、近衛に格闘術を叩き込めと言われた。攻撃手段は多い方がいいからな。

まずはいつも通りのメニューをこなそう」


いつも通りにメニューをこなしていく。

少しなれたのか体力にも余裕が出てきたようで前のようにふらふらになることはない。

メニューを終え格闘術を笹井さんから教わる。

実際の近接戦闘は拳銃やナイフを使うので笹井さんが用意したモデルガンと刃の木製のナイフを使う。

拳銃の抜き方やナイフの振り方を教わり、ある程度できて来たので組み手の練習をする。


「組み手ではいかに相手のバランスを崩し魔法を打ち込めるかが重要になってくる。

まずは動きを覚えて無意識にできるレベルを目標とする」

「お願いします」


笹井さんと向き合い構える。笹井さんの動きのまねをするが何回やってもぎこちない。

どうしてだろうと考えていると


「動きの流れを意識しろ。武器を出す動きは最短に、ナイフを振るときは力が乗るように意識するんだ。

足は次の行動のために動いているか?」


正直動くのが精一杯でとてもそんなことをかんだ得ている余裕はない。

朝練が終わる頃には頭も体もフルに使って満身創痍だった。


「おつかれ、まずは日常でも意識することだな。普段は無意識に動かしている体を意識して動かす練習をするんだ。」

「はい。ありがとうございました」


笹井さんと今日の動きについて話しながら寮に戻る。食堂はもうあいている時間だが今日は授業がないのでのんびりお風呂にでもつかろうと思い着替えを持って浴場に向かう。

 脱衣所で服を脱ぎ浴場へ向かうと扉の前にサチリと雪が入りたそうにうろうろしている。


「入りたいの?」


サチリたちは私と紫苑を交互に見てその場に座っている。よくわからないがとりあえず扉を開けるとおそるおそる一歩を踏み出していた。


「危ないから紫苑についていくといいよ。紫苑見ててあげて」


サチリたちは紫苑の後ろをカルガモの子供のようについて行く。私はシャワーを浴びて紫苑たちと一緒にお風呂に向かう。由乃さんたちを見つけるとゆっくりと近づいていき背中を前足でつんつんとつつく。


「雪ちゃん!?」

「サチリ?」


二人とも驚いて振り返る。私は紫苑を膝に座らせてお湯につかる。


「ヨウセイを入れてもいいの?」

「注意書きのところに入れていいと書いてありましたよ」

「そうなんだ! 雪ちゃんも一緒に入ろう?」


春華さんは膝を立ててその上に雪を乗せる。由乃さんもサチリを抱きおそるおそるお湯につかる。


「蓮さんは今日も朝練?」

「そうです。由乃さんたちは?」

「私たちはトレーニングルームで自主練してきたの! 千歳先輩がメニューを考えてくれたんだよ」

「さすがに蓮さんたちほどハードではないけどね」


話をしていると紫苑がうとうとし始めていた。


「そろそろ上がります」

「私たちも上がるわ。一緒に朝食を食べましょう?」

「はい」


脱衣所で着替えて部屋に戻る。汚れた服を洗濯機に放り込みスイッチを押し食堂に向かう。

 3人で食事をとって居ると通信が入る。


――今日の訓練は14時から庭で行います。装備を忘れずに――


食事を終えて席を立つと佐々木さんが何かを持ってこちらにやってくる。


「近衛様、食事と食事の間にお召し上がりください。」


そういってブラックチョコレートと小さめのバナナを渡してくる。


「わかりました」


返事をして課題をするために部屋に戻る。春華さんたちにはなかったので不思議だが今は課題を終わらせることが先だ。途中でもらったチョコとバナナを食べ課題を進めていく。

もう少しで終わりそうだが昼食の時間なのでいったん課題をやめて食堂に向かう。

 

食堂には笹井さんがいたので一緒に食事をとる。バナナのことについて聞いてみると笹井さんももらったと言っていた。食事を終えると今度はおにぎりとミカンがちいさな保冷バッグに入れられて渡される。笹井さんも同じようだ。


「どうして私たちだけなんですか?」

「トレーニングのメニューを指導生から伺ったので内容に合わせて食事の内容も変更されています」


佐々木さんは一礼してキッチンにもどって行った。


「今日からの訓練覚悟しておいた方がいいぞ」

「どうしてですか?」

「軍に居たときもおやつが出る時があるんだ。出るときの訓練は二度とやりたくないくらいきつかった。」


笹井さんが二度とやりたくない訓練、考えただけでも恐ろしい。


「……まだ死にたくないです」

「俺もだ」


また訓練でと言って笹井さんと別れ部屋に戻る。

残っていた課題を終わらせ、作業服に着替え装備をつけて集合場所の庭に向かった。


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