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営業課長 古栗鼠川コー・リー

 ある晴れた素晴らしい日、朝っぱらから営業課長である古栗鼠川こりすがわコー・リー(以下コー・リー)がこりす先生の下にけたたましく駆け込んで行きました。

 何でも、素晴らしい営業宣伝方法を思いついたようなのです。

「こりす先生!素晴らしいアイディアですよ!やはり私は古栗鼠界きっての切れ者と言われるだけのことはあります!そりゃあ凄いのなんのって、言葉じゃ言い切れ…グハッ!」

 激しく興奮しているコー・リーを襲ったのは、古栗鼠商会開発商品の『団栗目覚まし』。こりす先生もなかなか酷い事をします。

 確かに、コー・リーは普段から早口で大声。それが、起き抜けに早口で機関銃のように巻くし立てるのですから、こりす先生の気持ちも分からなくありません。

 幾らこりす先生のような人(古栗鼠)格者でも、寝起きは機嫌が悪かったんですなぁ。

「ふぅぅ…。コー・リー、朝からそんなに騒いではいかんのぅ。ワシは年は取っておるが、人間と違って早寝早起きに出来ておらんからのぉ…」

「も、申し訳ありません、こりす先生!つい、あまりの素晴らしいアイディアに我を忘れてしまいました!なにせ、こんなに素晴らしいアイディアを思いつくのは古栗鼠界ではもう、天才と誉れ高い私ぐらいなモノですよ!いや、まったくをもって素晴らしい、絶対成功間違い無しです!!」

 そう言葉を切ったコー・リーは、興奮と期待に瞳をギラギラ輝かせながら口の端から涎を少々垂らし、こりす先生が次を促すのを待っているようでした。

「…で、どんなアイディアなのかね?」

「やはり気になりますか!?ですよね?そりゃモチロンそうですよね!?待っていました、そこまでこりす先生に言われては、この古栗鼠川コー・リー答えないわけには参りません!聞いてください!実はワタクシ、昨日人間たちが食糧などを調達するのに良く利用する、スーパーマーケットというやつですか?に市場調査に行ってまいりました。人間界では有名なジャ○コというところです。そこで、人間たちが足を思わず止めて見入っている物があったんです!我々と同じげっ歯類のキャラクターで有名な夢の国の住人であるクマたちがバンドを組んでいたのです!我々と同じ大きさである彼らが、音楽に合わせて太鼓を叩く姿に、人間たちは見とれていたのですよ!!それを見て、私はイケル!と確信しました。我々もこの愛らしい容姿を活かし、バンドを組むのです!太鼓を叩くのです!!そうすれば、同族のリスたちのみならず、人間界にも進出可能間違いなし!団栗酒の格好の宣伝となります!どうですか!?どうですか、こりす先生!!」

「あー…任せる」

「では早速、メンバーの選定に行ってまいります!さーこれからは、引く手あまたで忙しくなるぞー!」

 そう言ってコー・リーは鼻息荒く去っていきました。

 ようやく訪れた静寂の中、こりす先生はこんなことを考えていました。『失敗すれば地方の支部に飛ばせば良いし、成功すりゃワシが前面に立って活動すれば良い事だからのぅ。フエッフエッフエ』。

 この上司にしてあの部下アリ。

 さて、コー・リーのロケット噴射並みにぶっ飛んだ野望は一体どうなるのか?今後の展開を優しい目で見守ることに致しましょう。


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