春、といえば…
春うらら。
そんな響きは何処へやら、今日も今日とて、こりす先生、尻尾フリフリ意気揚々とお出かけのご様子。
はて、一体何処へ行くのでしょうか……?
「いや〜、今日もすんばらしく良い日ですなぁ。それにしても、フフフ……」
一人、いや…一匹ニンマリと微笑む、もとい、ほくそえむその姿は、他の古栗鼠たちの恐怖心を嫌が応にも煽り立てます。
「怖い…怖すぎる……!!」
「ナンだ!?一体、これから何が起きるんだ!?」
ザワザワ、ガヤガヤ、いきなり古栗鼠一族大ホールに呼び集められた若い古栗鼠の面々は、戦々恐々とこりす先生が雛壇中央に上がるのを見守っています。
後数歩で舞台の中央、生唾を飲み込む音が大きく響きます。
みんな揃って、一、二、三…ゴックン!!!!
ああ、大変です!緊張のあまり、貧血で倒れる古栗鼠が数匹!!担架で慌ただしく運び出されていきます!
おおっと、こちらでは脱走を試みた古栗鼠が警備に捕まって、泣き叫びながら元の位置に引き戻されました!
会場は一気に混乱の様相を呈しています!!
そして肝心のこりす先生と云えば……。
「エー…、こほん。皆の者、よぉく集まってくれた。ワシはとっても嬉しいぞ!ナニナニ、心配するでない、社会にでる時は皆、緊張するモンじゃ!」
こりす先生、優しくニコニコ(ニヤニヤ)。
若い古栗鼠たち、怯えてビクビク(半泣き)。
「……と云うわけで、じゃ。あー…君らはこれより、先輩の古栗鼠たちの下、仕事に励む訳であるが…一つ、大切な事を教えておこうかのォ」
ゴッキュン!!!!(会場、一斉に唾を飲み込む)
「ワシが法律じゃー!!ワシが支配者じゃー!!ワシが会社の会長じゃー!!わしの声は天からの声と思えー!!分かったなー!!!!」
クワッと目を見開き、この世の者とは思えない、それはそれは恐ろしくドスの聞いた声と悪魔の如き鋭く禍々しいオーラ。
御年(古栗鼠年齢)六十ン歳とはとても思えません!!現役も文字通り尻尾を巻いて必死に逃げ出します!!
「は、はいぃぃぃぃ!!!!」
哀れ、若き古栗鼠たちは何も知らぬまま、悪魔の巣窟に引き摺り込まれてしまいました……。
これはもう、語るも涙、聞くも涙の物語です。
残された者たちの出来る事は、もはや涙を流して彼らの幸せを祈る事しか出来ません。
頑張れ!!若き古栗鼠たちよ!!
君たちの未来は、沢山の涙と悲鳴と涎と団栗酒の向こうにきっとある!!(嘘、ごめんね)
頑張れ、古栗鼠!!負けるな古栗鼠!!明日はきっと日が昇るさぁ!!
随分、更新遅れてしまいました(汗)読んで下さっている方々にお詫び申し上げます…(平伏)
今後も、ユル〜クですがちゃんと更新していきますので、見捨てすにどうぞお付き合いくださいませ(合掌)