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古栗鼠マス

 古栗鼠のクリスマス……略して、古栗鼠マス。

 又は、古栗鼠X。

 そう、それは泣く子も黙る恐怖の季節。

 何故かって?

 それは人間界とクリスマスの定義が違うから。

 人間界では、良い子がプレゼントを貰う日。もしくは、感謝している人にプレゼントをあげる日。

 しかし、古栗鼠マスは違う!

 根本的に何かが違う!!

「ふふふ…。今年もこの季節がきたのぅ」

 赤い衣装に身を包んだ古栗鼠が一匹、怪しく目を光らせた。

 颯爽と疾風のように駆け抜けるその姿は、まるで怪盗アルセーヌ・ル○ンかルパ○三世!!歳を感じさせない華麗な身のこなし、体操選手なら間違いなくオール10.0だ!

 忍び込んだ先々で、その古栗鼠は住古栗鼠(注:住んでいる古栗鼠の事)たちの枕元に大きな赤い靴下を一つ一つ、丁寧にぶら下げていく。

 その靴下には、こういう張り紙が一枚。

『やって来ました、古栗鼠マス!!さぁこりす先生への日頃の感謝を形(現団栗可)にして現しましょう!あなたの気持ちが、こりす先生を救う!清き一票を♪但し!空靴下は天罰が下ります。心して捧げ物を入れましょう!』

 明朝、目覚めた古栗鼠たちは例外無く震え上がるのでした。

「ひぃぃ!!今年もやって来たぞ!古栗鼠マス・カードだ!!」

「いやぁ!去年は散々な目に遭わされたのよぅ!!」

「た、た、大変だぁ!!」


 古栗鼠マス……その夜は、怒声と泣き声と悲鳴が響き渡る特別な夜。

 古栗鼠のサンタは空袋を下げて各家を回ります。

 そう、それは夢も希望も優しさも存在しない恐怖の夜。

 無一文になった古栗鼠たちは、来年もこりす先生の下で働きます。

「ワハハハハハ!今年も大量じゃのぅ♪」

 古栗鼠サンタの後には、鈴の音ではなく古栗鼠たちの啜り泣きが響くのでした……。

 

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