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02 依頼者
翌日の放課後。
今日は昨日よりも暖かく過ごしやすかった。
「えと……。あたしが米川深花です。今日はあたしのために時間をとってくださってありがとうございます」
僕と桜子にぺこりと頭を下げる米川さん。米川さんはとっても小柄で、男子で背が低い方の僕の肩ぐらいしか身長がなかった。そして髪の毛がとっても短い。後姿はまるで小さな男の子のようだ。
「こんにちは米川さん。私が相談部の部長を務める神田桜子よ。で、となりの男の子が白波幸樹くん。それで昨日の手紙によるとなくした物を私たちに捜してほしいのよね?」
「あ、はい……そうなんですけど」
「どうしたの?」
米川さんはうつむく。そして僕たちが予想していなかったことを言った。
「なくし物を探すというのはただのあたしと貴方たちが自然に会うための口実です」
空気をすぅと吸い込む米川さん。そして、
「あたしを……あたしの妹を助けてください」
米川さんの頬に一粒の涙が伝った。
こんにちは、春のオガワです。今回はとっても短いです。次回は長くできるようにします。