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高校の入学式当日の幼馴染 --- ChatGPT 5.4 Thinking に小説を書いてもらった ---

作者: 杉原雅美
掲載日:2026/03/06

"ラブコメ小説の冒頭を書いてください"

"健一と玲子は同じ高校に進学した"

"今日は入学式"

"飯島健一と山本玲子は物心ついたころからの幼馴染"

この程度の指定でChatGPTに投げてみた


「こんなんできました」とそれなりの量を書いてきて最後に

> 必要ならこのまま続けて、第1話の最後まで書きます。

と出してきたので書いてもらった結果がこれ

# 第1話 入学式と、幼馴染の距離


今日から高校生。初登校のため扉を開けると幼馴染の玲子が声をかけてきた。


「健一、遅い。入学式の日からのんびりしてると、先が思いやられるわよ」


 朝の光を背にして立つ山本玲子は、いかにも呆れたように眉をひそめていた。けれど、その顔は昔から見慣れたものだ。保育園のころからずっと隣にいて、小学校でも中学校でも、なぜか毎朝こうして俺を待っている。


「遅れてないだろ。まだ五分前だぞ」


「五分前は“もうすぐ遅れる人”の時間なの」


「初めて聞いた理屈だな」


「今日、私が今作ったの」


 玲子は澄ました顔でそう言って、俺の胸元をじっと見た。


「……ネクタイ、曲がってる」


「え?」


 自分で見下ろしてもよく分からないうちに、玲子の指がすっと伸びてくる。制服越しに近づく距離に、朝なのに変な汗が出そうになった。小さいころは泥だらけの手で俺の頬を引っぱってきたくせに、高校の制服なんか着て急に距離を詰められると、妙に意識してしまう。


「じっとして」


「自分で直せるって」


「直せてないから言ってるの」


 きっぱり言い切られて、俺は黙るしかなかった。


 玲子の指先が器用にネクタイを整える。ほんの一瞬、ふわっと甘い香りがした。シャンプーか何かだろうか。そんなことを考えた瞬間、玲子が顔を上げる。目が合った。


「……何」


「いや、別に」


「変な顔してる」


「してない」


「してる」


 玲子は少しだけ頬をふくらませ、それから満足そうにうなずいた。


「はい、これでちゃんと高校生」


「なんだよ、それ」


「中学生の健一はもっとぼんやりしてた」


「ひどい言われようだな」


「事実でしょ」


 事実だから反論しにくい。


 家の前の坂道には、同じ制服を着た新入生たちがぽつぽつ見え始めていた。真新しいブレザー、少し硬い革靴、ぎこちない笑顔。みんな今日から新しい生活が始まるんだと思うと、胸の奥が少しだけ落ち着かなくなる。


 もちろん、俺も同じだ。


 通い慣れた中学とは違う。教室も、先生も、クラスメイトも、新しくなる。顔見知りがいないわけじゃないが、これまでと同じ三年間にはならないだろう。


 けれど――。


「ほら、行くわよ」


 玲子が当然みたいに言って、一歩先に坂を下りる。


 その背中を見た途端、不思議と少しだけ安心した。


 山本玲子。物心つく前からずっと一緒の幼馴染。泣き虫だった俺を笑いながら引っぱって、木登りを教えて、宿題を忘れた日は呆れ顔でノートを貸してくれたやつ。口は悪いし、すぐ偉そうなことを言うし、最近は妙にきれいになってきて少し困る。


 ……最後のは、本人には絶対言わないけど。


「健一、なにぼーっとしてるの?」


「いや、べつに」


「今日だけでそれ三回目」


「数えてるのかよ」


「幼馴染をなめないで」


 くるりと振り向いた玲子が、少しだけ笑う。


 その笑顔を見た瞬間、胸の奥が変にざわついた。たぶん、春のせいだ。入学式の日だからだ。そういうことにしておく。


 俺たちは並んで歩き出した。


 高校までの道は、中学へ通っていたころより少し長い。だけど隣に玲子がいるせいか、その距離はあまり気にならなかった。


「健一」


「ん?」


「同じ高校になったからって、変なことしないでよね」


「変なことって何だよ」


「浮かれて、知らない女の子にへらへらするとか」


「しないって」


「本当に?」


「そもそもそんな器用なことできないし」


「それもそうね」


「一回くらい否定してくれ」


 玲子は肩を揺らして笑った。朝日に透ける横顔がやけにまぶしくて、俺はなんとなく前を向く。


「でも」


 玲子が少しだけ声をやわらかくする。


「……同じ高校でよかった」


 その一言に、心臓がどくんと大きく鳴った。


 俺が返事をするより先に、玲子はいつもの調子に戻って言う。


「健一が一人だと、たぶん三日で何かやらかすし」


「感動を返せ」


「安心して。面倒はちゃんと見てあげるから」


「頼んでない」


「小さいころからずっと見てきたんだから、今さら遠慮しなくていいの」


 そう言って、玲子はいたずらっぽく笑った。


 たぶん、この春は、俺が思っているよりずっと騒がしくなる。


 幼馴染と同じ高校に通うだけ――そのはずなのに。


 入学式へ向かう坂道の途中で、俺はまだ知らなかった。

 この朝の何気ないやり取りひとつが、あとで何度も思い返すことになる“はじまり”だったということを。


    ◇


 校門をくぐると、そこには新入生と保護者、それから部活勧誘の先輩たちの熱気が渦巻いていた。


「思ったより人多いな……」


「入学式なんだから当たり前でしょ」


「冷たいな」


「健一が当たり前のこと言うからよ」


 玲子はそう言いながらも、人の流れに押されそうになった俺の袖を軽くつかんだ。


「ほら、ぼーっとしない。流されるわよ」


「自分で歩けるって」


「歩けてないから言ってるの」


「その理屈、今日何回目だよ」


「少なくとも二回以上」


 そう言って、玲子は俺の袖をつかんだまま前へ進む。


 ……いや、それはさすがに目立つだろ。


 周りを見ると、同じ新入生らしい何人かがこちらをちらっと見ていた。中には、にやっとした顔をしている男子までいる。


 俺は慌てて小声で言った。


「お、おい玲子。袖」


「何?」


「つかんでる」


「見れば分かるけど」


「そうじゃなくて」


「離したら健一、たぶん違う列に行くじゃない」


「行かねえよ」


「私は行くと思う」


 信頼がない。


 だが、ここで言い返しても無駄だと分かっている。小さいころからそうだ。玲子は一度こうと決めると、わりと頑固だ。


 結局、俺は袖をつかまれたまま昇降口まで連行された。


 そして下駄箱の前で、クラス分けの紙を見上げた瞬間――。


「あ」


「え」


 俺と玲子の声が、ぴたりと重なった。


 一年二組。

 飯島健一。

 山本玲子。


「……同じクラスだ」


 俺が思わず口にすると、玲子は一瞬だけ目を丸くしたあと、すぐに小さく笑った。


「ほんとだ」


「すごくないか?」


「まあ、腐れ縁ってことね」


「そこで素直に喜ばないのが玲子だよな」


「喜んでないとは言ってないでしょ」


 その言い方が少しだけやわらかくて、俺の胸の中に妙なくすぐったさが広がる。


 そのとき、すぐ後ろにいた女子二人組がひそひそと話す声が聞こえた。


「ねえ、見た? 同じクラスであんな反応するの、絶対そういう感じじゃない?」

「幼馴染とかかな。でも距離近くない?」


 聞こえてる。けっこうしっかり聞こえてる。


 俺が気まずくなって視線をそらすと、玲子は平然とした顔で名簿を指さした。


「ほら、教室行くわよ。同じクラスなんだから、はぐれたら面倒だし」


「その言い方だと俺が迷子前提なんだけど」


「だいたい合ってる」


 そうしてまた当然のように並んで歩き出した俺たちに、また何人かの視線が集まった気がした。


    ◇


 一年二組の教室は、窓際まで明るい春の光が差し込んでいた。


 黒板には大きく『入学おめでとう』と書かれ、まだ新品のにおいが残る机と椅子が整然と並んでいる。緊張した顔の新入生たちが、名札を確かめながら自分の席へ向かっていた。


「俺の席、後ろのほうだ」


「私は……あ、隣」


「え?」


 本当に隣だった。


 俺が窓側、玲子がその隣。偶然にしては出来すぎている。神様がいるなら、ちょっと面白がってるんじゃないかと思うくらいだ。


「……また同じか」


 中学でも、三年のうち二回は同じクラスだった。そのたびに玲子は「はいはい、見慣れた席ね」とでも言いたげな顔をしていたが、今の声は少しだけ弾んでいた気がした。


「またって何よ。不満なの?」


「いや、別に不満じゃないけど」


「じゃあいいでしょ」


 玲子はそう言って自分の席に鞄を置き、それから俺の机の上を見た。


「教科書、落としそう」


「まだ置いただけだぞ」


「置き方が雑なの」


 言うなり、俺の机の端に寄っていた書類を中央にそろえていく。手つきが妙に慣れているのが腹立つ。いや、実際よく世話を焼かれてきたから仕方ないんだけど。


「お母さんかよ」


「誰がお母さんよ」


「言ってみただけだって」


「そんなこと言うなら、もう面倒見ないから」


「それはそれで困るかも」


 ぽろっと本音が出た。


 玲子がぴたりと動きを止める。


「……何それ」


「いや、今のは、その」


「ふうん?」


 しまった。変なふうに聞こえたかもしれない。


 俺が言い訳を探していると、前の席の男子がくるっと振り向いた。明るそうな短髪のやつで、にやにやした顔を隠そうともしていない。


「なあ、おまえら。朝から距離近くない?」


「は?」


 俺が反応するより先に、そいつは続けた。


「もしかして付き合ってる?」


「違う!」


 俺と玲子の声が、またしてもぴたりと重なった。


 一瞬、教室の空気が静まった気がした。近くにいた何人かまで、こちらを見ている。


 前の席の男子は口笛でも吹きそうな顔で笑った。


「息ぴったりじゃん」

「うるさい」

「うるさい」


 また重なった。


 今度はさすがに周りから小さな笑いが漏れる。玲子は露骨に嫌そうな顔をして前を向いたが、耳だけ少し赤い。たぶん俺も似たようなものだ。


「俺、三田村。よろしくな」


「あ、飯島」


「山本」


「知ってる知ってる。さっき名簿見てたし」


 三田村は人懐っこく笑った。


「でも安心したわ。一年二組、面白そう」


「何がだよ」


「入学初日から、青春っぽいのがいる」


「誤解だ」


「誤解よ」


 玲子がぴしゃりと言い切る。


「私たちはただの幼馴染」


「ただの、ねえ」


 三田村は意味ありげに笑って前を向いた。

 その笑い方が、ものすごく引っかかる。


「……なんかむかつく」


「分かる」


 玲子が小声で同意した。


 その一言だけで、ちょっとだけ気が楽になるのが悔しい。


    ◇


 やがて担任の先生が入ってきて、出席確認や入学式への移動の説明が始まった。体育館への列移動、呼名、学校生活の注意事項。どれも“高校生活のはじまり”らしい内容なのに、俺の意識はなぜかところどころ隣へ引っぱられてしまう。


 玲子は背筋を伸ばして話を聞いていた。横顔は真面目そのもので、さっきまで俺のネクタイを直していたやつと同一人物とは思えないくらいしっかりして見える。


 ふと、その玲子が小さくこちらを見た。


「……前見て」


 小声でそう言われる。


「見てるって」


「見てない」


「見てる」


「半分くらいしか見てない」


 なんで分かるんだよ。


 俺が小さく息を吐くと、玲子はノートの端にさらさらと何か書いて、机の上でそっと俺のほうへ寄せてきた。


『入学初日から先生に目をつけられたら恥ずかしいでしょ』


 それだけ書いてある。


 俺は思わず笑いそうになって、慌てて口元を押さえた。先生の話より、隣の幼馴染の筆跡のほうが気になる高校生活の初日ってどうなんだ。


 俺もペンを取って書き返す。


『玲子こそ、こういうの器用だよな』


 すぐに返事が来る。


『健一が子どものころから変わってないだけ』


『ひどい』


『事実』


 最後の一言に、つい肩が揺れた。


「そこの後ろ、何か面白いことでもあるのか?」


 担任の声が飛んできて、教室がどっと笑う。


「い、いえ!」


 俺が慌てて背筋を伸ばす横で、玲子も珍しく少し焦った顔をしていた。


 そして前の席の三田村が、肩を震わせながら振り向かないように笑っている。あとで絶対何か言われる。


    ◇


 入学式そのものは、思ったよりあっという間に終わった。


 校長先生の話は長かった気もするが、緊張していたせいか細かいことはあまり覚えていない。覚えているのは、新入生代表の答辞が妙に立派だったことと、体育館から教室へ戻るとき玲子とまた自然に隣になったことくらいだ。


 教室に戻ると、提出物の確認や配布物の説明があり、ようやく解散の空気が漂い始めた。途端に教室のあちこちで、小さな会話の輪ができる。


「飯島ー、山本ー」


 三田村がまた振り向いてきた。


「おまえら、ほんと面白いな」


「面白くない」


「面白くないわよ」


「そこまで同時だと逆にすごいって」


 こいつ、絶対楽しんでる。


 そこへ近くの女子二人も会話に入ってきた。ひとりはショートヘアで快活そう、もうひとりはおっとりした雰囲気だ。


「ねえねえ、本当に幼馴染なの?」


 ショートヘアの女子が目を輝かせる。


「そうだけど」


「家近いの?」


「すぐ近所」


「え、すご。小学校からずっと?」


「その前から」


 俺が答えると、女子二人はそろって「へえー」と声を上げた。


 おっとりしたほうの女子が、にこにこしながら言う。


「それ、すごく仲いいやつじゃない?」


「まあ、腐れ縁っていうか」


「腐れてないわよ」


 玲子がすかさず訂正する。


「言い方の問題だって」


「そういうところ、なんかもう夫婦みたい」


「ぶっ――」


 危うく変な声が出るところだった。


 玲子も珍しく言葉を失ったように一瞬固まり、それからきっぱり言い返す。


「違います」


「違うって!」


 また重なった。


 女子二人は顔を見合わせて、楽しそうに笑った。

 三田村なんて、もう隠す気もなく机をばんばん叩いている。


「だからそれだって!」

「何がだよ!」

「何がよ!」


 俺たちが同時に返すと、教室はさらに笑いに包まれた。


 なんなんだこれ。入学初日だぞ。もっとこう、自己紹介がぎこちないとか、よそよそしい空気とか、そういうのがあるもんじゃないのか。


 なのに俺たちの周りだけ、妙に打ち解けるのが早い。

 原因はたぶん、いや間違いなく、玲子と俺の距離感のせいだ。


「でも、いいなあ」


 ショートヘアの女子が少し羨ましそうに言う。


「そういう、昔から一緒って感じ」


「……別に、大したものじゃないわよ」


 玲子はそう言ったが、声は少しだけやわらかかった。


「健一、昔は今よりもっと頼りなかったし」


「余計な情報を足すな」


「本当でしょ。転んで泣くし、木登りして降りられなくなるし」


「幼稚園の話を今するな」


「だって事実だもの」


「山本さん、容赦ないねえ」


 三田村が笑う。


 俺はもう好きにしてくれという気分でため息をついた。けれど、不思議と嫌ではなかった。むしろ、こうして玲子と一緒に笑われることで、知らない教室が少しずつ自分の居場所になっていく気がした。


    ◇


 ホームルームが終わり、ようやく完全に解散になる。


 新しい教科書やプリントで重くなった鞄を持って、俺は大きく伸びをした。


「疲れた……」


「初日からそれ言ってたら先が長いわよ」


「式って座ってるだけのくせに疲れるんだよ」


「精神がもたないタイプね」


「言い方」


 玲子は呆れたように笑いながら、自分の鞄を肩にかけた。


「帰るわよ」


「当然みたいに言うな」


「当然でしょ。帰り道も一緒なんだから」


 その言葉があまりにも自然で、俺は一瞬返事に詰まる。


 教室を出ようとしたところで、後ろから三田村の声が飛んできた。


「飯島ー、山本ー。また明日な、ラブラブ幼馴染!」


「誰がラブラブだ!」


「誰がラブラブよ!」


 最後まで重なってしまい、廊下にいた別クラスの生徒まで振り向いた。


 三田村の笑い声を背に、俺たちはそそくさと下駄箱へ向かう。


「……あいつ絶対からかい続けるつもりだろ」


「でしょうね」


「最悪だ」


「健一、顔赤い」


「玲子もな」


「っ……見ないで」


 玲子が少しだけ早足になる。


 その耳がやっぱり赤いのを見て、俺は妙に落ち着かない気分になった。


 昇降口を出ると、午後の光は朝よりずっとやわらかかった。満開まではもう少しという桜が風に揺れて、校門の向こうへ続く道に淡い影を落としている。


 今日一日で、いろんなことがあった。

 同じ高校で、同じクラスで、席まで隣。

 しかも入学早々、クラスメイトには変な誤解をされている。


 ……誤解、なんだよな。


「健一」


「ん?」


「明日、寝坊しないでよ」


「子ども扱いするなって」


「今朝もぎりぎりだったでしょ」


「ぎりぎりじゃない」


「私の基準ではぎりぎり以下」


「基準が厳しすぎる」


 玲子は小さく笑って、それから少しだけ視線を落とした。


「……明日も、一緒に行くんだから」


 その言い方は、いつもの強気な調子より少しだけ小さかった。


「お、おう」


 たったそれだけしか返せなかった自分が情けない。


 でも仕方ないだろ。

 そんなふうに言われたら、意識するなというほうが無理だ。


 校門を出て、いつもの帰り道を並んで歩く。

 小学校のころから何度も通った道のはずなのに、制服が変わって、肩にかかる鞄が変わって、隣を歩く玲子の横顔が少しだけ大人びて見えるだけで、景色まで違って見えた。


「……なあ玲子」


「何?」


「高校でも、よろしくな」


 俺がそう言うと、玲子は一瞬だけきょとんとして、それから少し照れたみたいに笑った。


「何それ。今さら」


「今さらでも言うんだよ」


「変なの」


 そう言いながらも、玲子はうれしそうだった。


「こちらこそよろしく、健一」


 春の風が吹いて、玲子の髪がふわりと揺れる。


 たったそれだけのことなのに、心臓がまた落ち着かなくなる。


 高校生活は始まったばかりだ。

 まだ恋だとか、そういうのはよく分からない。

 けれど少なくとも、俺の日常の真ん中には、昔から変わらず玲子がいる。


 そしてたぶん――これから先は、その“変わらない”が少しずつ変わっていくのだろう。


「ほら、またぼーっとしてる」


「してない」


「してる」


「してないって」


「じゃあ証拠に、明日の持ち物言ってみて」


「……えーと」


「ほらね」


「待て、今思い出す」


 玲子が声を立てて笑う。


 その笑い声を聞きながら、俺もつられて笑ってしまった。


 入学式の日。

 同じ高校、同じクラス、隣の席。

 しかも周りからは、最初からいい雰囲気の二人だと勝手に思われている。


 先が思いやられる、という玲子の言葉は、案外正しいのかもしれない。


 だけど悪くない。

 むしろ少しだけ、楽しみだ。


 幼馴染と過ごす高校生活は、きっと俺が思っているよりずっと騒がしくて、まぶしい。


 そんな予感を抱えたまま、俺たちは並んで、春の坂道を下っていった。

会話が冗長すぎるかな

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