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「きらきらのくに」

むかしむかし、

ふしぎな くにが ありました。


その くには、

みんなが なかよく していると、

ごはんや パンや くだものが、

いつのまにか わいて くる くにでした。


だれも、

なぜ そうなるのかは

しりません。


でも、

そういう くに でした。



ある ひ、

ねずみの ふたご、

チュウ と チュチュ は、

おうちの だいどころを のぞきました。


……からっぽ。


「ないね」

「ほんとに ない」


どこを さがしても、

たべものは ひとつも ありません。


さいごに のこっていたのは、

ちいさな パンが

ひとつ だけ でした。



「ぼくが たべる!」


チュウが いいました。


「ぼくの だよ!」


チュチュも いいました。


ぐいっ。

ぐいぐいっ。


パンは、

ぽとんと

ゆかに おちました。


ふたりは、

その パンを

みませんでした。


だまって

しまいました。


その ひから、

くにでは

たべものが

まったく わいて こなく なりました。



「……ぼく、

もう いい」


チュウは、

チュチュを みませんでした。


「じぶんで

さがしに いく」


そう いって、

ロケットに のりました。


チュチュを、

よびとめ ませんでした。


なにも いわず、

その ばしょに

ひとりで たちました。


ロケットは、

そらの ずっと うえへ――

ビューン。



うちゅうには、

ほしなのか、

つきなのか、

よく わからない ばしょが ありました。


そこには、

パンも、

ごはんも、

ピザも、

たくさん ありました。


チュウは、

いっぱい たべました。


でも――


おなかは いっぱい。

それなのに、

こころは すこしずつ

さびしく なって いきました。


「……チュチュ」



その ころ、

くにでは

ねこの ボス が、

こわい こえで いいました。


「たべものを さがせ!」


のこっていた たべものは、

ぜんぶ

ねこの ボスの まえに

あつめられました。


チュチュも、

ほかの ねずみたちも、

なにも いえません。


がまん。

がまん。


けれど、

たべものは

どんどん

なくなって いきました。



その とき――


ゴゴゴ……。


そらから

ロケットが

おりて きました。


たくさんの

たべものを のせて。


「あれを うばえ!」


ねこの ボスが さけびました。


けれど、

ロケットの なかから

でて きたのは――


チュウ でした。



チュウは、

チュチュを みつけて、

いいました。


「ごめん」


チュチュも、

すこし まを おいて、

いいました。


「……ぼくも」


ふたりは、

ならんで たちました。



ねずみたちは

ねこの ボスに いいました。


「ここから

でて いって!」


ねこの ボスは、

しょんぼり して、

あやまりました。


でも、

だれも

すぐには

ゆるしませんでした。


その とき、

チュウが いいました。


「まって」


「イジワルしても、

だれも

えがおに ならないよ」


ねずみたちは、

はっと しました。


「……それ、

ぼくたちも

やってた」



チュウは、

たべものを

すこし

ねこの ボスに わけました。


チュチュも。

ほかの ねずみたちも。


すると――


ぽわっ。


パンが。

ごはんが。

くだものが。


また、

わいて きました。


くには、

しずかに、

あたたかく

なりました。



その ひから、

くには また

たべものが わく くにに

もどりました。


でも、

なぜ そうなったのかは、

だれにも

わかりません。


きみの なかにも、

だれかの なかにも、


きっと ある。


それが、



きらきら。



⭐ おわり ⭐


さいごまで よんでくれて、ありがとう。

あなたの なかの きらきらが、これからも ひかりつづけますように。

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