小さい子と…。
いつもありがとうございます!
「最近何故か疲れやすいわね…」
柔らかな弾力のベッドに大の字で寝そべっているが、この数日体が重だるく以前より疲れやすくなっている。
どちらかといえばホノカ·ベルツリーは活発でアウトドア派、鈴木ほのかはインドア派で休みの日は家でゲームをしたり、読書、たまに料理をしていた。
ホノカ·ベルツリーの基礎体力があったから、今までやってこれたかもしれない…。
(筋力って数日運動しないだけで落ちるというもんね…。そろそろやばいかも)
うーんと体を伸ばしながら、自分に寄り添い眠る子犬を見た。
前足で顔をくしゅくしゅしたり、大きく欠伸をしたりする姿が可愛い。
この子を見ていると自然と頬の筋肉が緩む。
公爵家のふかふかのベッドに横になりながら、この子犬とお昼寝したり、庭園で遊んだりすることが最近のホノカの日課になった。
鈴木ほのかにしては、散歩したり、抱き上げたり(筋トレ)と体を使っている。
ただ、それだけでは運動量は足りていないらしい。
1日8000歩は歩かないといけないのに、周りの人達が何でも持ってきてくれたり、やってくれる貴族は体型を維持するのは大変だと自覚するが、ついつい自分に甘くなるところがいけないところ。
(毛玉ちゃんがいてくれるから、少しは運動できてるわ)
愛しげに目を細めこの子を見ていると、鈴木ほのかの実家で飼われていたポメラニアンを思い出す。
名前はモフモフしているから『毛糸くん』。その子にとても似ていたので『毛玉ちゃん』と名付けた。
毛玉ちゃんは最初は警戒していたようだったが、足の怪我が治るにつれて、次第にホノカへの警戒を緩め、今では一緒にベッドで眠るまでになった。
今日はジェイルと一緒に庭でボール遊びする事になっている。
「そろそろ起きて向かわないとね」
だるい体を持ち上げると、目を覚ました毛玉ちゃんが頭を持ち上げる。
ふかふかとした頭を撫でると気持ちよさそうに目を細める毛玉ちゃんを抱きかかえ、鏡の前で身だしなみをチェックするが、ゲームの美女補正が掛かってるからか、髪は乱れておらず、よだれの跡も無い。
(さすが乙女ゲーム)
長い廊下を通り待ち合わせした中庭に辿り着くと、もうジェイルとアオイが待っており、その横の机に何度目かのティータイムの準備がステラによってされていた。
「待たせちゃったかしら?」
「ホノカ母様!」
満面の笑みでホノカに近付くジェイルだが、ホノカの顔を見ると心配そうに眉を寄せた。
「どうかされたんですか?」
「どうして?」
「顔色が少し悪いですよ…?」
「そう?最近何だか少し疲れやすいみたいなの。」
「マリッジブルーですか?」
あの日から少し仲良くなったアオイが、顔を覗き込みながら尋ねる。
ホノカは首を傾げて、
「どうかしら?特に心配はしてないのだけど…」
と、苦笑いで返す。
「まぁ、自分で認識していなくても知らず知らずのうちにプレッシャーは感じてるのかもしれないですね」
「そうね」
「ところで、連れてこられた子ってこの子ですか?」
顎に手を当てじろじろと凝視するからか、毛玉ちゃんは所在なさ気にキョロキョロしている。
「そうですわ。名前は毛玉ちゃんっていうの」
「毛玉ちゃん…」
「どうかした?」
「いいえ!こんな犬は見たことありません!」
アオイはどうやら毛玉ちゃんを気に入ったらしい。
物凄く見てる。見てる。見てる。見てる…って、見すぎじゃない!
「アオイ?」
「はい」
ホノカの呼び掛けに返事はするものの、瞳は毛玉ちゃんを捉えて離さない。
気に入っているからかとは思ったが、好きという感情とは違った感情がアオイからは伝わってきた。
「ホノカ母様!今日はボール遊びをするんですよね!」
ホノカの腕を引っ張りながら、ジェイルがボールを指差す。
「ええ!ボール遊びなら毛玉ちゃんも一緒に遊べるでしょ?」
「そうですね」
「でも、その前にまずはティータイム。今日はダージリンにイチゴを沢山入れたストロベリーティーとスコーン!」
ジェイルはキラキラと瞳を輝かせて、頷いた。
それから、ホノカをテーブルまでエスコートすると、椅子を引き「どうぞ」と。
(ふわぁ。ジェイルったら、こんな事までできるなんて凄い!さすが推し!)
興奮を隠しきれず体が小刻みに震えるが握り拳を作り耐えた。
「ありがとう!」
ジェイルも椅子に着席すると、ステラの給仕でティータイムがスタートしたのだ。
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