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第95話 私に合った職業

 はっきり言ってショックを受けている私なのです。魔法使いにしては魔力が弱いと自覚していましたが、まさかFの下の下の下の下の下の下の下の下の下の下の下の下の下のSという判定を下されるとは思ってもいませんでした。さすがにもう少し努力しないと行けませんよね。でも、どうしたら魔力は上がるのでしょうか? 無理な気がします。


 魔力を上げるよりいっそのこと転職をした方がいいかもしれません。でも私に合う職業なんてあるのでしょうか? 少し怖いですがミーニャさんとナナカさんに相談してみます。

「ほう、転職を考えているのか。ははは」

ミーニャさんは愉快そうに笑っています。

「リーサは何になっても同じじゃない?」

ナナカさんの言葉には少しむかっときますが、多分正解なので言い返したりはしません。

「なら教会に行ってみるか?」

ミーニャさんは楽しそうに大きな声で言います。

「はい、行ってみたいです」

私は蚊の鳴くような小さな声で答えました。


 というわけで教会の前に来ました。そんなに大きくはない教会ですが中には人がたくさん居ます。もしかして有名な教会なのでしょうか?。

「神父さんに転職をお願いする前に何の職業に就きたいか決める必要があるな」

ミーニャさんが辺りを見回しています。

「あったあった。職業判定機だ」

「職業判定機? 何でしょうかそれは?」

「その職業に相応しいかどうかを判定してくれる機械だ」

「そんな便利な物があったのですね?」


 私は職業判定機の前へと進みます。判定機ははっきり言って骨董品に分類されるレベルのラジオ型です。かなりのアンティークですね。昭和初期に作られた物って感じです。

「これに手を乗せてなりたい職業を言うと判定してくれる仕組みだ」

「どんな職業があるのでしょうか?」

「職業一覧はこの紙に書かれているから好きな物を選べ」

ミーニャさんは職業判定機の前に置かれていた紙を私に差し出しました。


 こうやって見ると結構な職業があるんですね。そうだ。まずは今やっている魔法使いを判定してみましょう。本当に魔法使いが合ってないかわかるはずです。私はそっと判定機の上に両手を置いて、

「魔法使い」

と言いました。

「ビービービー! 魔力不足です。絶対になってはいけない職業でしょう」

やるんじゃなかったですね。分かってましたけど。


 だったら剣士にしてみましょう。

「剣士」

「ビービービービービー!! 腕力が壊滅的に不足しています。今のままでは剣を持ち上げるのも無理でしょう」

わかってました。ちょっと職業判定機の実力を試したかっただけです。


「これなんかどう?」

「ん? 踊り子?」

「ビービービービービー!!!」

手を機械に置いたままでした。

「色気不足です」

「ほっといてください!」


 いっそのこと思いっきり格好いい職業にしてみましょうか?

「スーパースター」

「ビービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービー」

警報が鳴り止みませんね。

「全ての意味で無理です」

「ぶち壊しますわよ!」


 これでは何の職業にしていいか分かりません。

「ミーニャさん、どうしたらいいですか?」

「だったら一番合った職業を聞くこともできるぞ」

なるほど、それは便利ですね。


 私は恐る恐る機械に手を置き尋ねてみることにしました。でも何か怖いですね。ニートとか言われたらどうしましょう。でもやるしかないですよね。

「私に合った職業を教えてください」

「あなたに会った職業第3位はドルルルル」

このドラムロールいります?

「ニートです」

予想通りでどうするんですか!


「第2位はドルルルル自宅警備員です」

「殆ど同じじゃないですか!」

「そして第1位はドルルルル魔法使いです!」

「『絶対になってはいけない職業でしょう』って言ってましたよね!?」

「それでもまだましな方です」

私の能力ってどれだけ低いのですか?


 ミーニャさんが真剣な顔で私を見ています。嫌な予感がしかしません。

「安心しろ。私が責任を持ってお前を鍛えて立派な魔法使いにしてやるからな」

やっぱり!

「それはいいです。自分で頑張って強くなりますから!」

私は全力で断ります。またあの無茶苦茶な訓練をさせられたら大変です。

「遠慮はするな」

決して遠慮などしていないのですが。私はミーニャさんの決心を和らげる言葉を一生懸命考えるのでした。

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