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第70話 スペシャルな杖

 ミーニャさんが変てこな杖を持ってきました。嫌な予感しかしないんですけど。

「リーサ喜べ。お前のためにスペシャルな杖を用意してやったぞ」

スペシャルな杖? レベルの低い私でも多大なる効果がある杖を用意してくれたのでしょうか? もしそうなら非常に感謝すべきなのですが、ミーニャさんのことです。きっと何かあるに違いありません。


「これからはこの杖を使うといい」

ミーニャさんが差し出したのはレインボーカラーのとても長い杖です。この時点で怪しさ満載です。


「これはどんな効果がある杖なのですか?」

「わからん」

「は? 今スペシャルな杖とおっしゃいましたよね? 効果がわからないってどういうことですか?」

私はやや強い口調で言いました。こういうことに対しては不信感の塊ですから。


「この杖は何の効果が出るかわからん杖なのだ」

「どういうことですか?」

「使ってみないとわからんということだ」

「そんなの危なくて使えないじゃないですか?」

やはり、わけのわからない杖でした。


「いいから、早速試してみるぞ」

私は無理やり森に連れて行かれました。怖そうなモンスターの鳴き声が聞こえてきます。

「いいタイミングであそこにファイヤードラゴンブルーがいる。あいつに使ってみよう」

「よくわからないネーミングですね? あのドラゴンは火属性なんですか? それとも水属性なんですか?」

「恐らく虫属性だと思う」

「ネーミングガタガタですね!」


「さあ、戦うんだリーサ」

「大切な確認を忘れてましたが、あのドラゴンは強いのですか?」

「無茶苦茶強い」

「だったらレベル10の私に勝てるわけないじゃないですか!」

私は回れ右をして帰ろうとすると、ミーニャさんに服の襟を摘ままれ止められました。

「相手が強いから杖の効果がわかるのではないか。勝てぬ相手に杖の効果で勝てたら証明できると思わぬか?」

「それはそうですが」


 私は戸惑います。今ならファイヤードラゴンブルーは私に気付いていませんから逃げることはできますよね。でも杖の効果というのも見てみたいような。

「ただし」

「ただし何ですか!?」

いつものパターンです。どうせ碌なことを言われないと思います。

「あいつはとても強から恐らく一撃で死ぬだろう」

私は回れ右をして帰ろうとすると、ミーニャさんに服の襟を摘ままれ止められました。


「まあ最後まで聞け」

「どうしろというのですか!」

「私の力で最初に攻撃できるようにしてやろう。つまり確実に攻撃ができるということだ。最初の一撃で倒すんだ」

そんなに強力な魔法が出るのでしょうか?


「よし、ファイヤードラゴンブルーを呼び寄せてやったぞ。頑張れ!」

「ちょっと待ってください! 心の準備が!」

「早く攻撃しないとやられるぞ」

そうでした。あれ?

「杖を振るだけでいいんですか?」

「ああ、言い忘れていたな」

この一大事に何を落ち着いているのですか?


「杖を振りながら『パルプ』もごもご」

私は慌ててミーニャさんの口を塞ぎます。

「何をする!」

「嫌な予感がしたものですから」

「私は『パルプーション』と言おうとしたのだ」

紛らわしいですよね。


 とにかく今はやるしかありません。

「パルプーション!」

杖の先から噴水が出ました。


「大丈夫か?」

「私どうしたのですか?」

「見事な最期だったぞ」

「ええーーー!」

「蘇生に成功したから大丈夫だ」


 その後私は3回ほど死に3回ほど蘇生して貰いました。杖から出た魔法は噴水の次が線香花火、その次は綿帽子でした。本当に凄い杖なのですか?

「もう一度だリーサ」

「まだやるんですか?」

はっきり言ってもう死にたくないんですけど。


「ただ」

「ただ何ですか!?」

「確率的にそろそろ蘇生に失敗する頃だ」

私は回れ右をして帰ろうとすると、ミーニャさんに服の襟を摘ままれ止められました。

「どこへ行くのだ?」

「私が死んでもいいのですか? 蘇らなくてもいいのですか?」

もう必死です。


「仕方ない。今日は諦めることにするか?」

『今日は』と言うことは明日またこれをさせられるのでしょうか?

「だが、なぜこんな効果しか出ないのだ?」

「そう言えば武器屋の主人から取り扱い説明書を貰ったわよ」

ナナカさんがミーニャさんに冊子を渡しています。ナナカさんも仲間だったんですね?


「どれどれ・・・・なるほどわかったぞ」

「何がわかったんですか?」

「この杖は使った人のレベルに応じて魔法の強さが変わるらしい」

「説明書をしっかり読んでから試してください!」

過去一番の大声でのツッコミだったと思います。

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