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第7話 早すぎる再開

 ついに魔王城からの外出を禁止されてしまった。てか私はこの異世界で一番の権力者であり実力者のはず。どうして外出禁止にされなければいけないのだ?

『ミーニャ様にもしものことがありましたら、この爺やは自らの命を絶ってお詫びする所存にございますゆえ、今後魔王城の外へはお出にならないようお願い申し上げます』

私がここへ来てからの教育係である爺やにこんなこと言われたら逆らえないではないか。


「それにしても退屈だ」

私は目の前に出したスクリーンに各地の様子をランダムに出して眺めた。どこが出てくるかわからないので、これがなかなか退屈凌ぎになる。


「何だと? 僅か1ターンでやられてるではないか。駆け出しの冒険者か? それにしてもスライムに1ターンで負けるとは」

「こちらは熱戦だな。でも強力な攻撃を仕掛けてる割にはイエロードラゴンのHPを半分も減らせてない。あら? このパーティー5人いるじゃないか?」

ドカーン!

「案の定、爆発したか」


 この世界ではパーティーを組めるのは4人までと決まっている。もし100人パーティーとかを結成されてしまうとモンスター側としてはたまったものではない。別に5人以上で行動してもいいのだが、戦闘で5人目が攻撃をすると、その時点でパーティーは爆発することになっているのだ。また、ラブラブのリア充カップルがイチャイチャしながら攻撃したときも爆発することになっているそうだが、こちらは定かではない。


「こっちはまた酷いな。いかにもひ弱そうな女の子がフォレストドラゴンと戦っているじゃないか。『キュピ-!』『クロシッポのMPも無くなっちゃったわ。もう無理かも?』あれ? この娘はどこかで見たような? ああ! 昨日会った子ではないか?」


 私は立ち上がると爺やを呼んで言った。

「今から出かけるが心配するな。ちょっと知り合いを助けるだけだ」

「なりませぬ。ミーニャ様に何かありましたら大変でございます」

「大丈夫だ。すぐに戻る。今は一刻を争う状況なのだ。小言は後から聞こう」

「しかし・・・・」

「頼む。多分32回目の一生のお願いだ。この娘をどうしても助けたいのだ」

「では、せめて護衛の者をお連れください」

「わかった。ではレットキングにこのモニターの地へ来るよう伝えよ。私は先に行く」

「かしこまりました。くれぐれもお気を付けください」

「私はラスボスだぞ。私を信じろ。大丈夫だ」

私は軽くジャンプすると、私の体は一瞬でフォレストドラゴンと少女が戦闘する地へと移動した。


「ガオー」

「キャー!」

「そこまでだフォレストドラゴン」

「ガオ?」

フォレストドラゴンの目が点になる。


「久しぶりだなフォレストドラゴン。私の顔を忘れたか?」

フォレストドラゴンは目を擦るともう一度私の顔を凝視し、慌てて頭を地面に付けて土下座した。

「キュピ?」

クロシッポも私を見るなり慌てて「U」の字とは逆の形で土下座をしている。手足がないからこういう形になるのは仕方ないだろう。


「え? 何で? 何がどうなってるの?」

「もう大丈夫だ。怪我はないか?」

「あなたは昨日の。あ、ありがとうございます。でも、これはどうなっているのですか?」

「細かいことは気にするな」

「ドラゴンがひれ伏しているのですから、決して細かくはないと思うのですが・・・・」


 その時、ものすごい地響きと共にレッドキングが姿を現した。

「大変遅れまして申し訳ございませんでした」

「ひぇ~! また怖そうなのが現れました~!」

レッドキングを見たフォレストドラゴンは、頭を地面にぶつけるように何度も土下座をくり返した。なんか私の時よりも土下座に気合いが入っている気もするのだが。これはどういう意味だ?


「ところで今日はどうなされたのですか?」

「私の知り合いがフォレストドラゴンに殺されそうになっていたのでな。助けに来たのだ」

「なるほど。で、こやつの処分はどうしますか?」

レッドキングがフォレストドラゴンを見て言うと、フォレストドラゴンは今まで以上に高速で頭を下げ続けた。


「おい娘。お前を殺そうとしたこのモンスターをどうしたらいい? この場で消し去ることも極刑に処することもできるが」

「いえ、私が森に迷い込んだのがいけなかったのですから助けてあげてください」

「何だその天使のような言葉は! お前を殺そうとした相手なのだぞ。本当にそれでいいのだな?」

「はい、もちろんです」


 私は少し考えてからゆっくりと言葉を続けた。

「わかった。ではそうしよう。レッドキングよ、少し頼みがある」

「何なりと」

「私はこの娘を安全な町まで送り届けることにする。その間、魔王城をお前に任せる。色々な指示を出してくれ」

「それでしたら私の背中にお乗りください。一瞬で移動できましょう」

「いや、私はこの娘に興味を持ったのだ。一緒に行くことにする」

「わかりました。お任せください」

「あと爺やへの言い訳も宜しく」

「それはちょっとご勘弁を」

「じゃあ、頼んだぞ。一週間ほどで戻る」

「ちょっと! ラスボス様!」


 私はレッドキングを華麗に無視すると、このか弱い娘と旅をすることにした。同世代の同性と旅するなど初めての経験だ。私の心はなぜかウキウキしているのだった。

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