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第55話 欲しい景品を狙え

 活気溢れる町に着きました。町の中央広場には露店が並び、たくさんの人で賑わっています。

「ほお、なかなか元気な町だな」

ミーニャさんも同じ感想を持ったようです。人々の顔が生き生きとしていますからね。


「あそこに売ってるのってリンゴ飴じゃない?」

ナナカさんがめざとく懐かしいものを見つけました。

「違うぞ」

ミーニャさんが速攻で否定します。

「どう見てもリンゴ飴じゃん」

「ここ異世界にリンゴなど無い。あれはミニスライム飴だ」

「スライムって食べられるのですか?」

私は当然の疑問を投げかけます。

「食べられなくもない」

「不味いのですね」

そういえば買ってる人はいないようです。


「あっちで何かやってるよ」

またまたナナカさんが見つけました。ナナカさんは非常に好奇心豊富な方のようです。この町の一番中心部であろう場所に人だかりが出来ています。

「さあ、この剣士レベル70に勝った人は素晴らしい景品が貰えるぞ。我こそはと思う人は名乗り出てください」


「面白そうだな」

ミーニャさんが笑みを浮かべて興味を示しました。

「出てはダメですよ」

「どうしてだ?」

「ミーニャさんが出たらどんな相手でもイチコロじゃないですか。下手をすればラスボスだとばれかねません」

「そうか。なら仕方ないな」


「さあ、次に挑戦するのは誰だ? 勝った人にはミラクルポーションレベル10、クマのぬいぐるみ、髑髏のマグカップなどたくさんの景品から1品貰えるぞ」

「おー! あのマグカップが欲しいぞ!」

「ダメですからね」

手を挙げかけたミーニャさんの手を掴んで言い聞かせます。あの剣士さんがあまりにも気の毒ですので。


「おいリーサ、私の代わりに出てくれ」

「そんなの無理です。私は魔法使いレベル10ですよ。勝てるわけないじゃないですか!」

「だったらナナカ出てくれ」

「パス。めんどい」

「やはりリーサ。お前が出ることになりそうだな」

「私には拒否権がないのですか?」

「ない。おい、この娘が挑戦するぞ」

「ええーーー!」


 周りから盛大な拍手が起きています。もう、どうしてこうなるんですか!?

「いいか、絶対に勝って髑髏のマグカップを獲得するんだ」

「本気で勝てると思ってるんですか?」

「大丈夫。根性があれば何でもできる!」

私には根性なんて微塵もないのですが。仕方ありません。最終奥義を使います。


 私は長い髪をてっぺんに束ねるとクロシッポをその上に置きました。

「落ちないようにしてくださいね」

「キュピ」

そして何食わぬ顔で舞台へと登ります。


「可愛らしいお嬢さんが挑戦します。拍手をどうぞ」

「おおおお!」

もの凄い拍手が会場を埋め尽くしています。

「お名前を聞かせてくれますか?」

「メンジョー・リーサです」

「職業とレベルを教えてください」

「魔法使いです。レベルは秘密です」

「おおっと、この謎めいた存在は何なんだ?」

「うおー!」

会場が盛り上がってきました。


「ところで随分髪が多いようですが」

ぎくり!

「これは西方の最新ファッションです」

「おお、西方からこられた方のようです」

「おおー!」


「では、時間無制限の1本勝負デスマッチです」

「今デスマッチって言いました?」

「はい、もし負けてもあちらに救急部隊が待機していますので大丈夫です」

そういえば神父さんとおぼしき人が数名待機しています。


「では始めます。ゴーファイト!」

「ちょっと、そんな急に」

「行くぞ娘」

剣士がいきなり切りつけてきました。

「キャー」

私は悲鳴を上げて逃げます。


「そりゃ」

「キャー」

「どりゃ」

「キャー」

「これは凄い! 剣士の攻撃を確実にかわしています」

「エイ、ヤー、トー」

「キャー、キャー、キャー」

私はドッヂボールをすればボールに一度も触れることなく最後まで残る達人なんです。


「ハーハーハー。逃げてばかりいないで戦え!」

私もかなり疲れてきました。そろそろいいでしょう。

「クロシッポちゃん。いきますよ」

「キュピ」


「これでおしまいだ。姉ちゃん」

「キュピー!」

ボカン! バタン。


「おおっと、今まで逃げ回っていた女性がもの凄い魔法攻撃を繰り出したー! 剣士は全く動けません。若い女性の勝ちです!」

「おおおーーー!」

会場は割れんばかりの大喝采となっています。私の実力ではないのですが。


「おめでとうございます」

「ありがとうございます」

ぺこり。ぽとり。


「え? カツラだったのですか?」

「あ、いえ」

びよーん。ポン。

「え? カツラが自力で頭に戻りましたよ!」

「これは、西方の最新式のカツラなんです」

「なるほど、やはり西方は文化が進んでいますね」

「そうですね。ははは」

笑顔で誤魔化す私です。


「ではお好きな景品をお選びください」

「はい・・・・・・・・・・・・クマのぬいぐるみを」

「リーサ!!!」

ミーニャさんの異常にでかい声が会場に響き渡るのでした。

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