第47話 久しぶり
私たち3人は久しぶりに城の外に出ています。そして森の広場で優雅に昼食です。何の肉だかわからないこの唐揚げ、とても美味しいです。
「やっぱり外はいいわね~」
ナナカさんが大きく伸びをして言いました。
キー、ギャー、ウッホウッホ。
「この怖そうな鳴き声が聞こえてこなければ最高なのですが」
私は辺りを注意深く覗いながら言います。ミーニャさんが一緒なのですから絶対に大丈夫だと思いますが。更に遠くの方から護衛のモンスターさんがそっと落ちらを覗っていますし。
「よし、革命軍に襲われた町にでも行くか」
「行きたい。行きたい」
ナナカさんが大喜びではしゃいでいます。
「リーサはどうだ?」
「はい、私も行きたいです」
人間の住む町なんて久しぶりです。
私たちはミーニャさんの魔法で一瞬のうちにオベルビュッテルの町に移動しました。
「久しぶり~。町だ町だ」
ナナカさんが走り出します。
「あ、武器屋だ。しかも杖専門店じゃん。見に行ってみようよ」
まるで子どものようなナナカさんです。
大きな武器屋に入ると中にはこれでもかというくらいの杖が並んでいます。
「リーサ、この杖なんかいいんじゃない?」
ナナカさんが持ってきたのはただの白い棒でした。うどんが作れそうです。
「どんな効果がある杖なんですか?」
杖にはそれぞれ何らかの効果があります。最も強い効果がある杖はレベルが低い魔女には扱えません。だから私のようにレベルが低いとただの棒になってしまいます。ということはここにある杖の殆どが私にとってはただの棒になるわけですね。
「超初心者用杖。ビギナーナンテモンジャナイって名前が書いてあるよ」
「それなら私でも使えそうですね」
ナナカさんは更に杖に貼ってある説明書を読みます。
「この杖を使えばレベル1のスライムでも10ターン以内で倒せますだって」
「いりません」
「こっちはどう? 雷の杖レベル50」
「そんなレベルの高そうな杖、私に使えるわけないじゃはないですか?」
「でも、初心者が使っても雷神の魔法が出せますって書いてあるよ」
「本当ですか!?」
「ただし雷神の魔法を出した直後に倒れて死にますだって」
「いりません!」
全く碌な杖を置いてないですねこの店は。雷の杖なんて需要あるのでしょうか?
「こっちは激流の杖だって」
「だからそういう強そうな武器は私にとってはただの棒なんですってば」
「でも初心者用らしいよ」
「本当ですか? もう騙されませんよ」
思いっきり疑いの眼差しでナナカさんを見ます。どうせ碌な杖じゃないに決まっています。
「1回振ると杖から水が飛び出します。2回振ると少しだけ強い水が飛び出します。3回振ると高圧的な水量の水が出ます」
「高圧的って凄いじゃないですか!」
「この威力は障子に貼られた紙も破ることが可能だって」
「いりません。ただに水鉄砲ですよね?」
本当に碌な杖がありませんね。まあ、レベルが低いの私がいけないのですが。
「何だリーサは強い杖が欲しいのか?」
「勿論です。魔力が低い分、杖の効果でカバーしなくては行けませんので」
「ではラスボスの杖をやろう」
「そんな高レベルな杖は私には使えませんから」
「誰でも使えるぞ」
「まさかそんな」
「本当だ」
ミーニャさんが店内をキョロキョロと見ています。
「あったあったこれだ」
「貴重な杖じゃないんですか!?」
「この杖は大量生産されているのだ」
「ラスボスの杖って名前ですよね? 普通なら冒険が進んでやっと手に入る代物だと思うんですが」
いかにも最終の武器って感じのネーミングなのに大量生産てどういうことなんでしょうか? 意味がわかりません。
「それでどんな効果があるのですか?」
私は半信半疑で聞きます。それもそのはずミーニャさんが持ってきた杖は水戸黄門が持っていそうな杖なのです。絶対に若者向けじゃないですよね。
「杖のこの部分を見てみろ」
ミーニャさんは杖の上部を指さしています。
「ここにラスボスの紋章が刻まれているのだ。これを見せれば知能の低いモンスターは土下座をする」
「いりません」
結局私に合う杖は見つかりませんでした。まあ期待はしていませんでしたけど。




