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第46話 卑怯者

 午後の日だまり、私は王の間に座して対革命軍への戦略を巡らしていた。すると、

「ラスボス様、申し上げます」

1匹のモンスターが慌てて部屋に入ってくるなり言った。

「何だ騒がしい」

「革命軍からの声明が届きました」

「何だと! すぐ読み上げろ!」

「は!」


『魔王軍に告ぐ。今すぐ降伏を要求する。もし降伏しない時はあらゆる町や村を占領する。まずはオベルビュッテルからだ。この町がどうなるかはお前たち次第だ。直ちに降伏することを薦める』

「オベルビュッテルか。私がリーサと行こうとしていた町だ。思えばこの頃から2人の絆が深まったのだったな」

「それは違うと思います」

「リーサ、いたのか」

私は振り向きながら言った。しかし、この私にも気配を感じさせないとは見事だ。

「ところでリーサ、何が違うのだ?」

「気にしないでください」


「リーサはミーニャと絆なんて深まってないじゃんて言ってるのよ」

「ナナカお前もいたのか!」

ここまで来るとこの2人が凄いと言うよりは私のガードが緩いのか?


 私は一息つこうとソファーに座った。

「ふう。ってナナカー! 絆が深まってないとはどういうことだ!」

「怒るタイミング遅くない?」

全くどいつもこいつも。まあ今はそんなことを言っている場合ではない。それにしても革命軍の奴らめ人質を取るとは卑怯なまねをしおって。


「グレートジーニアスドラゴンはおるか」

「は! お呼びでしょうか?」

呼び出されるのがわかっていたのか、すぐにグレートジーニアスドラゴンが現れた。さすがに頭が良いな。


「この状況を打開できるアイデアはないか?」

「そうですね。ここは革命軍に対抗してパリアスという大きな町を占領しましょう」

「は? 何を言っておるのだ?」

正気か? いやもしかすると誰にも予想できない作戦なのかもしれん。何しろ我が軍のブレインであったジーニアスドラゴンの代わりをする存在だからな。


「占領してどうするのだ?」

「自分たちが占領した町より大きな町を占領されたらプライドが傷つくはずです」

「それで?」

「それでと言われましても・・・・」

何だ? 明確な答えがあるわけではないのか? どういうことだ?


「革命軍のプライドを傷つけた後の作戦を言ってみろ」

「特にありませんが」

もしかしてこいつ、名前が賢そうなだけで実はバカなのか?

「1+2はいくつだ?」

「3です」

「うむ。では5-(-3)はいくつだ?」

「2です」

やはり名前負けの見本的な奴だったー!


「ラスボス様、申し上げます。革命軍がオベルビュッテルに攻め込んだ模様です」

「何だと? 思ったより行動が早いな」

さあ、どうしたものか。グレートジーニアスドラゴンは当てにならぬことが判明したしこれは追い込まれたぞ。


「住民を犠牲にするか。降伏して住民を守るか。究極の選択だな」

「そんなの放って置いたら良いと思います」

「リーサ、どういうことだ?」

「だってオベルビュッテルの住民は人間ですよ。だったらミーニャさん達の敵じゃないですか」

え? そうか! 言われてみればその通りだ。


「リーサ! お前は天才だ! 恐らくグレートジーニアスドラゴンより頭が良いぞ」

「全く褒められていないんですけど」

「でも、お前も人間だろう? 人間がやられてもいいのか?」

「別にいいです。はっきり言って良い思い出より悪い思い出の方が多いですから」

かなり苦労してきているようだな。


「ラスボス様。報告いたします」

「今度はどうした」

「人間が勇者を中心に自警団を形成して応戦している模様です」

「自警団?」

「はい、レベルの高い者を中心に戦おうと言うことです」

こいつ私をバカにしてないか?


「ラスボス様、申し上げます」

次から次へと。

「人間が形成した事件団が革命軍を簡単に蹴散らし、革命軍は速攻で降参した模様です」

「もしかして革命軍て弱かったのか?」

「はい、そのようです」

今まで散々時間を掛けて軍事会議を開いてきたのは何だったのだ?


「ナナカ! 革命軍が弱いのならそう言わぬか!」

「私、革命軍が強いなんて一言も言ってないわよ」

何という時間の無駄。私は頭を抱えて座り込むのであった。

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