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第40話 死刑になってもいいです

第40話 死刑になってもいいです


「へー、ミーニャって凄いんだ~」

「まあラスボスだからな」

2人は仲良くなったようです。ただその背景には私の多大なる犠牲があってのことなのですが。


「ミーニャ、今度のリーサの服ってこんなのはどうかな?」

「おお! これはいいな。何という服だ?」

「ゴスロリって言うの」

私は慌ててナナカさんの提示するスケッチブックを覗き込みます。


「じゃあ、私が作っておくね」

「頼む」

私は慌てて立ち上がろうとするナナカさんのスカートの裾を引っ張りました。


「リーサ、何してるのよ」

「お願いですから待ってください」

ナナカさんが脱げそうになったスカートを押さえながらもう一度座ります。


「もしかしてこの服が気に入らないの?」

「当然です!」

「もう仕方ないなぁ」

ナナカさんはさらさらと新たに服を書き出しました。


「おお! これもいいな」

私は再び慌ててスケッチブックを覗き込みます。

「フリルが増えてるじゃないですか!」

「フリルが少ないから嫌なんでしょ?」

「違います!!」

「じゃあ何なのよ?」

「これってもう服と言うよりはコスプレ衣装ですよね?」

「いいじゃない」

「良くないです!!!」


 私とナナカさんの会話を聞いていたミーニャさんが素朴な疑問を投げかけてきました。

「コスプレとは何だ?」

「普段着られないような衣装を着て喜ぶことよ」

「少し違うような気もしますが‥‥。とにかく私は喜びませんからね」

一応釘を刺しておきます。


「なるほどリーサはこういう服を着て喜ぶのか?」

「違います!!」

「超過激な水着を着せられるよりはいいではないか」

ミーニャさんは笑いながら言います。絶対に私の気持ちなどわかっていないですよね?

「・・・・まあ、それはそうですけど」

「ナナカ、リーサの許可を得たぞ」

「違います!!」

危なく乗せられるところでした。全く油断も隙もありません。


「じゃあ、こちらの服にしましょう」

「どれどれ。ん? これはメイド服というものではないか?」

「そうよ。ミーニャさんてメイド服を知ってるの?」

「ああ、昔間違ってここまで来てしまったパーティーの中にこの服を着ていた者がいたのだ」

「そうなんだ」

「そいつが助けて貰おうと『メイド喫茶で働きますから助けて』とか言ってたな」

なるほど、それで筋肉マッチョなモンスターがメイド服を着ているのですか。


「そうだ! メイド喫茶を作ってリーサに『萌え萌えキュン』てやってもらいましょう!」

「絶対にやりませんからね!」


 そして次の日。

「ラスボス様。メイド喫茶ができました」

「でかした」

できるの早すぎでしょ! それより私の言葉は無視ですか? メイド服を着るぐらいは我慢できても『萌え萌えキュン』は絶対に無理です。


「ミーニャ、メイド服作ったわよ」

「おお、素晴らしい! では早速着せよう」

『着て貰おう』じゃなく『着せよう』になってませんか!?


 私は2人に抑えられて無理矢理着替えさせられそうになっています。

「こら! 暴れるでない!」

「リーサ、往生際が悪いわよ」

ミーニャさんが一声掛けると部屋にいたメイド達がこれに加わりました。さらに向こうから大きなドラゴンまで。


 結局メイド服を着せられてしまいました。

「これはセクハラにパワハラです」

「そうか。それで?」

「訴えます!」

「どこにだ?」

異世界には裁判所がありませんでした。


「どんなことがあってもメイド喫茶はしませんからね!」

「そうか。死刑になるぞ」

「たとえ殺されても絶対にしませんから」

今回ばかりは本気です。こんな毎日ならいっそ死んだ方がましだと思います。


 何かいろいろな物が運ばれてきます。え? これってギロチンですよね? こちらは輪になったロープです。そしてあれは電気椅子でしょうか? まさか本気で死刑にしないですよね?


「好きなのを選べ」

もう、ミーニャさんたらジョークが凄いんだから。これはあれですね。私の焦った顔を見て楽しんでいるのですね。親友を失うことはしないはずです。また孤独な人生に戻ってしまいますから。


「ではギロチンでお願いします」

単なる脅しだとわかったら余裕です。

「言い残すことはないか」

「はい、ありません」

「ではここに首を入れるのだ」

え? え? え? 何か本当に死刑執行されそうな雰囲気なんですけど。


「短い付き合いだったな」

「まあラスボスに逆らったんだから仕方ないわね」

ナナカさんまで凄いことを言い出しました。ていいますかここは私をかばって止めるところですよね?

「そうだ、リーサが死んだらリーサ記念館を作ろう」

「それいいかも」

まさか、私以外に友達ができたから私はいなくてもいいとか?


「最後にいいものを見せてやろう」

私の前に大きなスクリーンが現れました。そのスクリーンに動画が流れ出します。

「~死後の世界~ 人は死んだらどこに行くのでしょうか? 中には『異世界に転生するのでは?』と言う人もいますが、ここ異世界から他の世界に転生することはありません。この異世界は最終地点なのです。また異世界に生きる人々は天国に行くこともありません。全ての人は地獄に行くことになっています。地獄では毎日マグマの池に浸からされます。その温度は実に1200℃。でも体が焼けて消えることはありません。ひたすら熱さに耐えなければいけないのです。そして次に針の山を足から血を流しながら歩かされています。足に食い込む針の痛みはこの世では表現できません。特に土踏まずに刺さった場合・・・・」

「私メイド喫茶で働きま~す!」


 こうして私のメイド喫茶は異世界中の評判となり、多くのモンスターが3時間待ちの列を作るのでした。


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