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ロア高原③


俺がコクウに対応し、その後ユマが止めを刺している間にノインさんとリズは先に襲ってきていた獣を更に追加で2体屠っていた。半分以上を倒された猿顔の獣たちは形勢の不利を悟ったのだろう。仲間の死体をその場に残したままどこかへ逃げ去っていた。


素材目的だったらここは追撃を掛ける場面ではあるが、俺達の目的は当然別の事だ。力の差を示されたアイツラが再び襲撃を掛けてくる可能性は低いし、アイツ等はもう放置でいい。


というかそれ以前に倒した奴等も放置である。一応素材として使える部分や売れる部分もある獣だったがこれだけ血の匂いをまき散らした状態になってしまうと、別の肉食の獣がやってきてしまう可能性がある。ハイエナのような動物だっているのだ。俺達の目的は狩りではないので余計な戦闘は出来るだけ避けたい。俺達はそそくさとその場を離れる事にした。


その後も何度か襲撃を受けたが、さすがに最初の規模の襲撃はなかった。連中の縄張りに突入しているわけじゃないからな。むしろまだ外周部分のあの場所であれだけの群れに襲われた事がイレギュラーで運が悪かった。その後襲ってきたのは単体だったり、2~3体程度。その程度ならこのパーティーなら問題なく対処できる。数度襲撃は受けたが、そのいずれも危なげなく撃退し、余力を残した状態で俺達はその日の散策を終了した。


時間的にはまだ日が落ちる結構前であったが、それ以上進むと獣たちとの遭遇確率が上がる場所に入ってしまう。早期にハリオンという足を手に入れた為日帰りが出来たハザト大森林と違い、このロア高原を一日で散策するのは不可能なのでどうしても野営をする必要がある。そして獣たちの生息域で野営なんてのは当然したくないわけで──植物も少なく獣の生息数も少ないエリアで俺達は野営をすることにしたのである。


野営の準備は──俺以外は手慣れたものだった。


エクレールを出てから野営なんてものはほぼした事なかったが、ノインさんやユマはこれまでに何度も経験していたらしいし、リズは学園の実習などで野営を行ってきたらしい。ちゃっちゃと皆で分担して準備を整えていった。


一応俺もちゃんとお仕事してたよ? お夕飯の支度をしてました。といってもこんな所ではそんな大したモノは作れないけどね、保存の利くパンと干し肉とか野菜を使ったシチュー擬きくらいだ。……ここで新鮮な野菜を生やせるのって便利だよな。サバイバルに向く能力である。俺ら4人の一食分くらいなら生やしても疲れないし。ちなみにお味は好評でした。……俺にクソ甘いリズやユマだけじゃなくてノインさんからも好評だったから、ちゃんとした評価だぞ。俺自身も美味しかったと思うし。


後、もう一個したお仕事。俺達がキャンプを張る場所から少し離れた場所に、このロア高原でラーニングした草を生やしてきた。


なにやら、この高原に生息する動物の大部分が忌避する成分を発しているらしく、獣除けになるんだよね。ロア高原でキャンプするなら植物の少ないところか、それの群生地の2択って言われているくらい。


昼生やしたような草のような強烈な悪臭があるわけでもなく、人体に有害な物質が出ているわけではないのも確認済み。ならば荒野+その草の場所にすればより安全なのでは? と思った次第である。全部の動物に有効なわけではないし、そもそも確実なものでもないんだけどね。まぁないよりはあった方がいいだろう。結構数生やしたからそれなりに疲れたけど、今日は最初の襲撃以降は能力使ってなかったし。


というわけで、キャンプの準備は終了。食事の後片付けを終えて後は寝るだけ……というにはまだちょっと早すぎる時間だ。一応俺のも含めいくつか対策したとはいえさすがにこんなところで見張り無しで寝るわけにはいかないので二組に分かれて交代しながら寝る事にしたんだけど、それにしたってまだ早いと思う。時間にしたら夜8時か9時くらいかな?


とはいえこんな所でやれることなんて殆どないし、何より今日は旅に出てから一番激しい一日だったからかなり疲れは溜まっている。特にこういった事は初めての俺と魔術を連発していたリズはグロッキーに近い。正直横になったら速攻で寝れるかも。


でも、その前に一個だけやっておきたいことがある。


何せ今日は一日、荒野や木々の中を動き回っていたのだ。汗と埃やら砂やらで全身ベタべタである。女として──ってわけでもなく、性別関係なしに体は拭いておきたい。


周囲に人の姿はないし視界もそこまで通らない位置だ。それにリズとユマがそれぞれ一定以上のサイズの生物が近づいてきたら感知できる対策をしてくれているので、多少なら無防備になっても問題ないだろう。とはいえ水浴びできるような場所でもないので、俺達は替わりばんこに濡らしたタオルで体を拭う事にした。


「はぁい、お姉様脱ぎ脱ぎしましょうねぇ」


──んだけど、何だよその言い方。






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