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語らい①


「……本当に一緒でいいのか?」

「いいよぉ? ベッド一つしかないしねぇ」


夜の帳はとうに落ち、部屋の中は柔らかな光を発するランプの明かりだけに照らされている。


見慣れない景色の部屋の中、ベッドの上で布団を広げて、ユマが俺をベッドの上に誘う。


恰好は二人とも寝間着だ。ネグリジェのようなワンピースタイプではなく、上下に別れてる元の世界で言うパジャマに近い恰好。


そんな恰好で二人寝室にいるわけだが、勿論色っぽい理由ではない。


「俺は別に、ソファとかでもいいんだけど」

「ウチのソファそんなに柔らかくないし、サイズも大きくないから疲れ取れないよ。ほらおいで~」


すでにベッドに横になっているユマに手招きされ、俺はおずおずとベッドに近寄ると布団にもぐりこんだ。


「そんな端っこじゃなくてもっとこっちおいでー。そんな所じゃ落ちちゃうよ?」

「俺寝相悪くないから大丈夫だよ」

「へー、羨ましい。アタシは寝相あんまりよくないんだよねぇ。だからこんな大きなベッド入れてるんだけど」


確かに一人暮らしなのにベッドはかなり大きい。部屋の大きさに対してもでかく感じる。というか、


「俺この後その寝相悪い人と同じベッドで寝るんだけど?」

「あははー、寝てる間に何かしちゃったごめんねぇ」

「それは別に平気だけど……」


寝相が悪いといっても聞く限りではごろごろ転がるくらいだろうし、サイズの大きいこのベッドからなら落ちないなら常軌を逸した寝相というわけではないだろう。であればさほど気になる事ではない。


「むしろ、自分が何かされちゃうとかは考えないの?」

「するの?」

「しないけど……」


ユマは今の俺にとってこの世界では一番親しいといえる人物だ。そして大事な秘密を話す事も決めた。そんな相手の信用を損ねる事はするハズがない。


……まぁその豊満な体を薄手の寝間着で包んだ姿にドキドキしてしまうくらいは許して欲しい。まだ男の意識の割合は割と多いので、どうしても反応はしてしまうのだ。


もしつい触ってしまいそうになったら自分の奴を触って耐えよう。ちなみにこれやると割と空しい気持ちになったりするので、昂ったものを落ち着かせるのにお勧めだ。うん、どんなに柔らかくて触り心地よくても自分のじゃね……


そんな感じで即答した俺に、ユマはにぃーと目尻を下げた笑みを浮かべるとこちらの方へ腕を伸ばしてきた。


「じゃあ何も問題ないよね。ほらヒビキ、こっちおいでー。というかこないとそっち近寄るよ?」


……それだとユマがこっち側に寝転がって来た時に逃げ道がない。仕方なく、俺はもぞもぞと動いてユマの方へ移動する。


丁度、枕一つ分くらいの距離を挟んで、俺たちはベッドの上で向かい合った。ユマはにこにこだ。


「……なんでそんなに嬉しそうなの?」

「いやぁ、こうやって誰かと一緒に寝るのって子供の時以来だなぁって」

「あー……」


ユマは今一人暮らしなので、当然一緒に寝る相手がいない。また彼女は王都出身だが、調合士としての資格を取得してからはこちらに来て今のような生活をしているらしいので、おそらくだけど過去にも同棲相手はいなかったんだろう。ちなみに両親はご存命である。そういやなんでユマはこんな辺境寄りの街で生活しているんだろ?


まぁ、今はユマの事より俺の事か。


「そういえばヒビキ、御免ねぇ。話があるっていったのにこんな時間になっちゃって」

「いや、仕事だったし仕方ないでしょ」


そう、実はまだ俺はユマに大事な話をできていない。


一度俺の家に戻り必要な荷物を取って来た後、ユマの方に急ぎの仕事が飛び込んできてしまいさっきまでずっと余裕がなかったのだ。その仕事をようやく終え、体をお湯で濡らした布で拭った頃にはこんな時間になっていたのである。


「まだヒビキが眠くないなら、これからお話しよっか」

「ユマこそ大丈夫? 疲れてるでしょ」

「アタシは大丈夫だよー」


そっか、だったら話させてもらおう。


俺は一度目をつむり、簡単に頭の中を整理してから口を開いた。


「実は話したい事って、俺のギフトに関する事なんだ」





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