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収入に対する不安要素

「どうして?」


ユマにとって、俺は薬草の提供者だ。その俺が町から離れて薬草を取りにいかなければ、当然ユマは新鮮な薬草の入手ルートを失うことになる。(実際は、俺は町から離れなくても採取できるわけだが)。勿論俺以外の購入先は他にもあるから、絶対的に困るということはないんだろうけど……でも正直今の俺ほど的確に納品はできないだろう。


そんな俺に対して事実上の休業につながることを告げるということは、当然その理由があるわけで。ユマはその理由をきちんと説明してくれた。


「……成程、ガラの悪い連中がこっちに流れてきそうだとう」

「らしいわよ」


ちょうど昨日作成済みのポーションをとある別の町の商店向けに納入したらしいんだが、その際にいろいろ情報を入手したらしい。その中で、ここの近隣で瘴気の獣が発生したという話があった。


エクレールは辺境……というか瘴気の人間の生存権の境界線に近い都市だ。勿論、間際というわけではないから今すぐ飲み込まれるというわけではないが。その境界線との間には、まだいくつかの町や村が存在している。


そのうちの一つを、瘴気から生まれた獣が襲ったらしい。


その町は、境界線に近く……だが、最前線ではなかった。その為、張り付いている警備隊も数はさほど多くなく……また、責任者が無能だったのだろう、対応が遅れた。その結果、さほど大きくない町は壊滅に近い形となり、その大部分が瘴気に汚染され人の住めない場所となってしまった。


そのため、街の住人達はそれぞれ近隣の町へと移住を決めたわけだが……どうやらその街、あまり治安がよくなかったようなんだよな。


もともと境界線に近い町や村は治安が悪い場合が多い。真っ当でかつ余裕のある住人はもっと安全圏の街へと移住するからだ。その結果残るのは貧民層と、いろいろやらかして中央には居づらくなったような脛に傷を持つ連中になる。


どうやらその一部がこっちの方に流れてきそうだという噂があるらしい。


「その街からの距離はそれなりにあるから可能性は低いと思うけど……ただその街とエクレールの間に規模の大きい街がほぼないんだよね。だから、ガラの悪いチンピラ程度はこっちに来るかも?」

「あ、来るのはチンピラくらいなんだ」

「エクレールはちゃんと警備隊もいるし治安も悪くないから、がっつりやらかしている連中は近寄らないと思う」

「だとしたら、そこまで問題なくないか?」

「えー、でもヒビキは可愛いから危ないと思うよ」


あー、まぁ確かにな。


今の俺は掛け値なしの美少女だし、そんな娘を街から離れた人気のない森なんかで見かけたら普段は普通に暮らしている奴でも不埒な事を考えるかもしれない。チンピラならなおさらだ。


んー、どうしたもんかな。


勿論自身がエロ同人みたいな目に合うのはごめん被るが、かといって採取にでないわけにもいかない。例えば数日我慢すれば大丈夫という話ならまだしも、いつ大丈夫になるかわからんしなぁ。


シマを変えるって手もあるが、せっかくユマという上顧客を捕まえた上に、そもそもしばらくここで暮らすつもりでいろいろ揃えちゃったからなぁ……別の町に移動してまた一からというのはやりたくない。


ふむ。


「……さすがに仕事をしないというわけにはいかないけど、できるだけ街から離れないようにするよ」


実際のところ、今も本当は森にはほぼ入っていない。新種探したいから外周くらいは足を踏み入れたりするけど、それ以上はいかない。好戦的な獣とかに遭った場合にどうしようもないからね。今の俺はか弱い乙女なので。護衛雇うのも結構かかるしさぁ。


だから実際のところは別に街から出るところだけ見せてれば問題ないんだけど……


「しばらくはちょっと納品量が減ると思うけど……」

「ん。ヒビキの安全の方が大事だよ~」


カモフラージュは必要になるよなぁ。


はぁ。チンピラ君とっとと何かやらかしてとっつかまってくれませんかね。

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