通学路には理由がある
読みに来て頂いてありがとうございます。
終業式で持ち帰る荷物がいっぱいで両手がふさがっていました。
いつも帰るのを嫌がって話かけてくる友達がいるのでゆっくり話しながら歩いていたら通学路には誰もいなくなっていた。
そんな友達とも別れる分かれ道でまだしゃべりたそうなのを逃げるようにさようならをした。
そこから先は一人で帰る事になる。
そこからさらに分かれ道がある。
どちらも私の家につがっている。
広くて人も多いけど少し遠回りの道と細くて人も少ないけれど最短で帰れる道。
親と学校からは広い道を使うように言われている。
でも、今日は荷物も多いし、今はまだ昼前だからと細い道を選んだ。
何よりお腹が空いているし!
細い道は自動車もほとんど通らないで通学路としては良いと思うのだけれど、認められていない。
多分、途中にあるお屋敷に問題があるから、って私は思っているんです。
そのお屋敷自体は見たことが無いけれど古くて高い塀が続いて、大きな木の門があるんです。
ずっと誰も住んでいない空家らしくて、いつも門は閉まっているんです。
狭い道に大きな塀と門は迫力とうか・・・薄気味悪くて・・・ちょっとだけ怖い。
そのお屋敷の前をあまり気にしないように通り過ぎようとした時、門が少し開いているのが見えて、すき間からマスクをした小さな女の子が見えたんです。
そして、
「ねえねえ、おねえちゃん」
と手招きをしながら声をかけてきた。
「ちょっと、いい?」
あ!もしかして引っ越して来たのかも!と思って門のそばまで行って女の子の高さにかがんだ。
「どうしたの?」
と聞くと、
門の隙間からスっと小さな手が出てきて、私の服をつかんで、
「ここから出して!」
その見た目と違う大人のおじさんのような声で言ってきたのです。
思わずその手をはらってしまいました。
その時、その子の口元のマスクの隙間から口がほほのところまで裂けているのが見えて笑っていたんです。
とにかくあわてて荷物を持ち直してうまく足が動かなくて何度か転びながら走って帰りました。
誰もそこには住んでもいなし誰かが引っ越ししてくるという話も無いらしく、むしろ取り壊されるような話が出ている、とお昼ごはんを食べながら親から聞いた。
無意識に「急がば回れ・・・か」ってつぶやいていました。
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