お寺のトビラ
読みに来て頂いてありがとうございます。
うちの小学校は長い坂の上にある。
坂の上に左から中学校、小学校とあって、小学校のとなりにはお寺がある。
お寺は学校のできる前からあって歴史があるらしい。
元々、山の上はすべてお寺の持ち物で小学校の校庭のあたりはお墓だったらしく、整地の際に移されなかったお墓もあったとか無かったとか・・・そんなうわさ話もある。
坂の途中にもお墓があったりするから帰りが遅くなると一人だとちょっと怖い。
学校とお寺の間は学校の柵があって道を挟んでお寺の柵があるのだけれど。
そこに扉がついている。
開けようと思えば簡単に開きそうな扉で、開けて入った子がいたらしいって聞いたけど、その後のことがよくわからなかった。
夕方まで残って友達と遊んでいる時、友達のボールが学校の柵を越えてしまった。
お寺のある方だ。
学校の柵は低いので友達は軽く乗り越えて扉の前に落ちたボールを拾った。
けれど扉の方に顔を向けたまま動かない。
ボールを取って来るのを待っていた数人で呼びかけてもこちらを向かない。
心配になってもう一人が柵を越えて向かった。
またその子も扉を見ると動きが止まった。
何かおかしいと思った一人がとにかく二人をこちらに戻さなければと用具入れにある遊び用の長縄とびの縄を腰に巻いて、着ていたジャンバーを頭からかぶって扉を絶対見ないように止まってしまった二人の方へ向かった。
長縄のひもの反対側を何かあったらすぐに引っ張れるように学校側に残ったみんなでにぎった。
たどり着いて一生懸命話しかけているけれど反応がない。
と、いきなり止まった一人ををぶん殴った。
その拍子に隣の子にもぶつかって止まってた二人が倒れた。
倒れた二人に何か話かけながら立たせて、二人の腕をつかみながら、
「引っ張って!」
と、こちらに言ってきたから慌てて長縄をみんなで引っ張り、柵もなんとか越えさせた。
下校の鐘がなって三人が荒い息でこっちを見ながら、
「とりあえず帰ろう、話は帰りながら」
と言った。
「何があったの?」
「扉から声がしたんだよ」
お坊さんのような声で話かけられたそうだ。
「そこで何をしているのか」
と。
顔は向けずに「ボールが学校の柵を越えてしまったので取りに来ました」と答えると、「人の顔も見ずに話すのは行儀がなっていない。こちらを見なさい」と言われた。
助けに行った子は見たらおしまいだと思い、とにかくここから逃げなければと話しかけても動かない子の目を覚まさせるために殴ったそう。
その間も扉の向こうから「こちらを見ろ!」と何度も何度もくりかえし言われていたらしい。
古そうだけど普通の木の扉のようだったし、友達の他に人は見えなかった。
扉の向こうに誰かいたのか。
見てしまった後、もし誰も助けなければどうなってしまったんだろう。
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