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慙愧の念

作者: 横瀬 旭

この街を破壊する。


僕はここにはいない。


わかるかい


僕はここにはいない。


みんないなくなってしまう。


みんな離れてしまう。


でも仕方がないと思う。


お腹が痛い。


もう死にたい。


もう嫌だ。


真っ暗な中枕に頭を乗せて目を閉じる。


毎日夢を見る。


僕は嫌われる。


酷いことを言った覚えはない。


でも僕は嫌われる。


言葉を選べと言われる。


しかし僕には意味がわからなかった。


傷つくようなことを言ったつもりはなかった。


君のせいで僕は嫌われた。


君を殺したいと思った。


平気な顔をして話しかけてくる君を殺したいと思った。


死んでほしいと思った。


幾年か経って、


君は僕に「会いたかった」と言った。


嘘をつくんじゃないと思った。


君は人気者だった。


人前で善人ぶる君を殺したいと思った。


今すぐ死んでほしいと思っている。


だから僕はこの文章を書いた。


君が死んで、僕も死ぬ文章を書いた。


うれしいよ。


君が死んでくれた。うれしいよ。


そして君は、僕を殺してくれる。うれしいよ。


気が違ったのかな。でもうれしいよ。


僕は君を待っていた。君も僕を待っていた。


お互いが死ぬのを、お互いに待っていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「君を殺したい」と言った主人公でしたが、タイトルからするに、彼は自分の気持ちを恥じていたのかなと思いました。恨みを募らせた結果、主人公自身、もう自分が何を考えているのか分からなくなっている…
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