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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
5章 芝上の無謀 東日本版

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99回目 禍根を取り除く

 さて、織田家のその他の処分であるが。

 これは信長に伝えた通り、全員処刑となった。



 戦場に出ていた武将や兵士は言わずもがな。

 もともと戦っていたのだから、そこで潰える者も出て来る。

 圧倒的な兵力差もあったので、それほど難しくはなかった。

 それでも生き残る者もいるにはいたが。

 それらも戦後に捕らえられて処分されていく。

 捕らえられる事もなく、その場で倒された者がほとんどだが。



 特にその中で名指しで徹底された者がいる。

 アツヤからすれば、絶対に放置できない輩だ。

「こいつだけは絶対に見つけて殺せ」

 はっきりとそう言う程危険視していた。

「この、木下藤吉郎だけは絶対にだ」



 後の天下人である木下藤吉郎。

 これを放置は出来なかった。

 徳川家康と同じく、決してそのままにしておけない。

 特にアツヤが危険視してる部分がある。



「危険だからな……」

 アツヤはどうしてもこの男を放置出来なかった。

 それは、豊臣秀吉の頃から一気に表に出た残虐さだ。

 とにかく理不尽な仕打ちが目につく。

 それが気になった。



 絶大な地位によって歯止めがきかなくなったと言われる。

 しかし、そうだろうかとアツヤは思う。

「違うだろ」

 どうしてもそうは思えなかった。

「本性が出ただけだろ」



 例えば、車を運転すると性格が変わる人がいる。

 普段は本当にいい人なのにと言われるような者だ。

 しかし、本当に性格が変わるのだろうかと思う。

 アツヤはそうは思えなかった。

 人が変わるのではなく、本性が出るのだろうと考えている。



 人間の本性は変わるものではない。

 それを普段は覆い隠してるだけだ。

 それが何かのきっかけに出て来る。

 運転で人が変わるというのはその一つなのだろうと思ってる。

 ならば、秀吉が豹変したというのもその一つなのではないかと思っていた。



 後におこす理不尽で残虐な仕打ち。

 それが本性なのだろうと。



 信長に仕えてる間はそれをおさえていた。

 少なくとも人当たりの良い人間に見えるように行動していた。

 そういう振りをしていただけなのではないかと思える。



 要領の良い人間なのだろう。

 上手く立ち回れるような。

 人当たりも良いのだろう。

 だが、だからと言って人が良いとは限らない。



 相手の事を何とも思って無い。

 心がないから、誰とでも何も考えずに接する事が出来る。

 気持ちというのが無いから、かつての出来事も気にしない。

 だから何をされても拘ったりしない。

 そういった人間は、得てして利害にだけは拘る。



 心や気持ちの問題は気にしない。

 だが、利害には拘る。

 だから、利があれば誰とでも付き合う。

 親の敵だろうが、かつてどれほど酷い事をしてきた者であろうが。

 しかし、害になると思えばあっさりと切り捨てる。

 例え害がなくても、利が無いとなればそれも切り捨てる。

 世の中にはそういった人間もいる。



「そういう奴なのかもしれないからな」

 アツヤはそう考えていた。

 だから木下藤吉郎だけは放置出来なかった。

 万が一にも内部に入り込めば、侵食してくる。

 功績も挙げるだろうが、その為に同僚をどれほど潰すだろうか。

 考えるのも恐ろしい。



 実際にアツヤもそういう人間を目にしたことがある。

 やはりブラック企業でだ。

 人当たりは良い。

 しかし、一緒にいても利益にはならない。

 共同作業でなしえた成果が、なぜかそいつだけの手柄になっている。

 そして、用済みになったところで切り捨てられる。

 上手く立ち回って、アツヤ達は左遷させられた。



 今にしておもえば、それも理解は出来る。

 自分一人だけの手柄にしているのだ。

 共同作業者がいたと分かれば、功績が消し飛ぶ。

 ならば、そうならないように立場を潰していくしかない。



 その為に、昨日までの仲間を平気で切り捨てる。

 いや、仲間とすら思って無いだろう。

 都合の良い道具として扱っていたにすぎない。

 その道具が、このままでは自分を脅かす生き証人になりかねない。

 だから、そうならないように処分した。



 おそらくはそんなところだろうと思う。

 今、こうして幽霊として様々な事を見聞きしてきたから分かる。

 世の中にはそういう事が出来る人間がいるのだと。



 そういう人間は絶対に排除しなくてはならない。

 そいつが出世する為に、犠牲になってる人間がいるからだ。

 それは、組織から人材を喪失させる。

 本当に使える人間が隅に追いやられていく。

 そして必要な人材がいなくなる。



 そんな状況は避けねばならない。

 組織が弱体化する。

 だからこそ、そういう人間の可能性がある木下藤吉郎を消す。

 アツヤはそれを考えていた。



 幸い、木下藤吉郎は程なく捕まった。

 アツヤの調べでも、それが木下藤吉郎だと判明する。

 その為だけにわざわざ成就点も使った。

 天下人になるほどの才覚に恵まれたものだ。

 放置も出来ない。

 そのままにしたら、外で飛躍して襲いかかってくる可能性もある。



 危険な可能性は可能な限り見つけて潰す。

 それがアツヤの考えだった。

 小物だから放っておけ、といった考えはない。

 問題はどんな小さなものでも解決しておかねばならない。

 むしろ、小さなうちに解決せねばならない。

 大きく育ったら対処が面倒なのだから。



 その処刑の日。

 アツヤもその場に居合わせた。

 次々に首を切り落とされる。

 あるいは貼り付けにされて槍で急所を貫かれる。

 そうして死んでいく者達。

 その中に木下藤吉郎も確かにいた。



 そして、ただ死ぬだけではない。

 霊魂も吸収して、存在そのものも消滅させる。

 転生すらも出来ないように。



「これで良し」

 目の前で朽ち果てていく死体。

 それを見下ろし、アツヤは胸をなで下ろす。

 危険の可能性をこれで潰した。

 芝上に立ちはだかる、あるいは内部に抱える問題が消えた。

 あとはじっくりと天下統一に向かって動くだけ。



 そうした処刑を終えて、芝上は新たな統治体制をしいていく。

 それについての報告を信長にも伝えながら、領地の安定をはかっていった。

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