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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
5章 芝上の無謀 東日本版

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93回目 侵攻開始 遠江・三河・尾張

 遠江での戦闘は例外なく悲惨なものになった。

 何せ、全滅するまで戦うしかないのだ。

 芝上も今川も、地獄の戦闘を繰り広げるしかない。

 勝敗はどちらかが全滅する事で決まる。

 前代未聞としか言いようが無い戦いだ。



 戦国時代であるから、やはり凄惨な殺し合いは起こってる。

 だが、それでも相手を全滅させる程にはならない事も多い。



 目的は領地を得る事だ。

 その統治には人がいる。

 その手法を持ってる人間は、この時代では少ない。

 現代でもそう多くはないだろう。

 その人材は、たいてい戦ってる相手になる。



 その人材を確保する為にも、相手を全滅させるわけにはいかない。

 ほどほどのところで戦いを止める。

 でなければ、後の統治に支障を来すからだ。



 だが、芝上にはそういった心配はない。

 人材は後方で育成している。

 統治者の代わりは幾らでもいる。

 その為の人材育成も行っている。

 相手を降伏させる必要がない。



 そして、くすぶる問題を抱え続ける必要もない。

 降伏してきた者を抱えるという事は、そのもの達が持ってる問題を抱える事にもなる。

 その危険をおかす必要がない。

 それだけでも大きな利点になる。



 古くからのものが全て悪いとは思わない。

 だが、抱えてる問題をそのまましておくわけにもいかない。

 ここが悩ましいところだった。

 では、何を取り上げ、何を切り捨てるのか。

 その選択をどうやってやっていくのか。

 それが常に人を悩ませる。



 しかし、残してはまずいものをそのままにするわけにはいかない。

 それらを切り捨てるためにも目の前の敵を殲滅せねばならなかった。



 遠江だけではない。

 三河も。



 それまでがそうであったように、三河でも敵を徹底的に攻撃していっている。

 その熾烈さは決して変わらない。

 もとより遠江で今川勢として戦っていた三河の者達である。

 芝上が対応を変えるわけもない。



 また、懸念があった。

 なので、アツヤは確実に三河の者達は殲滅するように伝えていた。

「危ないからなあ……」

 話に聞く三河の状況がそうさせていった。



 諸説あるが、三河では領主が斬られている。

 その理由は詳しくは知らない。

 だが、様々な勢力間の問題によると言われている。

 だからこそ、アツヤは彼らを危険視した。



「自分の都合で主を斬る。

 そんな連中を信じる事は出来ない」

 ハルヨシにもそれを伝えている。

「だから、三河は絶対に許すな」

「分かりました。

 そういう事なら容赦はしません」



 このため、三河での戦闘は容赦のないものとなっていった。

 松平家以下、その臣下はもとより、三河内の各勢力。

 それらが根こそぎ殲滅させられていく。

 それを見た三河勢は疑念を抱く。

(芝上が容赦ないのは分かっていた)

(だが、この激しさはいったい……)

 遠江で見た熾烈さ。

 それを越えるほどの激しさ。

 それが今、三河勢に襲いかかっている。



 さすがに退却したいと誰もが考えた。

 しかし、逃げる場所がない。

 もう三河の背後には尾張しかない。

 その尾張とは、決して友好的とはいえない。

 三河と尾張の間でも戦争はあったのだ。

 そんな間柄の者達のところに逃げ込めるものではない。



 その尾張が今回は一応味方ではある。

 だが、それは肩を並べて戦えるものではない。

 今回は敵対しないという程度のものだ。

 その為、尾張勢は遠江や三河には来ていない。

 芝上との戦争が終わるまでは手を出さないという関係だ。



 もっとも、仮に共に戦える間柄であっても、出兵は出来なかった。

 美濃にも芝上勢がいる。

 それらが南下してきたら、尾張は終わる。

 それらへの警戒の為に、尾張勢は釘付けにされていた。



 事実上、孤立無援のまま三河勢は追い込まれる。

 そして、その国境で芝上の軍勢に押しつぶされていく。 

 劇的な事は何も起こらない。

 なるべくしてなった結末。

 それが三河と尾張の国境で起こった。



「これで良し」

 結果を見てアツヤは頷く。

 将来の危険をこれで潰す事が出来た。

 アツヤが抱いていた懸念は、三河の者達の考えや行動だけではない。

 このままでは、徳川家康が出て来る。

 それを出来るだけ早い時点で潰しておきたかった。

「何してくるか分からないからな」

 なんだかんだで最終的に天下を取った男だ。

 油断するわけにはいかない。

 だから、この時点で消えてもらう事にした。



「あとは尾張か」

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