91回目 侵攻開始 駿河
駿河への侵攻は、甲斐以上に簡単に終わりそうになっている。
何せ3万8000で侵攻してるのだ。
対抗出来るわけがない。
今川が動員出来る兵力は1万余り。
がんばっても2万に届くかどうか。
その最大限の努力をしても、3万8000にはならない。
この圧倒的な兵力差に対抗出来るわけがない。
さすがに駿河から撤退。
今川勢は遠江に後退する事になる。
そして芝上もこれ以上の追撃を断念。
兵力に余裕はあるが、攻め込むほどの余力もない。
死傷者も出てるし、部隊の再編もせねばならない。
食料などの物資も追加する必要がある。
進撃するにも余力がなかった。
「無理して攻め込む必要もない」
そこはハルヨシも理解している。
たとえ大兵力をもっていたとしても、限界はある。
「それにだ。
制圧した国の統治もある。
これ以上増えたら、その統治が出来なくなる」
それもまた限界の一つだった。
いくら国力が増大したとて、一度に制圧出来る範囲に限りはある。
その限界があるから、侵攻先を限定している。
多少増加したくらいならどうとでもなるが。
さすがに今回はこれ以上の侵攻は無理だった。
戦って勝つことは出来ても、勝った後に統治が出来ない。
「そこは来年以降にしよう」
今年は無理。
しかし、来年になれば余裕も出て来る。
それが分かってるからハルヨシも無理はしない。
「今年卒業予定の人間を加えれば、余裕も出て来るだろう」
関東と東北の学校の卒業者。
それらを加えれば、あともう少し増員も出来る。
また、これまで働いていた職員をある程度出世させれば、管理職もどうにかなる。
質の方は期待出来ないが。
「ま、無理せずやっていこう」
来年は、遠江・三河・尾張。
可能ならば、伊勢・志摩か能登・加賀・越前も。
あるいは近江か。
その辺りまで攻め込めればと思う。
さすがにそこまで手に入れるのは無理があるとは思うが。
「だが、俺が生きてる間には、京都に到着出来そうだ」
そう思うと少し気が楽になる。
祖父から三代でそこまで行けるのだ。
悪い話ではない。
むしろ、順調な方だろう。
京都から遠い上野国、現代でいう群馬から始まったのだから。
「それがここまで来れるとは」
感無量である。
ハルヨシはさすがに自分の代で京都まで行けるとは思ってない。
せいぜい、領地をあと何カ国分増やす程度で終わると考えている。
それだけでもかなり凄い事ではあるが。
それでもハルヨシは、自分の役目は次の世代に上手く引き継ぐこと。
京都にたどり着けるだろう次世代の地ならしをしていく事。
それが自分の役目と考えていた。
「まあ、やれる事だけやっておこう」
それ以上はやる必要がない。
やろうとしても出来やしない。
無理してやれば、必ず崩壊や滅亡に至る。
そう考えてるからハルヨシは無理はしようとしない。
それでも。
翌年の侵攻に備え、準備を進めていく。
確実に息の根を止めるために。




