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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
5章 芝上の無謀 東日本版

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89回目 侵攻開始 信濃・甲斐 2

 信濃に残った各勢力。

 それを根絶やしにしてから甲斐国境へと軍勢は向かう。

 その数、総数2万。

 甲斐の軍勢を上回る数だ。

 しかし、侵攻はしない。

 確かに甲斐の兵力を上回っている。

 だが、それでも芝上は攻め込もうとしなかった。



「もっと多くの兵を集めてからだ」

 ハルヨシはそう言って軍勢を止める。

「戦えば勝てる。

 それは確かだ。

 だが、勝つだけなのと、その後を見据えるのでは話が違う」

 甲斐で勝っても、その後はどうするのか?

 甲斐の先には駿河がある。

 今川がいる。

 それが攻め込んできたらどうなるのか?



「甲斐を制圧する。

 その後、駿河も狙う。

 だが、兵力が落ちた所を狙われてはかなわん」

 もし今川がその気ならば、甲斐が陥落した瞬間に攻め込んでくるだろう。

 攻め上がって、弱ったところを突く。

 遠江からの軍勢も用いれば兵力は確保出来る。

 その兵力で甲斐を狙う。

 ありえない事ではなかった。



 相手は今川義元である。

 それだけの才覚を持ち合わせている。

 それが黙っているわけがない。

 そうさせないように、甲斐・駿河の国境地帯に2万の軍勢を貼り付けている。

 下手に動けば、これらが黙ってないと見せるために。



 信濃が攻め込まれた時に、甲斐が動かなかったのはこのためだ。

 甲斐の武田氏もバカではない。

 信濃が落ちれば自分達が危ないのは分かっている。

 だから援軍を出すという話もあった。

 しかし、結局叶わなかった。

 目の前に2万の軍勢がいたからだ。

 これらが動き出せばどうなってしまうか。

 考えるのも恐ろしい。



 もちろん、対策は考えられた。

 駿河の今川と手を組み、これを牽制する。

 2万の軍勢は今川に任せ、武田は信濃の応援に駆けつける。

 そういう考えもあった。

 だが、問題になるのは今川の信用・信頼だ。

 彼等は何かあった場合に動いてくれるのか?

 そこに不安があった。



 だから信濃が攻め込まれてる時も甲斐の武田は動けなかった。

 動けていたら戦況は違ったものになるだろう。

 そして、動けなかったから、より不利な状況になってしまっている。

 もし信濃で芝上をある程度止める事が出来ていたら。

 芝上勢をかなり減らす事が出来た。

 例え、信濃陥落が避けられなかったとしても。



 武田と信濃勢が組み合わされば、勝てないまでも負けなかっただろう。

 負けない戦いに徹していれば、芝上は損害を積み重ねただろう。

 最終的に勝ったとしても、芝上の軍勢は大きく数を減らしていただろう。

 そうなっていれば、芝上は兵力回復に時間を使う事になる。

 暫くの平和を得る事は出来た。



 だが、その可能性はもう失われた。

 圧倒的な兵力差のまま、甲斐は芝上と対峙する。

 駿河もだ。

 そこの大名である武田氏と今川氏は、考え得る最悪の状況に陥っていた。



「とはいえ、油断は禁物」

 状況や情勢を整理し、今が有利だと芝上は理解している。

 それでも決して楽観しない。

 これくらいなら大丈夫だろう、という考えなど一切ない。

 そんな考えは捨てている。

 捨てさせている。

 統治者への教育としてそう学んでいる。

 アツヤも常に口にしている。

「そんな事を考えてるから全部駄目になる」



 その場限りの行き当たりばったり。

 考えもなく、ただひたすら突撃する。

 そんな行動しか出来ず、それ以外の行動をさせない。

 頭を使う事もない事業活動。

 ブラック企業のそんな体質の中にいて、その不毛さを嫌と言う程知った。

 だからアツヤは、そんなふざけた行動をしない。



「部活のノリで仕事をしてるようなバカにはさせない」

 努力・気合い・根性。

 ただそれだけの部活などに決してさせない。

 作戦・合理性・精神と根性論の排除。

 それがアツヤが芝上にもたらしたものだ。

「それで俺達は勝ってきた。

 これからも勝ち続ける」

 実績を出してきたやり方だ。

 誰も文句はいえない。



 それでも文句を言えば、霊魂をアツヤに吸収される。

 誇りや矜恃や意地。

 武士道やら正々堂々やら。

 そんな戯言を戦場に持ち込む輩など邪魔なだけだった。



「戦争だ、殺し合いだ。

 正義も卑怯もあるか。

 勝たなくちゃならねえんだ。

 負けたらそれで終わりだ。

 どんな卑怯な手でも使え。

 むしろ、卑怯な手で勝てるならどんどん使え」

 常にそう言い続けている。

 そして、逆らう者を皆殺しにし続けている。

 おかげで芝上の勢力内に、馬鹿げた精神論はない。



 正々堂々や正義が成り立つのは、あくまで平和な中でである。

 相手を騙したり、裏切ったり。

 そういった行為は日常の中では決して許されない。

 殺人・傷害・暴行・窃盗などと並ぶ悪事として裁かれる。

 更にはそのもとになる、騙しや悪口も。

 日常生活の中で、統治領内において、これらは厳しく断罪される。

 特に騙しや悪口は、それだけで首が飛ぶ。

 言った本人だけではない。

 親兄弟から祖父母に孫までも。

 一族全員連座である。



 アツヤは内に対してそれだけ厳しかった。

「そういう事を許せば、社会が崩れる」

 だから社会内でそれらは決して許さない。

 だが、敵に対しては違う。

「これから殺す相手だ、遠慮はしない。

 相手を潰す手段は全部使う」

 その為に最も効果的なのが、社会内部で禁止してる事。

 悪事・犯罪として取り締まってる事である。



 それを遠慮なく使っていく。

 相手を騙す計略から。

 相手を殺す殺人まで。

 何もかも用いていく。

 相手が味方であればやらない。

 だが、敵である。

 日常での禁止事項全てを用いていく。



 相手より多くの人数で圧倒する。

 それも手段の一つだ。

「数で押しつぶす。

 これが最も簡単で単純な方法だ」

 装備に隔絶とした差があるならともかく。

 そうでないならば、数を集めた方が勝つ。

 戦いの基本中の基本だ。

「だから兵力をまずは充実させる。

 その上で進軍をする」



 その軍勢を各地から抽出していく。

 治安維持の為に必要な軍勢を残して。

 そして、甲斐国境に集めていく。

 侵攻の為に。



 特に防衛の必要性を低下させた越後や上野からの増援は大きい。

 甲斐には3万の軍勢が集結する。

 そのうち2万が南下を始める。

 甲斐を制圧するのには十分な数だ。

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