88回目 侵攻開始 信濃・甲斐
越中・美濃に攻め込んだ翌年。
美濃に駐留したままの軍勢のうち、2万が信濃に侵攻開始。
時同じくして、上野・越後からも5000の軍勢が侵攻。
信濃へと向かっていく。
上野・越後からの軍勢は、抑えのため。
信濃からの軍勢が両国に漏れないようにするために派遣される。
もちろん、美濃からの軍勢が到着すれば、それらと合流する手はずになっている。
その後は信濃から南下、甲斐を狙う。
主力である美濃からの軍勢は、そのまま信濃へと向かう。
途中、様々な勢力を潰しながら。
その為、侵攻は遅々としたものになる。
だが、補給や輸送の不安を無くす為にもしなくてはならない作業だった。
そうして信濃に到着し、ここでも敵対勢力を潰していく。
降伏勧告などしない。
求めてるのは徹底的な殲滅だ。
そこに情けや容赦は一切無い。
これまでそうであったように、今回の戦争でも敵は潰えていく。
芝上にとって、それらはただ邪魔なだけだ。
戦争においてだけではない。
今後の統治においてもだ。
信濃勢は次々に粉砕されていく。
彼等が脆弱というわけではない。
2万という大軍を前にしては、いかなる軍略も意味がないだけだ。
どれほど智慧を絞り、武勇をふるってもだ。
圧倒的な数の前にはなすすべがない。
大名ならともかく、各地の領主や国人の繰り出す手勢は、多くても数百。
その数で数十倍の敵と戦うのは無理がある。
そうならないように大名が束ねて指揮を執るのだが。
それにしたって芝上を相手に効果的な行動をとる事が出来ない。
しかも越後・上野方面も警戒せねばならない。
そちらに貼り付いてる各5000の兵力も無視出来ない。
それらが攻め込んできたら、太刀打ち出来ない。
今現在は動きを止めているが。
動き出したらどうにもならない。
そちらへの警戒にも、少なくない兵力を割いている。
それが信濃にとって大きな負担になっていた。
美濃からの芝上勢に対処しなくてはならないのだが。
背後も気にしなくてはならない。
その為に兵力を分散してしまう。
可能であるならば、先に越後・上野方面の敵をまずは撃退する。
それから美濃方面からの敵に対応する。
そうやって敵を各個撃破していきたかった。
だが、その為には信濃全土の勢力を結集せねばならない。
それはそれで無理な話だった。
そうするためには、一時的に放棄せねばならない地域が出てくる。
例えば上野方面を先に対処するとすれば、越後・美濃方面の地域を後回しにする。
その地域を芝上に制圧される可能性が出て来る。
そこを支配してる領主や国人達からすれば面白くない。
そういった事情があって、各方面への対処を余儀なくされてしまう。
兵力分散の愚をおかす羽目になった。
ただ、無理して各勢力を集めても、敵を撃退出来たかどうか。
信濃全土の勢力を集めても1万になるかどうか。
その数では、上野・越後方面の芝上勢を撃退したとしてもだ。
美濃からやってくる軍勢を撃退する事は出来ない。
信濃勢はただすり潰されていくだけだった。
ろくな抵抗も出来ずに。
可能な限りの努力はしている。
しかし、努力が結果や成果に結びつく事もなかった。
無駄とはさすがに言わない。
しかし、どれほど損害を与えようとも意味がない。
国が陥落してしまえば、元も子もないのだ。
この年、信濃陥落。
それを待って越後・上野の境を守っていた軍勢も進軍。
芝上勢は合流して歩を進め、甲斐との境に到着する。
その数、1万。
それ以外の軍勢は、信濃に残った各勢力を潰して回っていた。




