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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
5章 芝上の無謀 東日本版

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86回目 侵攻開始 越中・美濃

「それでは、侵攻を開始する」

 芝上家の当主、ハルヨシは宣言をする。

 それに従い、政府・軍部は動き出す。

 既に準備は出来上がってる。

 あとは命令を待つだけだった。

 その命令が下されたのだ。

 もう留まってる理由は無い。



 命令を受けた軍は即座に行動を開始。

 駅伝方式の騎馬伝令で伝えられた指示に、各軍の指揮官が動き出す。



 雪解けの季節に入り動き出した軍勢は、越後から日本海沿岸を移動。

 越中へと向かい、そのまま南下。

 美濃を勢力に入れようとする。



 また、駿河・甲斐方面には、侵攻に備えて軍勢を動員。

 そこから敵が出て来ないように対処していく。

 この防備に2万の軍勢が動員された。

 それだけで、駿河・甲斐の二国を相手にするのに十分な兵力となる。



 そして越後からの侵攻軍。

 こちらは総勢4万。

 圧倒的な兵力だ。

 まともに対抗出来る者は無い。

 数にまかせるだけでも、一国程度の軍勢を蹴散らす事が出来る。



 そこに最新装備の火縄銃と、研究し尽くされた作戦が加わる。

 実行する兵士も指揮官も、相当の教育を受けた者達だ。

 よほど相手が優れてない限り、負ける事は無い。

 実際、負けるような戦いはほとんどなかった。



 越後から越中に入った軍勢は、あっという間に敵を粉砕していく。

 野戦においては鉄砲で。

 籠城戦では大砲で。

 それぞれ蹴散らされていく。

 それはもう、説明をする必要がない程だ。

 越前侵攻は、一ヶ月とかからず完了。

 敵対勢力は残らず滅亡した。



 なお、越中にいた国人勢力であるが。

 これらもついでとばかりに粉砕されていった。

 寺も同様に処理されていった。

 どうせいずれ潰す予定であった。

 ならば戦争中にやった方が無駄がない。

 そう判断されての事だ。



 美濃も似たようなものだった。

 越中の侵攻に目処がついてから、侵攻軍は一気に南下していった。



 この侵攻もさして難しいものではなかった。

 越中防衛の為に1万を残したが、それでも3万の軍勢が攻め込むのだ。

 美濃の全力をもっても対抗出来るわけがない。

 越中国境近くにある城や砦、国人の館に寺は瞬く間に陥落していった。

 瞬く間に美濃全土は平定された。

 稲葉山城を残して。



 さすがに攻めるのが難しい稲葉山は残ってしまった。

 それを攻めるとなると、相当な苦労もする。

 なので、芝上軍はそれを包囲していく事とした。

 補給路を極力断ち切って。



 それでも多少は城に通じる道は残るのだが。

 それはあえて放置した。

 全部を潰す事は出来ない。

 そこまで手間をかけてられない。

 それにだ。

 かすかな補給路では城にいる者達全員を賄う事は出来ない。

 か細い補給路で届ける事が出来るのは、わずかな物資だけなのだから。



「包囲しておけ。

 それだけでいい。

 あとは、相手が潰れるのを待て」

 芝上ハルヨシは、上野国にある首都からそう指示を出した。

 軍部も同意見である。

 これにより、総勢1万による包囲が始まった。



 包囲の間に、稲葉山城周辺に町が出来上がっていった。

 軍勢の寝泊まりする場所だ。

 もとより美濃の中心地のような場所である。

 制圧後にはそこが拠点となる。

 ならば、先んじてその町作りをしておこうという意図もあった。



 更に制圧した地域の統治も始められていく。

 国境の防衛施設も構築されていった。

 事実上、美濃は既に芝上が手に入れていた。

 ただ、稲葉山城が残ってるだけで。



 大名は残ってる。

 その臣下も。

 しかし、具体的な指示を国に出す事は出来ない。

 全ては城の中で終わっていく。



 時に外に打って出る事はあった。

 だが、全て撃退されてしまう。

 数で勝る軍勢。

 しかも、防備も既にととのっている。

 そんな敵を相手に、城の兵力で勝てるわけもない。



 しかも城の兵力は出撃の度に減る。

 損害を回復出来ないのだから当然だ。



 おまけに、補給も細々としたもの。

 とても城の兵力を維持する事は出来ない。

 だんだんと飢え死にが出ていく。

 補給で賄える数になるまで。

 その数は数百人を賄うのも難しく。

 やがて城にいる者は100人を切るようになった。



 そうなるまでに数ヶ月。

 季節は冬。

 すでに場内の草木も枯れている。

 もとより、それすらも食い尽くしてしまった。

 補給もこの頃にはもう無くなっていた。

 物資を手に入れる手段が無くなっていたからだ。



 美濃からあがってくる年貢。

 それはもう稲葉山には届かない。

 統治者は芝上に代わっていたからだ。

 農民達も大名に持っていかない。

 芝上に年貢をおさめていく。

 そちらの方が年貢率(税率)が低いのだから当然だろう。



 ならば金銭で、となるが。

 その金銭ももう残ってない。

 物資を手に入れる手段はもう消えている。

 あとは槍や刀、弓に鎧を売るくらい。

 家財道具なども既に売り払った以上、それくらいしか残ってなかった。



「ここまでか」

 稲葉山の主はそう呟いた。

 まだギリギリ動いていられる。

 しかし、それも今だけ。

 あともう少ししたら、それすらもままならなくなるだろう。

 そうなる前に決着をつけたかった。

 それが最悪の終わり方だとしても。



「座して死を待つくらいなら」

 そんな言葉を残り少ない家臣にかける。

 家臣も既に腹をくくっていた。

 これ以上はもうどうしようもない。

 ならば、と。

「武士の意地、果たしたく思います」

 このままくたばるくらいなら、と家臣も思っていた。



 そして稲葉山城最後の戦闘がおこなわれる。

 大名とそれに従う者達。

 その数100ほど。

 城に残った者全てが武器を持っている。

 女子供老人の区別なく。



 大名とやる気のある者以外は降伏する。

 その旨を芝上に伝えてはみた。

 しかし芝上は、

「そんなもの拒否する。

 城の者は全員敵兵として処分する」

と返答。

 もとより敵の殲滅を旨としてるアツヤと芝上である。

 降伏を受諾するつもりなど毛頭なかった。



「戦っても死ぬ。

 城に残っても死ぬ。

 ならば、最後は全員で打って出るか」

「それも良うございますな」

 乾いた笑いが稲葉山で最後に響いた。



 そして行われる美濃軍最後の突撃。

 それは火縄銃の銃口で無慈悲に殲滅させられた。



 美濃大名最後の戦闘は、こうして終わった。

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