78回目 東日本制圧
「さて」
東日本を手中におさめた。
そこでアツヤは一端侵攻を止めた。
「こっから先は、また内政をがんばっていこう」
芝上の者達にそう伝えていく。
新たに編入した東北の開発を進めねばならない。
特に寒冷地なので、稲作に不向きな場所もある。
そういった所には、無理して稲作を進めるのではなく、適した作物を植えていく事にする。
もちろん、品種改良や水路などをととのえて、耕作可能地も増やしていく。
しかし、それが成果をあげるまでは、米に拘る必要はない。
そういったこだわりが、問題を発生させかねない。
それに、河川工事も進めたい。
川だらけの地域は、ある程度河川をまとめて、平地を増やしたり。
そうして耕作地や居住地を可能な限り増やしていく。
時間も手間もかかるが、こういった作業も必要になる。
関東でもこういった作業を進めていく。
この時代の利根川はほとんど湾といえるようなものだ。
それらを埋め立てて、現在の形に近い状態にしたかった。
実利的な面もあるが、失業者や浮浪者対策でもある。
仕事がない者達に賃金を与える為。
また、貨幣経済を立て直すためというのもある。
戦乱の時代を反映してか、貨幣の価値が下がっている。
ある意味、極端なインフレ状態だ。
貨幣も全く価値がないわけではないのだが。
取引に応じて貰えない事もある。
米のように食えるわけではないから、この世相だと貨幣の価値はどうしてもさがってしまう。
どうしても物々交換に近い状態になってしまう。
ただ、それでは不便なので、賃金による経済を回復させていく。
その為にも、まず貨幣の支払いをしていかねばならない。
当分は貨幣と米の組み合わせといった形になるだろうが。
それもやがて貨幣だけにしていきたい。
「その為にも国内を安定させないと」
金を払えばものが買える。
それを当たり前にしないといけない。
やらねばならない事は多い。
「それと」
いい加減、ここまで来たら国内だけにかまけてられない。
先を考えれば、ある程度の外交も必要になる。
それをこなしていく。
「手始めに、朝廷からいこうか」
この時代においても、天皇にはそれなりの権威がある。
それを利用しない手はない。
何かに利用出来る可能性はある。
ただ、ツテがない。
成り上がりのつらいところだ。
だが、その程度でへこたれたりはしない。
「無いなら作ればいい」
今までそうしてきた。
これからもそうするだけである。




