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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
5章 芝上の無謀 東日本版

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76回目 東北攻略戦 4

「全滅させる必要はない。

 敵を減らせばそれでいい」

 そう叫びながら次の敵へと向かっていくコウジロウ。

 その指示通り、芝上は敵を全滅させず、次の敵に向かっていく。



 コウジロウ達の目的は、敵の全滅ではない。

 出来るならそうしたいのだが。

 それよりも、確実に敵の数を減らす事。

 それが目的だった。



 全滅させるとなったら、かなりの労力が必要になる。

 だが、数を減らすだけなら、それほどでもない。

 大変なのは変わらないが、必要な労力は少なくて済む。

 そうやって敵の数を削っていく。

 それだけで良い。



 数が減れば、敵の攻撃をしのぐのも難しくない。

 今は全滅させるよりも、戦況を有利にする事が先だ。



 幸い敵はほとんど平地に陣取っている。

 おかげで移動の手間がかからない。

 攻めやすいし守りにくい。

 そんな状態なので、本陣への攻撃はさほど難しくもない。



 もちろん敵も黙ってない。

 迫る芝上勢に対応していく。

 なのだが、動きに統一性がない。

 ある部隊は芝上を迎撃しようとし。

 ある部隊は他の軍勢と合流しようとする。

 全体をまとめる者がいないから、各自がばらばらに動いていく。

 その為、効果的な行動をとれずにいた。



 そのため大半の東北勢が各個撃破の様相をしめしていく。

 芝上に攻め込んでいった者達は特に。

 味方同士で合流すれば、まだ勝ち目もあったが。

 単独で挑めば芝上にかなうわけがない。

 単純に数の差がありすぎる。



 それでも、半分はそれぞれ合流を果たし、芝上に対抗しようとする。

 無傷でのこった東北勢は、およそ7000。

 これは、芝上との戦闘を避けて合流した者達の総数になる。

 それ以外の者達は、芝上と対決して数を減らした。

 中には壊滅して撤退を余儀なくされた者もいる。

 まだ戦場に留まり、同じように損害を出した者達と合流する者もいるが。

 それらはそう多くはない。



 芝上勢もそれなりに損害を受けている。

 現在、9500まで減っている。

 敵に比べれば損害は少ないが、皆無ではない。

 戦場を駆け巡ってるので、息もあがっている。

 体力を考えるとかなり苦しい状態になっている。



 だが、息を整えてる暇もない。

 残った東北勢は、動きを鈍らせてる芝上勢に攻め込んでいく。

 彼らもここが正念場だと分かってるのだろう。

 敵が万全でない今を狙うしかないと。



「構えろ!」

 コウジロウも指示を出す。

 これが外にいる敵との決戦になる。

 そう察して全軍に構えをとらせる。

 火縄銃と石弓は装填をして射撃できるように。

 射撃部隊の前に、槍隊が展開して接近を阻むようにする。

 騎馬隊はいつでも出られるように控えていく。



 そんなコウジロウの軍勢に東北勢が迫っていく。

 背後からは、芝上にやられた者達が集まっている。

 それらも背後から襲いかかるようだ。

「さすがにそのまま撤退ってわけでもないか」

 せめて一太刀やり返すつもりなのだろう。

 その心意気は見事だ。

「面倒だけど……」



 そんなコウジロウの思いとは真逆に、両軍は激突していく。

 弓と石弓から矢が放たれ、火縄銃から鉛玉が飛ぶ。

 槍同士が打ち合っていく。

 騎馬も戦場を動き回り、敵兵を倒していく。

 その動きを見て指揮官が指示を出し、それを伝えに伝令が駆け巡る。



 全体の流れで言えば、芝上の方が有利に動いている。

 遠距離攻撃によって、敵を寄せ付けずに倒すのが効いている。

 しかし、接近されると東北勢が有利になる。

 この10年で芝上勢も接近戦に強くなってきたのだが。

 それでも武士団の強さは芝上を上回るようだった。



 そこに、一度は負けた東北勢が、結集して襲いかかっていく。 

 そちらも無視出来ないので、後方の部隊に対処させていく。

 迫る残存勢力に対して、遠距離から矢玉を撃ち込んでいく。

 それで牽制をするも、敵は確実に距離を縮めてくる。



 それを感じ取り、コウジロウは指示を出す。

「全軍、敵の側面を通り抜けろ」

 伝令が動いて指示を伝えていく。

 コウジロウも傍仕えの部隊を率いて前進していく。

 それにつられるように、周囲の部隊も動いていく。

 そのまま敵の側面、そこをなぞるように移動を開始。

「撃てる奴はどんどん撃っていけ!」

 そんな事を言いながら、自らも弓を引く。

 狙いもろくにつけないままだが、矢を相手に撃ち込んでいった。



 前後からの挟みうちを避ける。

 その為に相手の側面にまわりこむ。

 相手を削りながら。

 弓や火縄銃を持ってるなら射撃をしながら。

 そうでない者達は手にした武器で敵をしのぎながら。

 敵の側面を削りながら、後方へと回っていく。



 東北勢もそれを遮ろうとする。

 しかし、その動きを遠距離攻撃で遮られる。

 何とか接触しても、抵抗する事なく下がられるので、戦闘にならない。

 それでも追いかけていき、軍勢が薄く伸びていく。

 そこに芝上の部隊が突入、隊列を分断していく。

 突出して分断された形の部隊が孤立する。

 そこに芝上の後続部隊が突入する。

 孤立した部隊は、突破してくる部隊によって更に細かく寸断された。

 そして、通り抜けていく芝上の兵に切り倒されていく。



 そうやって東北勢の後方に出る。

 芝上の先頭部隊はそこで反転、東北勢の背後を突く。

 芝上勢は相手の後方に移動、挟み込まれる危機を回避した。



 あらためて東北勢と芝上勢は正面から相対していく。

 東北勢、合わせて1万3000。

 芝上勢、8900。

 東北勢の損耗は大きいが、芝上勢も数を減らしている。

 どちらが有利とも不利ともいえないまま、両者は再び激突していく。

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