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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
4章 芝上の無謀 関八州版

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70回目 消耗戦、春日山攻略

 それから暫くして。

 戦争は終わる気配もなく続いている。

 ただ、戦ってるとも言い難い状況だった。



 長尾勢は攻撃を仕掛けはしてる。

 だが、兵力の差が大きくて有効打を与えられない。

 芝上勢は下手に損害を出したくないので防御にまわっている。

 そんなわけでお互い決定打を与えられないないままになっていた。



 長引いてる戦争の流れが変わったのは、一ヶ月ほどが過ぎてからだろうか。

 思った以上の長期戦になり、長尾側はさすがに蓄えがあやしくなった。

 また、あまりにも長く農民を徴用してるわけにもいかない。

 田畑に戻さないと、ただでさえ少ない収穫が減る。



 おまけに今年は、ここ何年かでは珍しく気候が良い。

 豊作の可能性を感じさせるほどに。

 それもあって、農民からの突き上げもあった。

 長尾勢の指導層もそれは考えている。

「仕方ない」

 こうして農民達を召し放った。



 兵力は減った。

 だが、少なくなった糧食をもう少し食いつないでいけるようになった。



 そうしてるうちに芝上勢は増援を送り込んでいった。

 それらは越後入りして、あちこちに攻撃をしかけていく。

 その動きはまとまりがなく、作戦行動とは思えないものがあった。

 しかし、数が減った長尾勢はそれらに振り回される。

 戦えば勝てるのだが、広範囲に分散してるので対処が面倒だった。



 だが、田畑を荒らされるわけにはいかない。

 農民も傷つけるわけにはいかない。

 今年は例年になく天気が良い。

 久々に満足のいく収穫を得られるかもしれないのだ。

 その機会を潰すわけにはいかない。



 戦えば勝てる。

 大きくても数十人単位で行動してる芝上勢だ。

 100から200の手勢を出せば片付ける事が出来る。

 多少の損害は出るが、大きなものではない。

 兵力が減ってる長尾勢には、それすらも大きな損害にはなるが。



 だが、そうして動き回っていると、芝上勢に捕まる事もある。

 数十人程度で暴れ回ってた者達を倒した帰り。

 その道をふさぐようにあらわれる数百人規模の芝上勢。

 それに囲まれ、蹴散らされ、倒されていく。

 どうにか生き残る事もあれば、全滅する事もある。

 長尾勢はこうして、予想外の損害を受けていく。



 そうするうちに更に一ヶ月が経過する。

 既に長尾勢の戦力は、3000程に落ち込んでいた。

 食料も残り少なくなっている。

 場所によっては、食料の備蓄が完全に無くなったところもある。

 こうなるとさすがに戦うどころではない。



 芝上勢はそれを待っていたかのように攻撃を開始していく。

 食事もろくにとれず、体力の落ちた長尾勢には酷な仕打ちだ。

 それでも踏ん張る者もいるにはいた。

 だが、多勢に無勢。

 城を枕に討ち死にずる者もいれば。

 かろうじて脱出して味方に合流する者もいる。



 だが、脱出したとて味方に合流できるかどうか。

 途中で芝上勢に倒される者もいる。

 道に迷う者もいる。

 これ以上は無理だと脱走する者もいる。

 それでもどうにか生き残って味方に合流しても、先があるわけではない。



 最終的に春日山に立てこもった長尾勢は2000ほど。

 対して芝上勢は1万2000の軍勢がほとんど残っている。

 輸送・補給部隊の6000も同じだ。

 それらが春日山に向かっていく。



 越後に入った当初の戦闘で戦力外になった者はいる。

 しかし、本隊にそれ以上の損害はない。

 戦場で散ったのは、後にやってきた増援である。

 それらは越後内のあちこちに飛ばされ、そこで越後勢に倒されていった。



 そうして送り込まれた者達のほとんどが傭兵である。

 この時代の日本には、こういう仕事に従事する者達もいた。

 また、意外な事に芝上に潰された武家や国人の残党も少数だが混じっていた。

 憎い敵ではあるが、背に腹は代えられないといった者達だ。

 それらが越後の戦争に投入されていく。



 こういった者達を集める資金は、越後から得ていた。

 その出所は、彼らに売り払った兵糧の代金である。

 売りに出向いた商人は、芝上の息のかかった者達だ。

 それらに食料を売却させ、手にした代金を傭兵に費やした。



 食料を与えることで、長尾勢の活動期間は延びてしまう。

 だが、手にした金で雇った傭兵をぶつける事で、損害を抑える事が出来る。

 どのみち減っていくのが食料だ。

 ならば、もう少し有効活用する事にした。



 もちろん、傭兵を危険な場所に放り込むわけにはいかない。

 やる気のある者も中にはいるが、大半の傭兵はそこまで殊勝ではない。

 勝ち目があるならともかく、負けそうになればさっさとずらかる。

 そうして生き残ってきた者達が多い。

 でなければ、とっくにどこかで死んでいる。

 一部の剛の者を除けば、逃げ足の速い者が多かったりする。



 それも見込んで、芝上は傭兵を越後内のあちこちに放り出した。

 上手くいけば、戦闘をしないで済む。

 そのくせ、あちこちで略奪し放題。

 こんな美味い話はないと、傭兵はよろこんで越後内に散っていった。



 実際、上手く逃げ延びた者もいる。

 だが、半分くらいは越後勢に捕まり、切り捨てられていった。

 そうして出て来た越後勢を、芝上勢が倒していく。



 おかげで芝上勢はそれほど損害を出さず、戦力を保つ事が出来た。

 失ったのは、傭兵。

 しかも元武家や国人などが多い。

 潜在的な脅威になりうるそれらを処分する事が出来て、一石二鳥だ。



 そうして戦力差が極度に開いたところで、総攻撃となった。

 春日山に集結した芝上勢が攻め込んでいく。

 大砲が城門を壊し、焙烙玉が兵士を吹き飛ばす。

 芝上勢は優勢のまま春日山を攻略していく。

 とはいえ、さすがに損害は出ている。

 残った長尾勢も抵抗している。

 既に何日か食事もしてない状態なのに。

 それでも彼らは必死になって戦った。

 城が陥落するまで。



 越後に攻め込んで三ヶ月後。

 春日山が落城。

 田畑に実りの時期が来る頃、戦争は終わった。

 何年ぶりかの好天。

 それをもたらしたアツヤによる豊作。

 それは無事に芝上のものとなっていった。


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