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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
4章 芝上の無謀 関八州版

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69回目 越後入り、決定打のない戦い

 長尾戦が始まる。

 雪解けを待ち軍勢が出陣する。

 純然たる戦闘要員は1万2000。

 輸送・補給部隊が6000。

 いつもより補給部隊が多くなっている。

 越後までの距離を考えてのものだ。



 その軍勢が越後へと向かっていく。

 迎撃する長尾勢にとって、これは大きな脅威だった。

 ご多分に漏れず、越後も天候が荒れて収穫が減っている。

 その為、動員出来る兵力も少ない。



 ただ、史実と違って国人らとの対立はさほどない。

 これは関係が良くなったというよりは、芝上という脅威があった事が大きい。

 武士を文字通り殲滅していってる事は彼らの耳にも入っている。

 そんな連中が攻め込んでくるとなれば、嫌でも団結せざるえない。

 まとまる事が出来ずに呆気なく倒された常陸の事も聞いている。

 国内で分裂してる場合ではなかった。



 そうして集まった上杉勢7000。

 少なくはないが、多いともいえない。

 それでも無理してかき集めた軍勢だった。

 その中には、芝上に倒された武家や国人の残党もいた。

 そうして憎い敵を共有する者達が集まっていた。



 ただ、収穫の低下により備蓄が少ない。

 長期間の軍事行動は不可能だ。

 可能な限り短期間で戦争を終えねばならない。

 それが長尾勢の泣き所である。



 それもあって芝上勢に果敢に立ち向かっていく。

 なるべく早く戦争を終わらせるために。

 長期戦をやる余裕はないのだ。

 初手で可能な限り大きな損害を敵に与える必要があった。



 それは芝上勢も読み取っている。

 相手に余裕がない事を。

 なので積極的に攻め込む事は無い。

 粘れば粘るほど相手が不利になっていくのが分かっているからだ。

 損害を極力出さない方向で動いていく。



 なので、撤退も好きにさせる。

 籠城も好きなだけやらせる。

 相手の食料が減っていくのを待つ。

 そして、越後内に噂を流していく。



「芝上は、長尾の5割増しの給料を出す」

 単純な話だ。

 しかし、効果的だ。

 困窮してる国人らはそれに乗っかっていく。

 末端の雇われ兵士もだ。

 特に農民などから徴用された者達には効果がある。



 減っていく食料に危機感を持ってる者は多い。

 もとより、誰も彼もが貧しくなってるのだ。

 大きな稼ぎが出たら、そちらに向かう者も出て来る。

 まして一族郎党を抱えてる者ならば。



 忠誠、などという幻想などない。

 そんなものがあるなら、下克上なんてものは発生しない。

 戦国時代におこった数々の離反や離脱など存在しない。

 どんな事があろうと忠誠を尽くすなんて幻想でしかない。



 そもそもとして、忠誠とは御恩と奉公の関係が基本だ。

 奉公は御恩があるからだ。

 その御恩がなければ奉公なんぞありえない。

 お互い持ちつ持たれつの関係が基本にある。



 世知辛い言い方をすれば、金の切れ目が縁の切れ目だ。

 何も間違った事ではない。

 得るものがないのに尽くす必要はないのだ。



 もちろん、信用や信頼といったものはある。

 すぐ裏切るような者など誰が信じるだろうか。

 上司としても部下としても、そんな人間など誰も信じない。

 縁を切ろうとするだろう。

 いつ裏切るか分からない人間と、どうして一緒に仕事が出来るのか?



 それでもだ。

 大切なものがあるなら、それを優先するのが人間だ。

 それが大きければ大きいほど、なりふり構わなくなる。

 養うものがあるなら、報酬の大きな方へと向かう。



 長尾勢からの離脱者も出てきた。

 そう大きなものではないが、戦わずして長尾勢は数を減らした。

 戦力としては心許ない。

 しかし、それでも損ばかりではない。

 人数が減れば、その分報酬をおさえる事が出来る。

 何より、糧食を減らす必要がなくなる。

 長尾勢はこれで、いくらか長くたえることが出来るようになった。



 それでも必要な量には足りない。

 しかし、それでも長尾勢にはありがたいものだった。

 そんな長尾勢に更にわずかばかりの天佑がやってくる。



「食料、多少は融通しましょう」

 商人が訪れた。

 食料を売りに。

 長尾はそれを購入した。

 相場より幾らか割高だが贅沢は言えない。

 むしろ、足下を見てるにしては安いほうだった。

 二倍三倍とふっかけられてるわけではないのだから。



 何はともあれ、兵糧を手にいれた。

 長尾勢はこれでもう少しは持ちこたえる事が出来る。

 戦争は今少し続く様相を見せた。

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