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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
4章 芝上の無謀 関八州版

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68回目 思えば長いときが流れたもので

「そんなわけで、長尾を倒す」

 決定事項として芝上の者達に伝えていく。

 現在の当主であるソウイチロウは、

「まあ、元々そのつもりでしたから」

と答える。

 それでも、多少何か言いたそうではあったが。



「あとは、領内の体制をととのえていこう。

 さすがにこれ以上は色々と無理がきてる」

「そうですね。

 いい加減、戦争ではなく領内の方に目を向けたいですし」

 お互い、戦争の先の事も口にしていく。



 いい加減、そちらも本格的に手をつけねばならなくなっている。

 騙し騙し統治はしてきたが。

 その為の機構がもう限界だ。

 なにせ、人が完全に育ってないのだから。

 まともに運営しようにも、それが難しい。

 今までよく保ってきたものだと驚くしかない。



 しかも急激な領土拡大をしている。

 それに合わせた統治機構の構築は困難どころではない。

 無理や無謀をはるかに越えている。

 いい加減、そちらに専念したいところだった。

 今までは戦争でそれどころではなかったが。



「長尾が終わったら、もう戦争は当分無しでいいですよね」

「もちろんだ。

 今まで無理したから、少しは楽をしよう」

「いや、全然楽にはならないかと」

「それは言わないでくれ」

 そのことはアツヤも分かっている。

 戦争をしないというだけで、やるべき事は山積みなのは分かっている。

「神様にも頑張ってもらいますから」

「はいはい……」

 色々と前途多難だ。



「ですが、それも仕方ないかと」

 ソウイチロウとのやりとりを愚痴りにきたチヨマツにも同じ事を言われる。

「もともと小さな村から始まったことですし。

 そんな我らが国を切り盛りするというのが、どだい無茶な話です」

「そりゃそうだけどさ」

「そこまで我らを引っ張ってきたのですから、最後まで面倒みてください」

「そりゃまあ、そのつもりだが」

「なら問題はありません。

 頑張ってください。

 お祈りは欠かしませんから」

「…………」

 いいようにあしらわれていくアツヤ。

 だが、断るつもりもないので、望みを受け入れていく。



「ただ、それまで俺が生きていられるか分からんですが」

 少し寂しそうにチヨマツが微笑む。

「まあ、人生50年を上回って生きた。

 だから、あまり悔いは無いですが」

「そっか」

 そろそろそういう時期になってきている。



 人間50年。

 寿命がそれくらいの時代だ。

 それを超えたチヨマツは、もうお迎えがきてもおかしくはない。

 むしろ、今の今までよくぞ生きたというべきか。

 生活水準が庶民よりは良いとはいえだ。

 この時代ではかなりの長寿である。



「まあ、こっちに来る前に、長尾を倒しておこうや」

「また、無茶な事を……」

「でも、そうすりゃ、攻め込んできた連中は消える。

 表だってやりあうような奴はいなくなる」

「だといいんですが」

 そう上手くいくかな、とチヨマツは思った。

 思ったが、それ以上は口にしなかった。

 どれだけ気にしても、携われる問題ではないと分かっている。



「そこも含めて、お願いしますよ、色々と」

「やれるだけやるよ」

 チヨマツの頼みに、アツヤはうなづく。

「俺も他人事じゃないからな」

「なら安心ですな」

 笑ってそういうと、チヨマツは大きく息を吐く。

「これで死ぬ前の心配がやわらぎましたよ」



 しわの増えた老体を丸くしながら目を閉じる。

 老いを感じさせるその姿に、アツヤは言葉もない。

 付き合いの長さを感じさせる。

(あのガキがねえ……)

 ここまで生きてきたのだ。

 それを感じさせた。



「それならそれでいいけど。

 でも、もうちょっと頑張れ。

 そうすりゃ、もうちょっとは面白いものも見れるかもしれないから」

「なら、それを楽しみにしましょう」

 言いながら二人は声をあげて笑った。

 特に何が楽しいというわけではない。

 だが、あえて笑い声をあげた。

 少しでも気分を良くするために。

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