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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
4章 芝上の無謀 関八州版

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56回目 相模・伊豆侵攻 6

 韮山の陥落。

 それは北条側の組織だった行動の消滅につながっていく。

 なんだかんだで北条の拠点だったのだ。

 それが消えれば、まともな行動はとれなくなる。



 それでも早雲は軍勢をまとめて動いていく。

 芝上の軍勢に攻撃を仕掛け、補給戦を断ち切ろうとする。

 ある程度効果も出していく。

 早雲は優れた指揮官だ。

 戦えば誰も勝てない。

 芝上の指揮官では早雲には勝てない。



 しかし、他の面での差がどんどん出ていく。

 補給がない、食料のない北条勢は時間と共に衰えていく。

 対して芝上は食料も休息もとって兵力の維持に努めている。

 失った兵力も、訓練が完了した者を補充する事で回復していく。



 それは指揮官の質ではどうしても覆せない部分だった。

 国そのものの強さによる所になる。

 土台となる国力がそもそも違うのは確かだが。

 その国力をどう使うかという所でも大きな差が出てきていた。



 そもそも戦場となり国としての機能を伊豆は著しく落としている。

 そんな状態で北条にまともな戦争が出来るわけがない。

 これは北条勢の能力云々ではない。

 しっかりとした後方支援を失った故だ。

 同じ状況になれば、誰だって北条のようになる。



 むしろ、北条はよく軍勢を保ってるほうだ。

 主要拠点を失い、伊豆の中にも敵が侵攻してきている。

 負けるのは確定となっている。

 それでもまだ軍を率いて動いている。

 それも芝上にとって痛いところを突いてくる。

 さすがとしか言いようが無い。



「これが味方であれば」

 コウジロウの嘆きもむべなるかな。

 北条早雲が味方であれば、これほど頼れる者はない。

 それが敵であるというのが最悪の悲劇である。

 戦場にて対決してるコウジロウはそれを痛感する。



 指揮官としての能力は圧倒的に早雲に劣る。

 その事をコウジロウはいやというほど感じていた。

 戦ったら決して勝てないと。

 だから戦闘は極力控えていった。

 もちろん、襲い掛かってきたら撃退するしかないが。

 そういった場合でも、必ず勝てるように考えていった。



 可能な限り相手より多い数を保った。

 出来る限り、防御のかたい場所にこもった。

 直接的な戦闘で兵を減らすことの無いように気をつけた。

 そうしながら、相手が兵糧を失って衰退するのを待った。

 指揮能力では勝てない。

 だからそれ以外の部分で勝とうとした。



 それはある程度成功した。

 襲撃のたびに北条勢が衰えてるのを感じた。

 兵力も、勢いもなくなっている。

 数も減っているように思えた。

「これが擬態でなければ、勝負はそろそろつくだろう」

 油断はしないが、コウジロウはそう考えていた。



 勢いがないのは、体力を保つことが出来なくなってるからだろう。

 数が減ってるのは、脱走者が増えてるからかもしれない。

 あるいは、まともに動けるものがいなくなったのか。

 どちらにせよ、北条はかなり落ち込んできている。



「このまま、攻め続ける。

 北条を伊豆から追い出す」

 出来るならここで倒しておきたい。

 しかし、それが出来ないなら、せめてこの場から追い出す。

 そうなれば、危険はかなり減る。

 ついでに兵力もかのうな限りそぎ落とす。

「ただ、相手の大将を倒す必要は無い。

 見つけた敵を確実に潰していけ。

 それだけでいい」



 この時点での目的は、敵を全滅させることではない。

 相手の勢力をそぎ落とし、回復に時間がかかるようにする事。

 それが出来れば良かった。

 完全な勝利などもとより望むべくもないのだから。

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