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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
4章 芝上の無謀 関八州版

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40回目 合戦がしたいなら武士にやらせておけばいい

 戦争とは軍隊と軍隊が戦う事である。

 基本的にはそういうものだ。

 民衆を巻き込む事は極力避ける。

 そうであるべきだろう。



 だが、そんなものが守られた事などほとんどない。

 よほど規律が厳しく守られてるのでもない限り。

 そしてそんなもの、戦乱の世の中になどほとんど存在しない。



 だいたいにおいて、戦法として民衆を狙うのなんて当たり前である。

 相手の弱いところを潰して弱めていく。

 民衆など、その最たる者だ。

 これを潰せば、相手の生産力は落ちる。

 特段珍しくもない。



 そしてこんな事するのは昔だけ。

 近代や現代はそんな事しないと思うかもしれないが。

 東京大空襲を始めとした市街地への爆撃。

 広島・長崎への原爆投下。

 こういった民間への攻撃など、現代に比較的近い時期でもやっている。

 戦争が軍隊同士のものだというのは、幻想と考えた方が無難だ。



 そんな攻撃を遠慮無くやっていく。

 それも、ほぼ無尽蔵に集まってくる者達を使って。

 上野・武蔵で合計100万人近い人口がいる。

 その中から、部屋住み扱いの三男坊以下がこぞって集まる。

 折角の稼ぎ時と聞いて。

 それだけで何万という人数が集まる。

 これが続々と敵地に踏み込んでいくのだ。

 やられた方はたまらない。



「ぎゃあああああああああ!」

 悲鳴があちこちで起こる。

 阿鼻叫喚の地獄絵図が展開される。

 国境近くの村や町から始まり。

 小規模な城や砦も襲われていく。



 それを察知して軍勢も動いていく。

 さすがに領内を荒らされれば相応の対処はしていく。

 別に領民をいたわるとか慈しむというわけでなくても。

 大事な収入源で労働力ではあるのだ。

 大事に使って一生もたせた方が良いに決まってる。



 それを潰されてしまっては困る。

 今後の食い扶持の確保が出来なくなる。

 その為、領内を荒らす者を放置は出来ない。



 敵地に向かわせていた軍勢を国内に戻す事になる。

 何せ、敵が多い。

 あちこちの村や町が襲われ、城や砦すら攻め込まれている。

 そして、様々な物が奪われていく。

 食料に金品に農具に工具。

 農作業用の牛や馬も。

 果ては女も奪われていく。

 もうメチャクチャだ。



 その威力は絶大で、攻め込まれた相模は大きな痛手を受ける事になった。

 また、取り締まりにあたった者達だが。

 少数で動いてる連中はどうにか制圧する事も出来るのだが。

 一定以上の数で動いてる者達はそうもいかない。



 そして。

 中には厄介な者達もいる。

 正面切っては戦わず。

 逃走や潜伏を駆使して姿を消し。

 それでいて、ある時にまとまってあらわれて攻撃を仕掛けてくる。

 そんな連中相手だから、対処がどうしても後手後手になってしまう。

「くそっ!」

 相模の者達は苛立ちを募らせていく。



「よしよし」

 最前線で指揮を執るコウジロウは、伝わってくる報告を聞いて笑みを浮かべる。

 彼は現在敵地にて全体の指揮をとっている。

 とはいっても、事細かく指示を出してるわけではない。

 あちこちから集まってくる敵の動き。

 それを聞いて、相模に突入した者達に情報を伝えてるだけだ。

『こっちの方面は敵がいる』

『こっちの方面にも敵はいるけど、数は少ない』

 こういった情報を流して、あとは各自に好きなように動いてもらっている。



 こうやって、大雑把に軍勢を動かしている。

 指示や指揮というのもおこがましい程だ。

 また、全員がてんでバラバラに動いてるので、情報が伝わりきらない。

 どうしても送受信が上手くいかない。

 しかし、それは気にしない事にしている。



 損害は確かに大きい。

 しかし、それで困るわけでもない。

 目的は敵の攪乱と、敵の後方が少しでも混乱・壊滅する事。

 それによって収穫が減り、行動に制限が加わる事。

 そうなってくれればそれで良かった。



 その為に損害が大きくなってもだ。

 だとしてそれが芝上にとって痛手になるというほどでもない。

 人口の余剰分を投入している。

 生産などに大きな影響が出る事は無い。

 もちろん、生きていてくれるにこした事は無いが。

 死んでも即座に悪影響が出るわけではない。

 そういう人間を集めて動かしているのだ。



 だが、それでも損害や損失は少なくなるようには工夫している。

 生きて暴れ回ってくれた方が、より長く、より大きな損害を敵に与える事が出来る。

 死体は動く事もなく、敵に損害を与えてはくれないのだから。

 ゾンビにでもなれば別だが、さすがにそんな事をやる方法はない。



 それに生きていてくれた方が助かる。

 ここで経験を積めば、新兵ではなくなる。

 戦場において役立つ兵隊になってくれる。

 そういう人間を少しでも確保する為にも、下手に死んでもらっては困る。



 そうして相模を荒らし、伊豆へと向かう。

 とにかく時間をかけて嫌がらせをしていく。

 攻め込む余裕が無くなるくらいに。



 攻め込めた敵も、徐々に衰退していく。

 後方を荒らされてしまえば、補給が滞る。

 コウジロウもなるべく敵の輸送路・補給線を狙って攻撃を仕掛ける。

 そうすれば、敵の物資を奪い、襲撃に参加した者達に分ける事も出来る。

 ボーナスを敵が運んできてくれるのだ。

 狙わないわけにはいかない。



 そんなこんなで相模・伊豆方面からの敵は徐々に衰退し。

 最後に引き上げてきた強奪・略奪組の者達に背後を突かれ。

 前線で粘っていた者達との挟み撃ちにあって壊滅した。



 これで包囲網を形成していたうちの一方が消えた。

 残るは長尾・宇都宮である。

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