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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
4章 芝上の無謀 関八州版

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37回目 民の心はつかんではいるが、統治が追いつかない

「さて、どうしたもんですかね」

 統治体制・統治機構の整備。

 それに忙殺されるソウイチロウは、誰もいない部屋で愚痴る。

 もちろん、本当に一人というわけではない。

 他の者には見えないアツヤがそこにいる。

「このまま進めるしかないだろう。

 体制は少しずつ出来上がってるし」

「それはそうなんですけどね」

 分かってはいるが、ソウイチロウはため息を漏らす。



 前途多難である。

 上野・武蔵という二つの国を支配してるとは言うが。

 実質的には上野の半分にようやく到達したところ。

 その他は、アツヤという不可解きわまりない存在によって締め上げてるのが現状だ。

 とてもまともな統治など期待出来ない。



 幸い、反乱の危険性は少ない。

 呪い殺される事を恐れてる為に、バカな行動はしない。

 やはり、恐怖という抑止は必要不可欠なようだ。

 これが働かなくなった時が怖いとソウイチロウは思うが。



 もっとも、それだけで治めてるわけではない。

 少しずつであるが、民心も落ち着き始めている。

 新たな支配者である芝上家に従い始めている。

 これは芝上家が様々な手法を広めてるのが大きい。

 ソウイチロウを始めとする芝上は、農法などを統治下に積極的にひろめていた。



 その為に、まずは芝上直轄地とした根拠地の集落。

 ここでの成果を外に示した。

 そして、その周辺地域。

 最初に制圧したこの地域に、積極的に新たな方法をひろめていった。

 もちろん、いっきに全部変えようとしても賛同者はいない。

 なので、まずは集落の見学という形で初めていった。



 見ると聞くでは大違い。

 百聞は一見にしかず。

 その言葉通りに、まずは成果を見せる事から始めた。

 その効果は絶大だった。

 見学として連れて来られた者達は、芝上統治下の田畑の実りに驚いた。

 それを見て、真似をしたいという者があらわれた。

 それらに芝上家は、惜しみなくやり方を伝えていった。



 こうして新しいやり方を見て村に戻り。

 派遣された指導員からやり方を学びながら自分の田畑で実践し。

 その結果を同じ村の者達が目にする。

 そしてやり方を他の者も真似していく。



 長い時間がかかる方法だ。

 真似をした者の成果を見えるまで一年はかかる。

 そこから村の者達がやり方をまねるまで更に一年。

 合わせて二年が最低でも必要になる。

 しかし、不承不承ながら嫌々やるのと。

 納得して喜んでやるのとでは意味が違う。

 成果が出ると分かっていれば、誰でもやり始める。

 必要なのは、確実に上手くいくという安心感だ。



 その安心感によって収穫を増大させる。

 その方法を惜しげもなく提示する。

 そんな芝上家を多くの者達が受け入れ初めている。



 更に言えば、収穫の増大だけではない。

 米以外の農作物の拡大。

 鉄製品の製造など。

 それを土台とした様々な工業。

 衛生向上による疾病率・死亡率の低さ。

 ととのった水路などによる利便性。

 向上した収穫によって得られた余裕で、読み書き・計算などの学習する機会の増大。

 これらは多くの村にとって、大きな魅力だった。



「これを各地域で行っていく」

 見学にきた者達に、芝上家はそう伝えていく。

「今すぐに、といはさすがにいかん。

 やるべき事もある。

 だが、ここで行った事を全ての村や町にひろげていくつもりだ。

 そうして、国を豊かにする」

 この言葉に、多くの者が逆らう気力を捨てた。

 従った方が得だと分かったからだ。



 実際、芝上家は特に制限をかける事なく、様々な手法を伝えていった。

 やり方を知ってる者の数が限られてるので、伝えきれない場所もあるが。

 それでも成果を聞いて見学に来る者も増えている。

 その対応と、やり方の伝授に忙しくなっている。

 大変だが、ありがたい事だ。



 その他にも、河川工事なども企画されている。

 増えた収穫を投じて、堤防などを建設。

 水害を大きく抑えるつもりでいる。

 まだそこまで出来る余裕がないので、企画段階で止まってるが。

 しかし、氾濫地域の調査や、小規模な工事などは行っている。

 これらはやがてくる大きな工事の予行練習でもある。

 そして、堤防作りの研究も兼ねている。



 更に河川に橋を架ける事も考えている。

 小さな川ならば、簡単にわたれるように。

 加えて、主要街道の設置も行いはじめている。

 馬車が二台すれ違えるくらいの幅の。

 今後を考えてのものだ。

 いずれ交通は大きく増える。

 それを見越している。

 特に上野・武蔵の主要都市をつなぐ幹線道路は完成を急ぎたいところだった。



 こうした施策を行うにあたり、大きな雇用を作り出している。

 今の所は土木・建築が主体だが。

 それに付随して多くの産業が派生している。

 作業をするのに工具は必要になるし。

 食事を用意する者も必要になる。

 その他にも日用品などは幾らでも必要になる。

 そういった波及効果が国内を少しずつ豊かにしていった。



「それは良いんですがね」

 ソウイチロウはそれでもため息を吐く。

 確かに良い傾向になっている。

 民心は芝上に従うようになっている。

 だが、

「組織がそれに追いついてないんですよね」

 これが問題だった。



 国自体は豊かになっていっている。

 だが、それを統治する機構が出来上がってない。

 それが現在最大の問題だった。

 内側においては。



「それと」

「おう」

「国の外もどうしたもんだか」

「そうだよな」

 問題は中にだけあるのではない。

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