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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
4章 芝上の無謀 関八州版

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35回目 代理人という形の世代交代

「さすがに、色々と無理がきてますからな」

「しょうがないね」

 チヨマツの言葉にアツヤも頷くしかない。

 年齢的に考えれば、そろそろ一線を退く頃合いだ。

「まあ、名目上は当主で居続ける事になるけど」

「そういう取り決めですからな」



 当主の交代。

 避けられない事だ。

 なので、やり方そのものは既に決めてある。

 こういった継承についてはとかく問題がまとわりつくからだ。



 その中でも最も面倒なのが、当主が存命の場合。

 役職をおりても、これまでの臣下が前任者に話を聞きに行く事がある。

 こうした事で決定権が分裂して問題になる事は多々ある。

 これを避ける為に、アツヤとチヨマツはやり方を考えていた。

 それが、権限の委譲になる。



 どうせ交代したら問題が出るのだ。

 だったら、交代せずに権限を移す形にする。

 どうせ解決しないなら、いっそ開きなおる事にした。

 もっとも、チヨマツは政治に口を出すつもりは一切無い。

 そんな事をしても、無駄にもめるだけ。

 それが分かるだけの能力はある。



 なので、権限を委譲した代理人。

 これに全てを任せる事にした。

 話を持ってきても、代理人を通せで終わらせる。

 それでも何か言ってきたら、話を全て代理人に持っていく。



 そうした事に文句を言う。

 あるいは、代理人におきまりのセリフ、

「当主はそうはしなかった」

といった事を言うならば、即座に処罰する。

「当主である自分の代理人に逆らうなら、当主権限で処罰する」と。

 脅しでも何でもなく、そうするつもりだった。

 こうでもしないとまとまらなくなる。



 色々考えたが、こういう形にする事にした。

 下手に譲位やら交代などをしても、問題が出て来るのだから。

 ならば、そんな事しないでおこうという事になった。

 問題が無くならないなら、無くす事を考えないでおく。

 それよりも、今の状態で妥当な方法を考える。

 その方が、おそらく問題も少ないだろうと考えて。



「まあ、もうしばらくは頑張ってくれ」

「お飾りで席に座ってるだけですけどね」

「それでもかまわないよ。

 何もしないのも仕事のうちだ」

「それもどうなんですかねえ」

 チヨマツは笑うしかなかった。



 こうして国の実権はチヨマツから長男のソウイチロウにうつっていった。

 芝上は新たな時代に入っていく。

 とはいえ、決して良好な状態ではない。

 体制はまだまだ構築中で、決して完成はしていない。

 アツヤの力で無理矢理まとめあげてるが。

 そんなものが必要のない体制にしたい所である。



「でも、これで俺はお役御免ですね」

「そうはいかんよ」

「でも、実権は息子に譲りますし。

 少しはのんびりします」

「出来ればそうさせてやりたいけど、どうなるかな」

 実際には、まだまだあちこちに顔を出してもらう事になる。

 お飾りになったとはいえ、当主なのだ。

 公式の場には出席する事になる。



 また、これが初の代替わりだ。

 その為に色々な問題も出て来るだろう。

 その洗い出しと対策を考えねばならない。

 チヨマツにもその解決策を出してもらう事になる。

「頑張ってくれ、まだもう少しは」

「それはまあ、やるしかないですね」



 なにはともあれ、当主の実権がうつっていく。

 この時、芝上チヨマツ、48歳。

 まだ元気なうちにと、実権を息子に譲る。

 芝上家の新しい時代が始まっていった。


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