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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
4章 芝上の無謀 関八州版

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33/121

33回目 無茶に無理を重ねて、上野・武蔵をとる

 収穫時期を目前に控えた頃。

 上野の国主はチヨマツの軍勢に囲まれていた。

 彼らが見た事もないような巨大な軍勢である。

 どこからこんなに集まったのかと思うほどだ。

 そうした軍勢に取り囲まれて。

 国主は最後の時を迎えた。



 こうしてチヨマツは上野国を手に入れた。

 とにかく急いだ。

 手段を選んでいられなかった。

 やれる事は全てやった。

 成功する確率など、ほとんど無いと思っていたが。

 それでも、座して死を待つよりはと考えて動いた。

 おかげで、数ヶ月という時間で国を一つ手に入れる事に成功した。



 もちろん、これで終わる事は無く。

 上野国を手に入れてそのまま南下。

 今度は武蔵国を手に入れる為に動いていく。

 やり方は変わらない。

 無理をしてでも人を集め、攻め込みやすい小さな城や館、砦を襲撃する。

 そうして倉から物資を奪っていく。



 この時、今までとは違い、収穫後という事もあって、かなりの物資が手に入った。

 そして、今までと違い、周辺の村や町に次のような事を触れ回っていった。

「俺達が米や物をとったから、多分、追加の徴収が来ると思う」

 そのことに村や町の者は仰天した。

「それが嫌なら、倉の物をもってこっちに逃げてきな」

 その提案に、多くの者がのった。

 そんな彼らに、千代松達は荷車や荷馬車を貸し出していった。

 これらは生産を続けていたので、かなりの数になっている。

 それでも、逃げ出す者達全員に行き渡らせるには少々足りなかった。



 そしてチヨマツ達の言った通り、統治者の手勢が追加徴収にやってきた。

 すぐに逃げ出した者達は助かったのだが。

 居残った者や逃げ遅れた者は捕まってしまった。

 それを見た者達が、自分が見聞きした事を他の者に伝えていく。



 えてしてこういうのは様々な飾り付けがなされるもの。

 装飾され、尾ひれ胸びれをはやして噂は泳ぎ出す。

 それは稚魚からはじまり大きくなり、出世魚よろしく大きな変化をしていった。

 最終的には、

「大人しく従う者達をよってたかって痛め付け、更に身ぐるみ剥いでいった」

「村は焼き尽くされ、あとには何も残らない」

「捕まった者達は、逆らった者がどうなるか、という事で見せしめに殺された」

といったものになっていく。

 なお、実際にこんな事は起こってない。

 全て話を聞いた者達がおもしろおかしく脚色した結果である。



 それを見越して、チヨマツは人々を煽っていく。

「こういうやり方をしてる奴らを許せるか?

 このままにしておいていいのか?

 こういった連中を倒し、共に戦おう」

 聞いた多くの者達は沸き上がった。



 なお、言うまでもなく事の原因はチヨマツ達にある。

 彼らが暴れ回ったせいで、こうなってるのだ。

 それなのに原因を統治者になすりつけている。

 された側はたまったものではないだろう。

 こういうのを、マッチポンプというのではなかろうか?



 それはさておき。

 こうして怒りと憤りにかられた民衆は、南下して統治者を倒していく。

 勢いにのった彼らは、自分が傷つくことも死ぬ事も厭わず突進していく。

 さしもの武士も、これには対処が出来ず。

 次々に倒されていった。

 文字通り地面に。

 そして、首や四肢を切り落とされていく。



 こうして武蔵国も、怒濤の勢いで制圧されていった。

 統治者達は、ある者は討ち死にし。

 ある者はどうにか逃げ延びた。

 しかし、勢力としての力は失い。

 本当に身一つの状態となってしまった。

 そんな彼らは、難を逃れる為にツテを辿って北上。

 越後へと流れ着く。

 


 何はともあれ、こうして関東管領である上杉氏は事実上滅亡。

 後にその姓と役職を上杉謙信が継承するのだが。

 それはまだ少し後の事となる。



 そしてチヨマツ達であるが。

 彼ら芝上家は小さな村の村長から、一気に二ヶ国を治める統治者となった。

 まだそんな体制などこれっぽっちも出来上がってないが。

 しかし、現時点で、ほんの一瞬だけでもチヨマツは統治者となった。

 次の瞬間には崩れ去るかもしれないが。

 それでも今はチヨマツが統治者になっている。



「とんでもない事になったな」

 勢いをつけ、勢いのままに攻め込み、敵を粉砕していった。

 敵がろくに動けない瞬間を狙って。

 おかげでとんでもなく巨大な勢力になった。

「これ、上手くいくんですか?」

 そんな心配が出て来るほどだ。



 チヨマツも村を30年近く治めているのだ。

 統治の難しさも知っている。

 小さな村でも大変だったのだ。

 それが今、二つの国にまで拡大している。

 これをまともに運営出来るとはとても思えなかった。



「やるだけやろう」

 アツヤはそう言うしかなかった。

 はっきり言えば、無理だと思う。

 小さな村を治めていただけなのだ。

 それがいきなり国二つを運営する。

 そんな事出来るわけがない。

 けど、やるしかないのだ。



「俺も加護を授けていくから」

 アツヤとしてはそうしていくしかない。

 これで技術や知識を授け、豊作などで実りを提供する。

 あるいは幸運などを授けていったり。

 とにかく出来る事をやっていくしかない。



 アツヤによって人材と状況の確保。

 チヨマツはそれを利用して体制作り。

 やる事は多いが、やっていくしかない。

「こりゃ、寝る間も無いな」

「ですね」

 アツヤとチヨマツは、同時にため息を吐いた。

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