21回目 始まっていく騒動
当面は、町で商人や旅芸人などから情報を得る。
まずはこれを進めて行く事にした。
どちらも行動範囲が広く、各地の出来事を比較的早く知る事が出来る。
そうして知った情報を集めていく。
当面はこれにて情報を集める事にする。
武家の方は領主のツテで何とか調べてもらうしかない。
ただ、領主の地位では重要な情報は流れてこない。
そこは仕方ないと諦めるしかないが。
せめてもう少し広範囲に情報網を広げられないかと思ってしまう。
領主に横の繋がりがあればと思う。
だが、無い物を求めてもしょうがない。
どうしても欲しければ自分で作るしかない。
今は商人や旅芸人などとのツテが作れればそれで良いとする。
何より、土台となる村。
これを更に発展させる。
この先、大きな何かが起こるなら、それに備えるしかない。
備えるためにも、基盤は大きくしっかりしたものである方が良い。
人にしろ、金にしろ、知識にしろ、技術にしろ。
大きく多い方が良い。
何か大きな事が起こるなら、それに対抗出来る力が必要になる。
その力を手にしておかねばならない。
その力が自分達の身を守る。
そして、力の強い者に他の者もよってくる。
利用しようとしてる者や、すがって助けてもらおうという奴らも。
それ以上に、力になる者がやってくる可能性が出て来る。
その為に、何はなくとも村をもっと大きくする必要があった。
今は30年前の2倍3倍にも人口が増えている。
これはこれで大きな成果だ。
しかし、これではまだ足りない。
もっと多くの人間が必要になる。
更に2倍3倍と巨大化させたい。
そうして何の意味があるのか、と思うが。
しかし強い事で失うものはない。
力があるというのは、やれる事が増えるという事だ。
対処能力を上げておくのに理由はいらない。
例え騒乱が起こったとしてもだ。
力があれば跳ね返せる。
その力を確保しておかねばならない。
「そんな力が必要なければいいけど。
そう思いはする。
物騒な事など起こらねば良いと。
しかし、起こって欲しくないと願えば問題が解決するわけではない。
問題を解決する能力や手段がなくては意味がない。
しかし時代の流れは無情だ。
一人一人の都合など考えてはくれない。
もっと成長させないとと思ってる間に問題がやってくる。
それは軍勢という形であらわれた。
アツヤやチヨマツが事の次第をしるのは後の事になるが。
この周辺でも中央の異常が押し寄せてきていた。
この近隣の武家の仕える主。
その主が衝突した。
そのあおりを受け、両家に連なる者達も行動を開始。
近くにある対立してる家の者共に攻撃を仕掛けていった。
そこで対立してるだけなら、当事者同士の争いで終わるのだろうが。
残念ながらそうはならなかった。
当事者達は、基本的に相手を叩きつぶすために動いていったのだが。
自分達の基盤や土台をしっかり確立したいとも思っていた。
その為に周辺の勢力を取り込もうとしていった。
武家を傘下におさめる。
あるいは協力体制をつくっていく。
同時に、その勢力下にある土地も吸収し、経済的な基盤も確保する。
この場合の経済的基盤というのは、金銭だけではない。
農作物や工業製品などを含めた、総合的な生産力である。
それを手に入れて、事を有利に進めようとしていた。
もとより盟約があったり、関係が深かったりするところは良い。
いつもの付き合いの延長で行動を共にすれば良いのだから。
しかし、そうでない者達にとっては迷惑きわまりない。
協力を求めてくるだけならまだ良いが。
断れば武力制圧となるのだ。
強盗と大した差はない。
しかもそれが、家同士の争いなのだ。
当事者同士で勝手にやっててもらいたいと、巻き込まれる誰もが思った。
中には、これを機に上手く取り入ろうという者もいるが。
厄介事に巻き込まれるのを敬遠する者が大半だ。




