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【完結】死んで幽霊になったと思ったら、戦国時代で神視点?  作者: よぎそーと
3章 躍進・成り上がり・下克上開始編

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20回目 手をのばせる範囲の狭さが、集められる情報の限界になる

「どうしたらいいんだかなあ」

 最初の頃より大きく立て替えられた家。

 その縁側に座るチヨマツも、アツヤと同じ思いを抱いている。

 今、アツヤは姿が見えるようにしている。

 その方が面倒が無くて良い。

 成就点の消費は大きくなるが、夜まで待って夢の中に出るよりは良い。

 今は時間が惜しい。

 それくらい慌ただしくなってきている。

 いや、そうなりそうな予感がしていた。



「何か良い智慧でもありますか?」

「残念だけど、無い」

「そうですか……」

 チヨマツの口からため息があふれた。



 最初に出会った頃から30年。

 チヨマツも既に41歳。

 正式にこの村を束ねる立場にいる。

 その見識は並の大人を越える。

 狭い世間の了見しか知らないが、それでもしっかりと村をまとめている。

 それだけの考えを持っている。

 それでも、見通せないものがある。

 分からない事がある。



「良くないことが起こってるのは分かるんですがねえ」

「そうなんだよなあ」

 チヨマツの言葉にアツヤも頷く。

 二人並んで縁側に座り、途方にくれていた。



「もう少し話が聞けたらいいんですが」

「それも難しいだろ」

「そうなんですよね」

 状況を考えれば仕方がない。

 アツヤにもそれは分かってる。

「ここまで伝わるような話なんて、そうそう無いだろうし」



 そこが問題だった。

 アツヤ達の村は、行ってみれば僻地だ。

 国の中枢や中心とは縁がない。

 そんな場所だ。

 その為、大きな話が流れ込んでくるような事はほとんどない。

 それが領主であってもだ。

 なので、領主と面会する機会が多いチヨマツでも、分からない事が多い。

 情報源の領主でも知らない事ばかりだからだ。



 それでも、全く何も伝わらないわけではなく。

 言葉少なに不穏な気配を伝えられてはいる。

『詳しくは分からない。

 だが、何かが起こってるようだ』

 それだけが統治下の主立った者達に伝えられている。

『何が起こるか分からないが、用心だけはするように』とも。




「町でもろくに情報が集まらないらしいな」

「大きな事が起こってるというのは分かるんですけど」

「詳しい事は分からないか」

「武家で、何か大事が起こってるというくらいしか」

 様々な人がいきかい、商品も流れてくる。

 そんな町でも、そんな情報が伝わってくる程度。

 何かが起こってるという噂はたっているのだが。

 それ以上の事は分からない。



 とにかく情報が不足していた。

 これでは動きようがない。

 ただ、

「戦争……なんでしょうか」

「可能性はあると思う」

 それも有り得るとは考えていた。



 武家で問題が起こってる。

 となれば、戦争になりかねない。

 後継争いにしろ、派閥争いにしろ。

 武器を持った連中の決着なんて、戦争に発展する可能性が常にある。

「まだ領主に招集がかかったわけではないようですが」

 それだけが安心出来る材料だった。



 おそらくは末端でしかないこの地域の領主。

 その領主が呼び出されてないという事は、そこまで大きな問題ではないという事。

 そして、この近隣での出来事ではないという証明でもある。

 ならば村が巻き込まれる可能性は低い。

 今の所は。



「ですが、臨時徴収はあるかもしれません」

「だろうな」

 戦争が近くで起こらなくても、必要な物資を集めるように指示が出されるかもしれない。

 戦争には行かなくても、領主にそういった命令が下る可能性はある。

「そうなったら、出来るだけ提供するしかないですかね」

「まあ、そうするしかないだろうな」

 こればかりはどうしようもない。



 拒否しても良い事はない。

 その瞬間に逮捕・投獄となるだろう。

 そして、無理矢理にでも物資を持っていかれる。

 当初より多くの量を取られるかもしれない。

 そうなるくらいなら、最初から大人しく要求された量を出した方がいい。



 ただ、それも考え物ではある。

 どれだけ要求されるか分からないが、それが度を超えていたらどうにもならない。

 対抗する事も考えねばならなくなる。

 それもこれも、起こるかもしれない騒動の規模次第だが。

 ただ、本当に何かが起こって、それが大きくなったらどうなるか。

 色々と覚悟はしなければならない。



「どうにかなりますか?」

 チヨマツがアツヤに尋ねる。

 本当にどうしようもない事が起こった時だ。

 そうなったら、アツヤの力でどうにか出来るかどうか。

「無理だ」

 即座に答えが伝えられた。



「ある程度状況を有利には出来る。

 だけど、解決は出来ない」

「そうですか……」

 予想した答えだ。

 アツヤの力は、事を有利にしてくれる。

 しかし、結果を出すものではない。

「支援は出来るけど、解決はお前達にやってもらうしかない」

 アツヤも嘘は言えない。

 偽りのない事実を伝えるだけだ。



「その代わり、出来る事はする。

 やれるだけの事はやる。

 あとは、お前らが頑張ってくれ」

「それだけあれば十分ですよ」

 チヨマツは笑顔を浮かべる。

「神様の力でどれだけ助かっている事か。

 その力を貸してくれるなら、これ以上ありがたい事はありません」

「そう言ってもらえると助かる」



 そこからは今後の事を話していく。

 今の段階で何が出来るのか。

 それを探っていく。

 とにもかくにも、状況が分からねば意味がないが。

「まずは調べないといけないですね」

「そうだな」

 その為の手法を考えていく。

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