13回目 減った分を補うために余所の村から人を連れて来る、そして氏を名乗らせる(能力表記あり)
「人が減って収穫が下がった分は仕方ない。
ただし、年貢率は今まで通りと」
使者が持ち帰った条件を聞いて、アツヤは喜びも悲しみもしなかった。
年貢率ではなく、納める量を今まで通りにしろと言われないのは良かったが。
「まあ、こんなもんか」
妥当なところだとは思った。
人が減った分、収穫が減るのは覚悟した。
だからといって今まで通りの量を納めろと言わない程度にまともである。
しかし、納める率を減らすほど甘くもない。
領主としてはそうするしかないだろうとは思う。
ただ、全く何も手を加えないというわけではない。
人が足りないなら、余所から人をつれてくると提案されたという。
他の村で、余ってる者をつれてくるという。
部屋住みというか、家を継げない者をだ。
なるほど、そうなるだろうとは思った。
どこの村も余裕があるわけではない。
労働力として人は確保しておきたい。
しかし、得られる収穫が増えない以上、一定数以上の人間を養う事は出来ない。
その為、養える限界ギリギリの者は持てあます。
そうした者をつれてきて、足りない人手の補充をするのだ。
領主としては、足下の問題を少しは緩和出来る。
アツヤやチヨマツの村も、人手不足をある程度解消出来る。
もちろん、問題もある。
余所から来た者達が村に馴染めるかどうか。
村の者も別の所から来た者を受け入れるかどうか。
このあたりは問題になる。
特に、人を送り出す側は、これ幸い厄介払いをする可能性がある。
人間性に難のある者達を捨てる先に使われてはたまらない。
「まあ、その時は成就点の供給源にすればいいだけなんだけど」
対処が出来るので、そう大きな問題にはなりにくいとは思える。
また、余所から来た連中が、村を乗っ取る可能性。
これも捨てきれない。
ひさしを貸して母屋を取られては面白くない。
そういった警戒もしておかねばならない。
ただ、単純な労働力としてはあると便利だ。
早急に人が必要な現状では、受け入れる事も考えねばならない。
「最悪、村の連中にしたように、祟りを起こしてやるから」
問題が起こるなら、アツヤが動く。
それで対処していく。
「そういう事なら」
チヨマツも納得する。
「それと、良い機会だ。
全員に氏を名乗らせよう」
それも提案していく。
「余所から来る者と、この村の出身者。
その違いをはっきりさせておこう。
余計な騒動になる前に」
「はい、分かりました」
チヨマツは素直に頭を下げる。
「その記録の為に、紙に筆、墨を作れるようにしよう。
その方法を授ける。
各家ごとの家系図とかもこの際だ、作ってしまおう」
いわゆる戸籍である。
人員管理に必要になる。
「こういうのもそのうち必要になるかもしれん。
今のうちに手を打っておこう」
こうしてアツヤは新たな者達を受け入れる準備をととのえていく。
今後を見据えた管理方式も。
誰がどの家の者で、土地はどこが持ってるのか。
それらをはっきりとさせておく。
今までは同じ村の者同士でやっていた。
だから、それぞれの記憶頼りでもどうにかなった。
しかし、これからはそうはいかない。
余所から来た者達が、勝手な事をしでかすかもしれない。
それに備えておく必要がある。
もちろん、領主なども戸籍の管理などはしてるだろうが。
他人任せではなく、自分達でも管理をしておくべきだと考えた。
外部に頼っていると、自分達で何も出来なくなるのも問題だ。
なるべく自分達で事をなせるように。
そうしていく為の下準備でもある。
その為に必要になりそうな心得を授けていく。
その結果、チヨマツの能力は次のようになった。
*** 状態表示 ***
・チヨマツ
11 → 14歳 男
基礎能力
体力: 11 → 16
思慮: 13 → 20
知識・技術
格闘 レベル4 → 5 (補正+15)
教養 レベル4 → 5 (補正+15)
農業 レベル4 → 5 (補正+15)
衛生 レベル4 → 5 (補正+15)
統治 レベル1 (補正+1)
製造・作成 レベル3 (補正+6)
*** 状態表示 ***
年齢が上がったことで能力も上がっている。
また、この間に自ら様々な努力をした事で、知識・技術のレベルも上がっている。
統治に至っては、自力でレベル1にまでなっている。
チヨマツはチヨマツで、着実に成長していっていた。
また、この機会に氏を名乗る事になり。
その氏をアツヤ自身が与える事にした。
「今日から、芝上を名乗れ」
付き合いも長くなった相手だ。
それなりの愛着もある。
だからアツヤは、自分の氏をチヨマツに与える事にした。
*** 状態表示 ***
・芝上チヨマツ
14歳 男
基礎能力
体力: 16
思慮: 20
知識・技術
格闘 レベル5 (補正+15)
教養 レベル5 (補正+15)
農業 レベル5 (補正+15)
衛生 レベル5 (補正+15)
統治 レベル1 (補正+1)
製造・作成 レベル3 (補正+6)
*** 状態表示 ***
公的な記録では認められないだろう、氏を名乗るのは。
しかし、自分達が区別のために名乗るのは自由だ。
以降、チヨマツは芝上を氏として名乗る事になる。
同様に、村の他の家も、それぞれの氏を名乗る事となった。
これは各自が好きにつけていく事になる。




