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隣人のエルフちゃん  作者: りょう
出会い編 異世界からやって来た少女
13/56

特別編 エルフちゃんとハロウィン

今日はハロウィンということなので特別編をお届けします!

本編はまだ九月なのでもう少し先のイベントなのですが、一足先にということで。

ちゃんと本編でも後々に触れるのでお楽しみに!

「そういえば今日はハロウィンというイベントがあるんですよね?」


「ハロウィン? そういえば今日だったな」


十月三十一日。

学校帰りの途中で、クルルが駅に飾ってある装飾を見ながら呟いた。悠も忘れていたわけではないが、高校生になってすっかり疎遠になってしまっていたイベントだったので、今日がその日だという感覚がなかった。


「具体的にはどういうことをするんですか?」


「仮装してパーティしたり、トリックオアトリートって言ってお菓子をもらったりするかな」


「仮装……やってみたいです」


「やってみたいと言っても、今からじゃ」


「駄目、ですか?」


上目遣いでクルルに見つめられ悠はドキッとしてしまう。


(本当不意打ちが心臓に悪すぎる)


「駄目じゃないけど、今から仮装しようにも作ったって間に合わないし、何かいい方法は」


とりあえず困ってしまったので雛に電話をしてみる。


『クルルちゃんの仮装? 見たい見たい! ちょうど去年使った衣装があるから持っていくね!』


「サンキュー、助かる」


『悠のも持って行くから楽しみにしていてね!』


「いや、俺は別に」


否定しようとしたところで電話が切られる。


「雛が衣装持ってきてくれるって」


「本当ですか? すごく楽しみです」


それから三十分後、悠の家。


「なんか遅いと思ったら、着てきたのか? それ」


「どう? 似合うでしょ!」


雛はジャックランタンみたいな衣装を着てやって来た。本人がやる気満々だった以上、着てくるとは予想していたものの、まさか衣装を着てやってくるなんて予想できなかった。


「すごく可愛いです」


「でしょ? クルルちゃんにも着せてあげるからね」


「何を着せてくれるんでしょうか?」


「はいこれ。一旦自分の戻って着てきてね」


ウキウキしているクルルに雛は紙袋を渡す。中身がどんなのかは悠には見えなかったが、紙袋と一緒に帽子も渡していたので恐らく魔女なのではないかと予測する。


「で、悠はこっちね」


「本当に持ってきたのかよ」


「折角のハロウィンなんだから楽しまないとね!」


「まったく……分かったよ」


そして悠も同じように渡され、クルルと同じようにハロウィンの衣装に着替えさせられる羽目になったのだった。


■□■□■□

そして十分後。


「お、お待たせしました」


悠が着替え終わったほぼ同じタイミングで、クルルが家にやって来た。しかしクルルは家の扉を開けたのはいいものの、顔だけ覗かせて中に入ってくる様子がない。


「どうしたクルル」


「く、クロサキさんは見ないでください!」


「へ?」


見るも見ないもそもそも中に入ってこないので見えない。それに対してクルルは半泣きになりながらずっとこちらを見ているだけ。


(なんだこの状況は)


「雛、お前が渡したの魔女の服装じゃないのか?」


「そうだよ? その代わり露出が多めだけど」


「どう考えてもそれが原因だな」


悠はやれやれと思いながらバスタオルをクルルに渡す。


「とりあえずその格好で外にいるのもまずいから、これ巻いて中に入って」


「ありがとうございます……」


クルルは頬を赤らめながらバスタオルを身体に巻き家に入る。バスタオルで巻かれているため全体像は分からないものの、肩がほぼ出てしまっているあたり、相当露出が高い衣装なのは見て取れる。


「もう、恥ずかしがることなんてないのに」


「雛と違って普通は恥じらうべきなんだよ」


「ちょっとそれどういう意味?」


「喧嘩しないでください、二人とも」


折角のハロウィンの夜に険悪な空気が流れる。勿論悠と雛は本気で喧嘩はしていないが、クルルは申し訳なさを感じていた。


「わ、私が一肌脱げばいいんですよね?」


「く、クルル?」


「そうだよクルルちゃん! 恥じらう必要なんてないの。さあ全てを解き放って!」


「雛はとりあえず黙ってろ!」


バスタオルに手をかける雛。悠と雛は固唾を飲んでその時を待つ。


「い、いきます!」


その言葉と共にクルルは体に巻いていたバスタオルを脱ぎ……。


「や、やっぱり恥ずかしいので家で着替えてきます!」


そのまま悠の家を出て行った。


「ちょっと申し訳ないことしちゃったかも」


「あとでクルルに謝っておけよ」


「うん、そうする」


包帯を体に巻いたフランケンシュタインとジャックランタンは立ち去る魔女に申し訳なさを感じたのだった。


「ところでさ俺も結構露出高いよな、これ」


「今更?!」


この後啓介達も呼んでちゃんとしたハロウィンパーティは行いました。


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