失望
翌朝。日がしっかりと昇った頃に大人達が私達子供組の泊まる部屋へと入ってきた。
「準備出来るてるか?今から教会に向かうぞ」
お隣の男性が言う。それを聞いて他の子供達は自分の魔力や属性が知れるとわかり大はしゃぎだ。
「コラお前等、落ち着け。俺達大人の言うことを聞けないなら、教会に連れて行かずにここで待っててもらうぞ?」
子供達から「えぇーー!」という声が上がる。それに対して男性は「嫌なら落ち着け。それで宿の前で待ってるウォルターさん達の所に行くぞ」と言った。
子供達はそれに「はーーい!」と返して、そそくさと部屋から出て行った。
「はぁ、全く、これだから子供は……。まぁ、それが子供だし可愛いんだけどな。
さて、ほらジャック君。君も早く下へ行こう」
「…………………わかりました」
私はお隣の男性手を引かれ宿を出た。
宿を出ると、目の前には子供達や父親達が居た。父親は俺の姿を見ると、お隣の男性に「手間掛けたな」と言って私を抱き上げようとした。
私はそれを、お隣の男性に抱き付く事で拒んだ。
「ジャック?」
戸惑いと不思議そうな表情を浮かべて驚いている父親の顔が目に入る。
「自分で歩けます」
私がそう言うと、より一層父親が困惑した表情をする。
そのまま互いに動かず、2人の間を沈黙が支配する。
当然私から話すことはない。私の意思はもう父親に伝えた。だからあとはそれに、父親が返答するだけ。
しかし父親は全く反応をせずに固まったままだ。
……それほど衝撃的な事だっただろうか?
私達が互いに固まってるのを見かねてか、お隣の男性が間に入った。
「まぁウォルターさん、確かにジャック君の言う通りかと思いますよ。我が子が可愛いのはわかりますけど、猫可愛がりしても普通の子にとっては逆に悪影響になるかと思いますよ?
猫可愛がりするぐらいなら、他の子と同じ扱いをしてあげる方が、この子の将来にとっても良いことだと思いますよ。
だからウォルターさん、今回は取り敢えず、このまま彼に自分の足で歩いてもらいましょうよ。
ジャック君も歩きたいよね?」
「ッ、いや、でも!」
「ウォルターさん。はっきり言いますが、子供の事を想うのなら、親の我が儘を押し付けるのは時として害悪にしかなりませんよ。貴方のこの子に対する態度は、親としては少し異常です」
「ッ?!…………わかりました。
ジャック、歩きたいのか?」
「自分で歩けますが、歩いては駄目なんですよね?」
「ジャック……?」
「……お隣のお兄さん、こんなところで止まってないで早く行きませんか?僕や父さんの問題で他の子達を待たせるのも悪いですし、僕達のせいで儀式を受けられないのは流石に可哀想です」
私はそう言って父親を一瞥したあと、お隣の男性の手を引いて、先に急ぐように促します。
お隣の男性は、父親を可哀想な物を見る目で見た、父親に何かを言って、「みんな、お待たせ。じゃあ、教会に行こうか。ウォルターさん、さぁ行きましょう」と言い僕達を先導しました。
お隣の男性の手を握って歩きながら後ろを振り向くと、その場から動かずこちらを見る父親と、そんな父親を心配して慰めてるのか、困った表情の母親が写りました。




