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落ちこぼれは伝説の女神と契約する  作者: 黒神レイ
一章 契約
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9、守りたい者だけを守る

雨が降ることが増えましたね。

ハルスメルスを倒した俺達はレインを連れて、エグリットさん達の所に向った。

エグリットさん達は俺達を城に連れて行き、王様や貴族達に会った。王様はレインの無事を喜び、同時に俺達に感謝をしてきた。

そして今、城では祝いのパーティーが始められていた。

会場の広間は綺麗な装飾をされ、純白のテーブルクロスを敷いたテーブルの上には何種類もの豪華な料理やデザートが並べられている。

給仕の人達が颯爽とグラスを配り歩いている。

ドレスやタキシードで着飾った貴族が、王様や王妃様に挨拶をしている。

奥の方では楽士達の演奏に合わせて、男女がダンスを踊っている。

クラスメイト達も何人か踊っている。


「美味しい」

「でも、夜月のには負ける」

「確かにそう」


ティアとセリスは楽しそうに料理を食べている。

貴族の息子達が話し掛けようとするが、ネーロが威圧を放ちながらいるので、2人に近づけないでいる。


「英雄様」


振り返ると純白のドレスを着たレインが立っていた。

その姿を見た俺は、完全に見惚れて一瞬だけ硬直した。


「私と1曲踊ってくださいませんか?」

「ぜひ、お願いします」


俺はレインの手を取り、ダンスホールの中央に向かうと周りから注目が集まるが集まる。

ゆったりとした曲調の旋律に合わせて踊り始める。


「今回は助けてくれてありがとうございます」

「いいんです。俺は守りたい人がいたので闘っただけです」

「その人は王国にいるんですか?」


レインが小声で聞いてくる。

俺は小さく頷く。


「ええ。これと対になる指輪を付けているんですよ」

「その指輪……」


レインはその指輪を見て驚いた。

それは番いの指輪の片方で、夜月に渡した物だったからだ。


「夜月なの?」


俺は頷くと仮面を外し、レインに笑いかける。

その瞬間、レインの瞳から涙が溢れた。


「夜月!」


俺はレインを優しく抱きしめる。

突然の事に周りで見ていた貴族達は驚いている。

王様や王妃様、エグリットさん、クラスメイト達も驚いている。


「生きてた、やっぱり生きてた」

「心配させてごめん」

「もう、絶対にあなたを離さない」

「俺も君を1人にしない」


王様と王妃様、エグリットさんが近づいて来た。


「本当に、夜月君なのか?」

「エグリットさん、王様と王妃様もお久しぶりです」

「夜月君、済まなかった。私はあのとき君を……」

「エグリットさん、頭をあげてください。

あなたは俺にいろいろなことを教えてくれたんですから」

「夜月君、エグリットから聞いたよ。娘の傷を治してくれたと。

そのうえ、国まで君に救ってもらった。

この恩をどうやって返そうか」

「王様、1つお願いがあります。

俺達はこれから旅に出ます。

レインをその旅に一緒に連れて行きたいんです」


その言葉に王様達は驚いたが、すぐに落ち着く。

王妃様がレインに近づく。


「レイン、あなたはどうしたいの?」

「私は、夜月と一緒に行きたい。夜月と一緒に闘う」

「なら、行きなさい。夜月君、娘を頼みます」

「はい、王妃様」


「ちょっと、待てよ!」


振り返ると勇也を先頭にしてクラスメイト達がこちらにやって来る。


「そんな力があるんだったら、俺達に協力しろよ」

「次、あんなのが来たら俺達は困る」

「お願いします。私達に力を貸して!」

「残ってくれ」


「嫌だよ。何でお前らに力を貸さなきゃいけない」


俺はクラスメイト達に即答した。


「そもそも俺は王様やエグリットさん、レインに会いに来ただけであって、お前らに会いに来たわけじゃない。

ハルスメルスを殺したのだって、この国の人達には沢山の恩があったからだ。

俺の力は守りたい者だけを守る為に使う。

その中にお前らは誰1人入ってねぇよ」

「無能が、黙って力を貸せばいいんだよ!」


勇也が聖剣を抜き、斬り掛かる。

俺はそれを何度も避ける。


「避けてばかりでどうした!所詮は無能のままか!」


勇也が大振りの一撃を放つ。

その瞬間、俺は剣を抜き右腕を斬り落とす。


「腕が、俺の腕がああああああああぁぁぁ!」

「早く治療をして!」


回復魔法が使えるクラスメイト達が、勇也の腕を繋げ始める。


「お前を殺したかったが、今回はこれで済ましてやる。

だが次会ったとき、俺や仲間に危害を加えることがあれば俺はお前を殺すからな」


俺は威圧を放つ。

勇也は顔を真っ青にしながら何度も頷く。

確認した俺は王様達の方に振り返る。


「すみません。せっかくのパーティーを血で汚してしまって」

「いいんだ。

今回は勇者が勝手に仕出かした事だから、不問となる。

それより、早く行きなさい」

「レイン、元気でね」

「夜月君、またいつか会おう」


俺とレインは王様達に最後の挨拶をすると、出発の準備を終えていたネーロに乗る。

セリスは俺のローブの中に消えて行き、ティアを前に乗せる。


「ネーロ、頼むぞ!」


ネーロは頷くと走り出し、テラスから一気にジャンプする。

そして、そのまま空を駆ける。

レインは、楽しそうに周りを見る。


「それで、夜月。私達は何処に行くの?」

「獣人の国、オルガーナだ」



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