6、強くなるために
時間を少し戻して、武雄達の方になります。
あの日から、もう3日が経った。
城に戻った俺達は、王様と貴族達に何があったのか話した。
魔王軍七将のハルスメルスと戦闘をし、自分たちが助かる為に夜月を殺したこと全てを話した。
王様は相当ショックを受け、高熱を出し今も寝込んでいる。
それなのに、クラスメイト達はいつも通り生活していた。
玲子や朝陽も毎日楽しそうに過ごしている。
まるで夜月は最初からいなかったかのように。
その時、誰かが扉をノックする。
「武雄君。私だ」
「エグリットさん、入って下さい」
エグリットさんが部屋に入ってくる。
机の上にまとめられた荷物を見る。
「本当に出ていくのかい?」
「はい。俺はここにいたくないので」
「そうか……。体には気を付けるんだぞ。
それと入ってきてくれ」
「メルさん」
「武雄様。私も一緒に行かせてもらいます」
彼女はメル。
年齢は22歳でメイドの中では若いが、その仕事は完璧で新人に教育をしている。
俺達には専属のメイドが1人ずついて、彼女は俺の専属メイドだ。
「王に君が出ると話したら、何処に行っても困らない様に彼女を連れて行けと言われたんだ」
「メルさんは、いいんですか?」
「はい。私は大丈夫ですよ」
「なら、お願いします。
ではエグリットさん、もう行きますね」
俺は荷物を担ぎメルさんと一緒に城を出て、街の門に向かう。
「武雄!」
「武雄くん!」
門を出ようとしたとき、玲子と朝陽が走ってくる。
「何しに来たんだ」
「武雄、行かないで。私達にはあなたの力が必要なの」
「お兄ちゃんのことは仕方ない事だったの」
「ふざけるな!」
俺は怒鳴る。
玲子と朝陽は黙った。
「確かに夜月は何の力を持って無かった。
でもそれだけだ。
それだけの理由で夜月を俺達は殺したんだ。
それなのにお前らは、まるで夜月が最初からいなかった様に笑いながら生活している。
ふざけるのもいい加減にしろ!」
玲子と朝陽は、武雄の言葉に何も言うことが出来なかった。
だってそれは本当の事だったからだ。
「俺は、もうお前らを仲間とは思わない。
もう関わらない。
だからお前らも俺に関わるな」
俺はそう言ってメルさんと一緒出た。




